“おいしそうかどうか”が、すべての判断基準なんです。

- おみそはん(DJみそしるとMCごはんの愛称)は、スニーカーのイメージが強いですが、普段からそうですか?

はい。本当に、スニーカーしか持ってないんです。いつも歩いたり自転車に乗ったりすることが多いので、毎日スニーカーですね。かしこまったときとか、困っちゃうんですけど……(笑)。持っているスニーカーは、定番っぽい形のものが多いです。ハイテクっぽいスニーカーは、なんか恥ずかしくなっちゃって、緊張してしまうので。

- じゃあ、スニーカーは、日用品という感じなんですね。

そうですね。ご飯とスニーカーは、本当に毎日のことというか。八百屋さんでおいしそうなトマトを買うのと同じ感覚で、色とか、見た目がおいしそう!って理由で選んだりします。マグロのヅケの色だ~とか(笑)。普段から食くらいにしか興味がないので、思考回路がすべてそっちにいってしまって……。おいしそうか、まずそうか、という判断基準になってしまうんです。人のことも、この人はおいしそうだなあとか、この人は食べたくないからちょっと距離を置こう、とか。本当にそこの嗅覚に頼りきって生きています(笑)。

- すべての軸が“食”なんですね。他に、ファッションのマイルールや、大事にしていることはありますか?

う~ん……。やっぱり服を選ぶときは、スニーカーを中心に選んでいると思います。あとは、首がかゆくなっちゃうので、あまり詰まったものは買わないようにしたり(笑)。歩きやすいとか、過ごしやすいとか、そういうことが大事なのかな。やっぱり料理をすることが多いので、じゃんじゃん着てじゃんじゃん洗えるようなものがいいですね。料理を仕事にしていなかったら、全然違うファッションをしていたかもしれないです。

- なるほど。料理をすること、着ているもの、ヒップホップのスタイルも、すべてがリンクしているんですね。

やっぱり動き回ったり、料理をしたりするので、自然と作業着というか、カジュアルな感じになっていったんだと思います。調味料とかのパッケージを見て、おいしそうだし可愛いから買っちゃおうっていうのと、ファッションも同じ感覚で。でも、生きていると毎日、何がおいしそうかって変わるじゃないですか。昨日はカレーが最高だったけど今日は見たくもない、とか(笑)。そういう色んな気分を感じながら、何をするにも新鮮な気持ちで楽しめたらいいなと思います。

〈アシックスタイガー〉は、職人のシャリのようなスニーカー。

- 〈アシックスタイガー〉は、おみそはんにとってどんなブランドですか?

中学校のときの運動靴が〈アシックス〉だったので、スポーツをするための靴、というイメージがあったんです。でも、今の〈アシックスタイガー〉は、街でもおしゃれに履けるし、いっぱい動きたいという人にはぴったりな靴だなと思いました。かっこいい靴を履いていると気分も上がるし、それを履いているときの自分が好きになれるというか。料理も味と同じくらい盛り付けやお皿が大事なように、両方兼ね備えたかっこいい靴だなって。

- 実際に履いてみて、いかがでしょう?

GEL-LYTE Ⅲも、GEL-LYTE Ⅴも、ベロの部分がすごく特徴的で、アッパーの部分とつながっていますよね。だからすごくフィットするし、足首の稼働もしやすかったです。あと、昔スチャダラパーのBOSEさんが、「女の人は、スニーカーのベロが中に入っちゃったりしているのを気にしないで履いている人がいるけど、なんでその状態で正気でいられるのか分からない」とおっしゃっていて(笑)。このスニーカーなら、BOSEさんを不安にさせることもないし、急いで出かけるときもすぐ駆け出していけそうです。

- なるほど(笑)。日用品として、使いやすさは大切ですよね。

インソールも高めなので、隠れた脚長効果もありそうですし、すごく軽くて履きやすい! 特にGEL-LYTE Ⅴは、優しく包み込まれている感じで、シャリに似てるんです。おいしいシャリって、中にちょっと空気が入っていて、口に入れた瞬間にほろっと崩れるじゃないですか。機械でぎゅうぎゅう握ったシャリじゃなくて、職人のシャリっていう感じがしました。色もいなり寿司っぽいですし、ソールのグリーンもわさびを踏んだみたいで可愛い。そう思って、寿司シャツを合わせてみました(笑)。

- やっぱり組み合わせも、料理をイメージすることが多いんですね。

そうですね。美味しいものを食べると1日テンションが上がるみたいに、美味しそうな靴、かっこいい靴を履けたら、元気になれそうな気がするんです。勝手に食べ物に結びつけちゃって、大丈夫かな……(笑)。でも実際に履いてみると、優しい履き心地で、軽くてふんわりして、すごく好きになりました。古くからの定番だけど今なおかっこいいですし、ハイテクすぎるスニーカーに緊張してしまう私には〈アシックスタイガー〉はぴったりかもしれないです。

“世界でいちばんおいしいスニーカー”をつくってみたい。

- 音楽活動においても、基準は“食”ですよね。

そうですね、最初にテーマを決めて、料理のことを決めて、そこから音楽に向かっていくような。昨日は、味噌漬けの曲をつくろうと思って、マッシュルーム、ペコロス、モッツァレラチーズ、カシューナッツ、うずら卵とか、いろんな食材を味噌床に入れて漬けてみました。気づいたら白いものしか入れてなかったので、「ああ、味噌色に染めたかったんだな、私」と思って(笑)。だから、そういう曲になるかもしれないです。

- 料理から、すべてが始まるんですね。最近の活動で、いちばん楽しいことはなんですか?

味噌汁と、ご飯をつくること。友達に、「なんでみそしるごはんって名前なのに、味噌汁とご飯をつくらないの?」って言われたんです。ああ、忘れてた!パンばっかり食べてたよ、ごめんって思って(笑)。2月1日から、毎日いろんな味噌汁とご飯をつくってインスタグラム(https://www.instagram.com/todays_dmmg/)にアップしてるんです。バリエーションもいろいろで、混ぜ込んだり巻いたり、いろんなことができるので、すごく楽しくて。たまにコンビニの日もあるけど(笑)、自分の究極の味噌汁とご飯はなんなのか、研究中です。

- これから、挑戦してみたいことはありますか?

そうですね、日本中の、各地域の味噌汁とご飯を食べてみたい。究極の味噌汁とご飯、眠れる味を探す旅にでたいです。沖縄に行ったとき、味噌汁定食っていうのを食べたんですが、ラーメンどんぶりの中にスパムとか厚揚げとか具沢山な味噌汁が入っていて、あとはご飯だけ。食材や、パパッとつくった感じが沖縄っぽくて、すごくいいなと思ったんです。味噌汁って土地柄、人柄が表れるんだなと思って、いろいろな地域で比較したら面白そうだし、もっと知りたい。

- それ、最高ですね! あとはスニーカーのコラボレーションなんか、どうでしょう?

スニーカーをデザインするなら、世界でいちばんおいしそうなスニーカーをつくってみたいです! 紐とかも、錦糸卵にするか、平打ちのパスタみたいにするか、やりがいがありそう……。全部食べられるスニーカーもつくってみたいです。履いてもいいし、食べてもいい、みたいな。これはまだ誰もやってなさそうな気がするので(笑)。

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