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AMRICAN EAGLE OUTFITTERS®と考えるアメカジのイロハ。 vol.3

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Photo_Yozo Yoshino[takibi]
Text_Ryo Kikuchi
Edit_Jun Namekata[The VOICE]

ジーンズ好きの密かなこだわり

当たり前に存在してはいるけれど、少し関心を向けるだけでこれまで見えなかったものが見えてくる。例えばジーンズのボタンやジッパー。着脱のサポートやフロントデザインの一翼を担うお馴染みのディテールだけど、より深く知ればこれがなかなか面白い。

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〈ボタンフライ〉

昔からフライ部分にはボタンが使われてきた。しかも、糸で縫い付けるタイプではなく、タテヨコの強い引っ張りにも耐えられる堅牢なタックボタン。それは、防縮加工が開発されていない当時、洗っていくほどに起こる生地の収縮やねじれ現象に対応するためでもあった。

蓋の付いたカバードボタンや中央に穴の開いたドーナツボタンなど多彩な金属ボタンが誕生してきたけど、そのきっかけを作ったのは実はジーンズだったりする。それを知っているからこそ、ジーンズ選びに一家言あるベテランたちは穿きにくさなんて関係なく、ボタンフライにこだわったりするのだ。「これがオリジンなんだ!」という具合に。

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〈ジップフライ〉

靴ひもを結ぶ億劫さを解決しようと、試行錯誤を繰り返しながら1891年に生み出されたモノ。それがファスナーの起源とされている。1920年代にジーンズへ採用された大きな理由もそんなところかもしれない。以降、その利便性から幅広い層に受け入れられたのは紛れもない事実。1960年代には防縮加工済みのジーンズも発表され、ジップフライは益々便利になり、需要は高まっていった。

その時代はもうジーンズはワークウエアではなく、ファッションアイテムとして認知されていたし、そんなに強度も必要なかったということもあったのだろう。いわばジップフライは、ジーンズの発展に大きく寄与したディテールといえる。

エイジングの楽しみや丈夫さはジーンズの大きな魅力。でも、さらにこういった細部へ目を向ければ、時代背景も読み取ることだってできる。そんな楽しみ方も、長い歴史を歩んできたジーンズならではと言えるかもしれない。いいんです、自己満足で。さて、あなたはどっちが好き?

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(右)
「スリムジーンズ」¥7,990+税
股上をやや浅めに設定した細身のシルエットは、美脚を狙ううえでも効果的。膝部分は、一度ダメージを加え、その裏に地の目を変えた当て布をあしらったリペア加工によるもの。

(左)
「スリムジーンズ」¥6,990+税
ブランドのジーンズコレクションの中で、もっとも細身なシルエット。しかし、高度なストレッチ技術を採用した生地を使用しているため、伸縮性が高くストレスなくはける一本に仕上げている。

アメリカンイーグル アウトフィッターズ
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