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AMRICAN EAGLE OUTFITTERS®と考えるアメカジのイロハ。 vol.22

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イニシャル「P」

80年代後半、アイビーボーイの必需品として一斉を風靡したPコート。以来アメカジの、というより冬のアウターの鉄板アイテムとして安定した人気を誇るアイテムだ。冬の制服として採用している学校も少なくないから、多くの人が馴染みのあるアイテムなんじゃないかと思う。このアイテムを語る上でまず焦点となるのは、「P」って一体なんのこと?ってこと。諸説紹介したいと思う。

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¥14,990+tax

よく知られているのは、「P」とは“錨の爪”のことを指すという説。そもそもイギリス海軍が艦上用の軍服として着用していたものだし、漁師たちが広く着用していたことからも信憑性は高い。事実、古いPコートのボタンには必ず錨のマークが刻印されているしね。ちなみにPコートは英語で「Pea Coat」。「Pea」とはエンドウ豆のことだが、錨の爪がその形状に似ていることから転じたという話。

もう一つの説はオランダ語で、表面が毛羽立った厚手の生地「ラシャ」を使用したコートを「Pij Jekker」ということからPコートと名付けられたというもの。『ボタンに錨のマークがあるからPea Coatって…。しかもPeaって豆だし…』と思ってしまうと、こっちの方が信頼できそうな気もする。

さらにPコートのことをパイロットコートと呼ぶこともあることから、そのイニシャルをとってPコートとなったという説や、パシフィックのPだという説もある。ここまでくると若干強引かなという気もするから、前者の2説が有力なんじゃないかな。

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ディテールについてもいくつかウンチクが。 まず襟。これはリーファーカラーと呼ばれている。Reeferとは「帆を巻き上げる人」を意味し、海軍少尉候補生の俗称。その制服のデザインから転じている。船のデッキはうるさく声が聞こえづらい。そんな時にこの大きな襟を立てると聞こえやすくなるという使い方もあったとか。
そして特徴的な6つボタン。右上でも左上でも止められるようになっているのだけど、これは防寒性を高めるために風向きに合わせて止める向きを変えられるよう工夫されたものなんだそう。海の上という過酷な環境下で働く男のためのディテールって感じ。さらにどちらかのボタンが壊れてしまっても止めることができるようにしてあるということらしい。
あと、縦に切り込みの入ったポケットは、何かものを入れるというよりも手を温めるのが第一目的。さっと手が入れやすくしてあるのだ。

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アメリカンイーグルアウトフィッターズ®のPコートは、錨のマークの代わりにシンプルなブランドロゴを刻印。いかにもな感じではなく印象がモダンだ。さらに裏地はキルティング仕様で中綿が入っているから温かい。シルエットも野暮ったくなくスマートで、近代的に進化しているという感じ。

Pコートはアメカジスタイルにはもちろんのこと、モードブランドもPコートは積極的に取り入れているし、スーツにだって合わせることができる。ワードローブにあって損はない、というかあった方がいいアイテムのひとつだ。

アメリカンイーグル アウトフィッターズ
電話:03−6418−1067
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