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AMRICAN EAGLE OUTFITTERS®と考えるアメカジのイロハ。 vol.6

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Photo_Yozo Yoshino[takibi]
Edit & Text_Jun Namekata

ジーンズだけでしか楽しめない味

ジーンズの魅力といえば、やっぱりエイジング(経年変化)だ。そもそもこのエイジングってどういうことなの?ってことで、ちょっと難しい話になるけれどまずはその仕組みを紹介しよう。

まずジーンズに使われるデニム生地というのは、基本的にはタテ糸をインディゴで染色し、ヨコ糸を染色をしていない糸で織った素材のこと。で、そのタテ糸は“ロープ染色”という方法でインディゴ染めされているのだけど、この手法では糸の芯まで染まらない。つまり糸の外側だけインディゴ色ってことだ。だからはきこむと糸の外側のインディゴが擦れたりして落ちてきて、中の白い部分が“だんだん”見えてくる。これがジーンズ特有のフェード感を生むというわけ。

さらにはき込んでいくと生地が薄くなり、そのうち破ける。そうすると染色をしていないヨコ糸もぴろっと見えてきたりして、さらに表情に変化が生まれてくる。別に最初からそれを想定していたわけじゃないけれど、結果的にデニムという生地は、はけばはくほど面白い生地なのだ。

でもジーンズの味を楽しむにはそれなりの時間が必要。だけど「手にした瞬間からジーンズの味を楽しみたい!」という人もおおい。そのために加工ジーンズはある。本来長い時間がかかるものをスキップして演出するというのだからハードルは高いけど、今その技術はかなり成熟している。アメリカンイーグルアウトフィッターズのそれもしかり。かなりいい感じだ。

~ アシッド加工 ~

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「ビンテージスリムストレートジーンズ」¥11,000+税

もともとワークウエアだったジーンズをかなりいい感じに表現した一本がこちら。あたり(色落ち)がでやすい太もも周りのフェード感のリアリティに注目だ。さらにこのジーンズには全体にランダムに散りばめられた細かな色落ちがある。これはアメリカンイーグルアウトフィッターズ特有の加工法で「アシッド加工」と呼ばれるもの。デニム生地の味をただの味としてだけではなく、デザインとして成立させた注目の加工だ。

~ ブリーチ&クラッシュ加工 ~

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「ビンテージストレートジーンズ」¥11,000+税

まずはちらりと見えるウエストの裏の生地をご覧あれ。これがもともとの色。もちろんここも色落ちはしているのだけどそれは自然な範囲だ。で、その表面にさらに「ブリーチ加工」を施してアイスブルーにしちゃったっていうのがこのジーンズの特徴。ハードな作業であまりに汚れてしまったジーンズを、漂白剤を入れて洗ってしまった、みたいな。実際に古着屋に行くとこういうジーンズがあったりする。さらにこのジーンズには「クラッシュ加工」も施してあって、さっき伝えた通り横糸が見えることでまた違う表情が生まれている。

~ クラッシュ&リペア加工 ~

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「ビンテージストレートジーンズ」¥11,000+税

破けてしまったジーンズはリペアしてはくのがワーカー達のセオリー。それを表現したのがこの加工だ。デニム生地ならではの見事な縦落ち感とリアリティの高いダメージ加工は秀逸。破けてしまった部分はミシンでステッチが施してあって、そのあえてのテキトーさも魅力だ。90年代リバイバルのある今季はこんなデザインがまた注目。ヴィンテージジーンズさながらの名作だ。ここまで凝っていてこの値段はお得。

~ コーティング加工 ~

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「コーティング加工ジーンズ」¥11,000+税

色落ちやダメージとはまたひと味違った加工がこちら。これは少し色落ちさせたデニムの上から特殊な薬剤を使って生地にコーティングを施したもの。デニム生地の上に一枚フィルムを貼ったような、独特な光沢感とハリ感が特徴だ。土臭さのあるジーンズにちょっとシャープさが加わった感じ。さらにこれをはき込んで行くとまた独特な色落ちが楽しめるから面白い。

アメリカンイーグル アウトフィッターズ
電話:03−6418−1067
www.aeo.jp