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古着サミット2 後編 あの古着好事家が再び集結!

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「去年ぐらいからナヴァホブレスレットが気になっています」(栗原)

阿部(孝史 以下敬称略): ミッチェルパターンって、具体的にはなんのために作られたカモフラージュ柄なの?

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栗原(道彦 以下敬称略): 当初はテントやヘルメットカバー等に使われていた米軍のカモフラージュパターンなんですが、ヴェトナム戦時にテントだったものをジャケットやシャツ、パンツ等にカスタムした野戦服が存在するんです。

阿部: あまり見かけないし、やっぱり安くはないもの?

栗原: この辺の迷彩ものって、かつて日本ではあまり人気がなくて、むしろ海外の方がコレクターズアイテムとして評価が高かったと思うんですね。もちろんミッチェルに限らず、タイガーストライプや、今野くんも挙げていたリーフカモ(Boon参照)なども。でも、ここ数年は国内でも動き始めていますし、価格もやや上がりつつあると。

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阿部: へえ、なるほど。他に最近買ったものとか、気になってるものってある?

栗原: ロストヒルズ時代に200足ぐらいは売ったんですけど、当時は自分のサイズが確保できなくて、じつは10年以上探していた〈クラークス〉のデザートトルーパーを最近ようやく手に入れましたね。

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阿部: 僕も持ってるけど、何年か前に復刻もされたよね。

栗原: そうみたいですね。後輩のバイヤーが数十足手に入れたみたいで、片方は履く用、片方は予備として2足買ったんですが、探していた期間が長かったので、久々に嬉しい買い物でした。

今野(智弘 以下敬称略): これ、僕も全く同じタイプを持っているんだけど、厳密にはオリジナルじゃないみたいね。(英軍)支給品はまた箱が違うみたい。だから支給から溢れたものを、違う箱に入れて売ったんじゃないかって説もあるけど、純粋なオリジナルではないらしいよ。

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栗原: へえ、確かにオリジナルならもっと箱もシンプルなハズですもんね。ブロードアロー(英国の官有物を示す矢印形マーク)も入ってないし。

今野 でも'91年製ってあるから、時期的には湾岸戦争で辻褄は合うんだけどね。

栗原: それから、去年ぐらいからナヴァホブレスレットが気になっていて。と言っても、何十万もするようなお宝級のものじゃなく、数千円で買えるようなニッケルシルバーのもの。'90年代辺りのものでも、安価で面白いものが少なくないんですよ。

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阿部: 今年は特に調子良さそうだよね。シャネルのコレクション“パリ-ダラス”でもネイティブ系をモチーフにしたアクセサリーを色々発表してたし、大手セレクトショップなんかもかなり力を入れてるみたいだしね。

栗原: あの辺のアーティスト系は価格もぐっと上がってくるし、骨董的な価値も付いているんで、僕にはまったく手が届かない(笑)。でも、そうではない無名なものでも、なるべく良いものを探していますね。ただ、気をつけなきゃいけないのが、ほとんどがニッケルシルバー製なのに、刻印はスターリングって打ってあるんですね。インディアン嘘つかないは、ホントは嘘だったっていう(笑)。

一同:(冷笑)。

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今野: ネイティブ系はホントにピンキリだもんね。ラグなんて、億単位のものだってあるみたいだし。

栗原: オークションのヤツですよね。世紀の大発見みたいに報道された?

今野: そうそう。おばあちゃんから「何かあったら、これを売りなさい」みたいに言われていたものを鑑定してもらったら、もっと詳しいところに見てもらった方がいいって話になり、オークションハウスに持ち込んだら、新聞に載るほどの銘品だったって。当時のラグって、今みたいに木枠の機械で作れる技術がなかったから、太い樹の枝を組み合わせて枠組みみたいなものを作って何とか一枚を仕上げているんですよね。だから、そう安々とオーダーできるものでもなく、ある程度の地位がある人のために作られたものだから、歴史的な価値も高いと。

阿部: そうなんだね。まあ、そこまで高いものは抜きにしても、世界的にコレクターがいるカテゴリーは、そもそも人気があるってことだもんね。

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