ーそもそも〈フリーマンズ スポーティング クラブ〉の創業者であるターボ・ソマーと知り合った経緯はなんだったのでしょうか。
川本:現在、自分のニューヨークの店はローワー・イースト・サイドにあるんですが、そのすぐ近くにあるのが〈フリーマンズ スポーティング クラブ〉の本店なんです。ターボとの出会いは共通の友人を通してなどの縁ですが、ニューヨークという場所もあって、かしこまった感じではなく自然と、友人のような感覚で話ができたことが僕にとっては大きかったですね。何度かお互いのお店を行き来しているうちに、ターボの自宅だったり、彼の手がける店舗の装飾など、一緒になにかやろうという話をよくしていました。
ー今回の二子玉川のお店をオープンするに際して、イメージしていたことはありましたか。
川本:二子玉川に訪れたとき最初に感じたのが、ニューヨークでのお店の情景でした。お互いのお店が対面にあって、そこを拠点に様々な人々が行き交う様子というのが、イメージできて、そうしたニューヨークでの雰囲気を、ここでも変わらず表現できたらいいなと思いました。
ーニューヨークと二子玉川で大きく異なることはありますか。またその違い対して、なにか工夫したことはありましたか。
川本:やっぱり人種も環境も全く異なるので、違うことだらけですよね。そういった意味でも共通点を探すというよりは、ニューヨークのお店の素晴らしさを継承しつつ、僕ららしさと〈フリーマンズ スポーティング クラブ〉らしさをしっかりと表現すること。そこが一番のポイントでした。そうしたことで二子玉川のエリアでも他店舗との差別化も明確になって、たくさんの人が訪れてくれるきっかけになるんじゃないかなと思っています。
ーこれまでの〈グリーン フィンガーズ〉との違いなどがあれば教えて下さい。
川本:〈フリーマンズ スポーティング クラブ〉に訪れる方っていうのは、おそらく感度も高く、こだわりも強い方が多いと思うので、そういった方々にも納得していただける、あるいは選んでくれそうなものをセレクトしています。服を買いに来たり、髪を切りに来たりと色々な目的を持った方がいらっしゃると思うので、そうしたイメージは常に持ちながらお店づくりをしていましたね。
ー今回の「グリーン フィンガーズ マーケット」の見所はどんなところでしょうか。
川本:なにが変わったかといえば、これまでの僕らの世界観から大きくはかけ離れてはいないのですが、鉢やポットなどはオリジナルで作ったもので、他店舗では買えないものです。信頼しているヴィンテージディーラーさんとセレクトした古着も置いてあるので、是非色々見ていってほしいですね。あとは、共通のライフスタイルを表現したいと思っていたので、ニューヨークや三軒茶屋のように自転車も1台置いています。