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AMRICAN EAGLE OUTFITTERS®と考えるアメカジのイロハ。 vol.4

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Photo_Yozo Yoshino[takibi]
Text_Ryo Kikuchi
Edit_Jun Namekata[The VOICE]

ジーンズの歴史を変えた映画

もともとジーンズはワークウェアで、炭鉱夫や農夫たちのユニフォームだった。大事なのは見た目よりも丈夫さ。でもそんな“仕事着”をひとつのスタイルへと変えたのは、おそらくこの映画たちだと思う。このせいでジーンズに夢中になった人も大勢いたはずだ。

~『乱暴者』~

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1947年7月4日(米国独立記念日)、アメリカのカリフォルニア州にあるホリスターでバイクイベントが開催された。その参加人数は4000人以上とも言われていて、小さな田舎町からしてみればまさにビッグイベント。だけど、参加者の一部が暴走や暴動を起こしたことで、多くの逮捕者や負傷者を出す大惨事となってしまった。それが俗にいう“ホリスター事件”であり、同作の題材となった出来事。そこで、暴走族のリーダーを演じたのがマーロン・ブランド。1950年代を代表する名優であり、多くの若者たちに影響を与えたカリスマだ。

黒の革ジャン、厳つめな黒ブーツ、そしてジーンズは、もう彼のトレードマークといっていいぐらい有名かもしれない。だけど、劇中でジーンズを穿いたのは同作が初とか。で、当時は、彼の型破りな演技や服装に賛否両論が巻き起こったらしいけど、そんな彼の不良(ワル)姿に、反抗心の塊である思春期の若者たちは共感した。だから世の大人たちは、子供たちにジーンズの着用を禁止した。その若者たちの中には、若き日のエルヴィス・プレスリーやビートルズもいたっていうんだから、バッドの影響力は本当に凄かった。

劇中で彼が履いていたのが、濃紺で太めの無骨なジーンズ。それをロールアップして履いていたのだけど、今彼のスタイルをフォローするならば、例えばこんなオーセンティックなタイプの男らしいジーンズがいい。ちょっとしたエイジング感がイメージにぴったりだ。

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右:「スリムコアフレックスジーンズ」¥4,990+税
色落ちの少ないオーセンティックなジーンズ。ストレートシルエットだがやや細めで今っぽい空気感を持っている。当時のそれとは違うのは、素材が伸縮性の高いコアフレックスデニムだということ。見た目は強くても穿き心地はイージーだ。

左:「スリムストレートジーンズ」¥5,990+税
クラシックなジーンズにインスピレーションを受けデザインされた一本。太めのストレートシルエットにすこしだけ色落ちさせたデザインが、バッドのイメージと重なる。ロールアップもサマになりそうだ。生地にラグドコットンデニムを使い、堅牢性も十分。

~『理由なき反抗』~

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反抗児や不良は、何も粗悪な家庭環境やスラム街から生まれるものではないってことを、この映画が教えてくれる。ボロ車を猛スピードで崖へと走らせながら度胸試しをしたり、はたまた友の死に心を痛めたり。多感でナイーブで鬱屈した当時の若者たちの心情が凝縮されているのがこの一本。大人や社会に反発する彼らの代名詞として、同作のタイトルが流行語になったことからもその影響力が尋常ではなかったことが分かる。彼らからしてみれば、ジェームス・ディーン演じる主人公のジムは、胸の中で抱えていたモヤモヤを晴らしてくれた格好の代弁者だったのかもしれない。

ジェームス・ディーンは高い知名度から俳優歴は長いように感じられるけど、実際にデビューしてからの活動期間は約4年。深く関わった作品をあげれば3作しかない(不慮の事故により24歳の若さで他界)。それでも、多くの人たちは、赤いブルゾンに白T、そして色褪せた細みのジーンズを穿いた『理由なき反抗』での彼の姿をはっきりと覚えている。普段から、もっぱらジーンズとコンバースのスニーカーだったというジェームス・ディーン。その姿に誰もが憧れた。

バットと違ってジムが履いていたのは、もうすこしダメージの進んだこんなジーンズ。不良性はあるけれどどこか洗練された抜け感があるというのも、彼がヒーローにした理由な気がする。

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右:「オリジナルストレートコアフレックスジーンズ」¥5,990+税
ジムの履いていたそれよりはエイジングが進んでいるが、太もものあたりなどはイメージに近い。抜群の伸縮性を備えたコアフレックスデニムを素材に採用。新素材だがルックスのオーセンティックさは損なっていない。

左:「スリムストレートジーンズ」¥5,990+税
100%コットンの生地にミディアムウォッシュやシワ加工を施し抜け感を演出。細すぎずルーズすぎないバランス感もいい。今ならTシャツをインして着こなすのもあり。コーディネートの幅も広い、使い勝手のいい一本。

もちろん、ジーンズはそれ以前からカジュアルウエアとして認知されていたけれど、これらの映画を機にジーンズは“スタイル”を確立したといっていいかもしれない。

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