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AMRICAN EAGLE OUTFITTERS®と考えるアメカジのイロハ。 vol.5

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Photo_Yozo Yoshino[takibi]
Text_Ryo Kikuchi
Edit_Jun Namekata[The VOICE]

打ち抜きか、被せか。

ジーンズの起源をたどると、リベットが重要だったということがわかる。というのも、そもそもジーンズは、金鉱で働く男たちのために丈夫なパンツを作ろうとしたことがその始まり。最初のジーンズは糸で縫い合わせた物だったが、途中で、より負荷のかかる部分はリベットを使ったらいいんじゃないかということでそれを使い始めた。ここで今我々他よく知っているジーンズは完成したのだ。
ポケットの隅だったり生地のつなぎ目だったり、銅製のパーツは、そこかしこに打ち込まれている。その特徴も手伝って、ジーンズはメンズカジュアルでもっとも有名なボトムになった。ただ、それをあみだした人は最初、たいした手法じゃないと思ってたみたいだけど。

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リベットは、馬用のブランケットにストラップを付けるために使われていた金具から着想を得たんだそう。それでポケットを付けたら長持ちするんじゃないかと考えた。案の定、それを使うことで従来のものよりずっと屈強なボトムスが出来上がり、今ではそれがちょっとしたデザインのポイントになったりもしている。ちなみに、表にくる突起のある方がリベットと思われがちだけど、本来は生地裏にあるプレーンな方がそれ。表地に来るのは、リベットを留めるためのバーと呼ばれるパーツなので、お間違いのないように。

ジーンズの登場によりリベットの種類は増し、取り付け方法にも改良が加えられてきた。だから、ジーンズの製造年代を識別する際にはとっても役に立つ。当然ヴィンテージ好きの人たちは、それを心得ているからリベットを見る。隠しリベットや股リベットの有無なんていうマニアックな話もあるけれど、リベットが「打ち抜き」かどうかは特にメジャーなチェックポイントだったりする。

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当時はジーンズをリベットとカバーで挟んで無造作にリベットを打ち抜くため、写真のように凸部分から生地がはみ出て表側に出てくる。これが昔ながらのディテール。年代の古いジーンズなんかは大体これだ。

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しかし、ジーンズがファッション化するにつれて、その荒々しさは見直されるようになり、撃ち抜くのではなく、上から覆い被せるカバー型のものが登場した。よく見るとわかるけど、凸部分からデニムの生地がはみ出していない。細かいことだけど、これで見た目がワーク然としたものからすっきりした物へと変わるというわけ。

アメリカンイーグルアウトフィッターズのジーンズには、オーセンティックなデザインのものから現代的なフレッスデニムまで、主に打ち抜きリベットが使われている。それだけディテールにこだわっているという証。クオリティに対する姿勢がわかる。その辺を少し意識して見てみると、またジーンズ選びが楽しくなるかも。

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「スリムコアフレックスジーンズ」¥4,990+税
濃厚なインディゴブルーの端正なルックスがポイント。美脚効果の高いテーパードシルエットでありながら、柔軟性のあるフレックスデニムを使用しているのでストレスなくはける。打ち抜きリベットを使用。


「セルビッジスリムストレートジーンズ」¥11,990+税
本物のヴィンテージジーンズさながらの加工が目を惹く一本。オーセンティックさとモダンさを両立した細身のストレートシルエットも魅力的だ。本格派の風格を、打ち抜きリベットという細かなディテールが後押し。

アメリカンイーグル アウトフィッターズ
電話:03−6418−1067
www.aeo.jp