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古着サミット3 業界屈指の古着好事家4名が集結!

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第三講 藤原裕
「やっぱりネイビーやインディゴ系のアイテムを欠かすことができません」

阿部: では次は3時間遅れてきた裕君、お願いします(笑)。

今野: 遅れてきたんだから、フイナムさんでブログ始めないとダメだよ。

栗原: でも、全然更新しないと思いますよ。

阿部: ドキッ(笑)。

栗原: 僕はマメに更新してますが(笑)。入荷の度に更新すればいいじゃん。

藤原: え、いいんですか?

小牟田編集長: は、はい。

今野: では、決定で(笑)。はいでは仲間入りが決まったということで、紹介を。

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藤原: よろしくお願いします(笑)。まずは〈リーバイス〉のベストを。

阿部: なんか懐かしいね。コレってリバーシブルだよね?

藤原: そうですね。ただ柄の方で着ることはないですけどね(笑)。僕、意外とベスト好きでダウンベストも含めて結構数は持ってるんですけど、このデニムベストは、若い頃に一度買ったんですけどすぐに手放してちゃったんです。で、今年に入ってから、また見かけてちょっと着てみようかなと思って買いました。

今野: どこで買ったの?

藤原: どこかの古着屋で買ったんですが、4800円くらいだったんです。一時期は高値にもなっていたので、なんか可愛そうに思えて買っちゃいました(笑)。

栗原: 昔ブッシュパンツとかも流行ってたよね。

藤原: ジャケットの下に着ても厚みが出ないので、便利です。

今野: 1ポケットっていうのもイイよね。両ポケットだとまたイメージが変わるもんね。

藤原: そうですよね。それこそタバコも入りますし。

今野: ちなみにこのベストが売られていた頃にキャロットってあったでしょ?人参ダグの。あれってリメイクなの?

藤原: リメイクもあったんですけど、普通にデザインされてたモノもありますよ。パンツだったり、それこそベストだったり。

阿部: そもそもキャロットって、なんのためのラインだったの?

藤原: 確かイベントですよね。結構な種類があったと思いますよ。

今野: あのリメイクはイイよね。

阿部: 確かに、このベストは今着るにはイイよね。

藤原: そうですね、僕らの世代はみんな知ってると思いますが、若い子たちには新鮮で面白いと思いますよ。今なら安く見つかると思いますし。

栗原: 昔から知られてるけど通称すらないアイテムだもんね(笑)。

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今野: この〈リー〉のデニムウエスタンシャツ、いい色だね。

阿部: あれ、501XXの本出したのに、〈リーバイス〉じゃないの(笑)?

藤原: いや、実は〈リーバイス〉のデニムシャツは1枚も持ってないんです。

阿部: なんで?

藤原: デニムシャツは好きで、色々持ってたんですけど、正直脱がされまくったので、〈リーバイス〉もなくなっちゃったんです。

栗原: あ、お客さんに譲っちゃったってことね。

藤原: そう。着てると「売ってください」て言われ続けるので。

阿部: へ~。大変だね(笑)。

藤原: この〈リー〉はこの色が気に入ってますね。濃い色も好きなんですけど、このくらいクタクタな感じも良いですよね。

阿部: ちなみに何年代?

藤原: 50年代ですね。

阿部: ウエスタンシャツって丈が長いイメージが強いんだけど、コレは長くないの?

藤原: コレはショートなので、そんなに長くないですね。

今野: ちなみにどこで買ったの?

藤原: コレは原宿の某買い取り型ユーズドショップで8800円でした。

阿部: 安い!

藤原: ただリペアに1万円かかりましたけど(笑)。

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今野: ダメージも含め、雰囲気があってイイよね。このフラットなシェルのボタンも面白いね。

藤原: 〈リー〉のデニムウエスタンシャツは、基本このタイプですね。ちなみに〈リー〉のデニムシャツってこのモデル以降、70年代位まで作ってないですよね。この前もないと思うし。

栗原: もしかしたら〈リーバイス〉や〈ラングラー(Wrangler)〉よりも後発だったから諦めたのかもしれないね。

阿部: ウエスターナで勝負をしたのかな。

今野: ウエスタンシャツってカフスが長いからあまり好きじゃないんだけど、コレはそんなに長くないからイイね。

栗原: 折り返すくらいに長いの、ありますよね。

藤原: デニムのウエスタンシャツはあまり着ている人がいないので、良いやつだけ買って集めてたんですけど、着ていると売ってくださいってお客さんに言われて、結局はあまり持ってなくて…。

阿部: 何着てても言われるの?

藤原: そうですね、ヴィンテージのデニムであれば、言われますかね。ちなみに今日も2人のお客さんに言われました(笑)。もちろん初めて来たお客さんとかではなく、顧客さんですけどね。

阿部: 顧客さんだからこそ、裕君がヴィンテージ好きってわかってるわけでしょ。それなのに、なんでそんなことを言うんだろうね。

栗原: 過去にも売ったことがあるからですよ(笑)。

阿部: なるほど(笑)。

今野: 前歴があるってことね(笑)。

栗原: すぐにヤラせてくれる女の子と一緒ですよ(笑)。

今野: 確かに。真面目な女の子にそんなこと言わないもんね(笑)。

栗原: 澤田さんにそんなこという人いないと思うし(笑)。

藤原: どうだろうね~。澤田さんが着ているから欲しいっていう人はいるかもしれないけどね。

今野: 確かに。でも裕君がうちの洋服を着ていると問い合わせがあったりするよ。

栗原: 藤原着”って書いた方が良いですね(笑)。

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阿部: 次はワークシャツっていう括りでいいのかな?

藤原: はい。元々ワークシャツは昔から好きなんですけど、特にダブルステッチの襟に惹かれるんですよね。

今野: 〈アンクルサム(UNCLE SAM)〉のシャンブレー、やっぱり格好良いね。

藤原: 今は〈ビッグヤンク(BIG YANK)〉が人気ですけど、ずっとこのポケットのタイプを探してました。2、3回買い逃してたんですけど、年末に静岡の「ベルベルジン」で出て「売れなければ俺が買うぞ」って言ってたら本当に売れなくて買わせてもらいました。

今野: 幾らぐらいしたの?

藤原: 7万円くらいですね。

阿部: 今〈アンクルサム〉ってそんなにするんだ。知らなかった。

今野: 関西だともっと高いですよ。昔大阪のショップで、9万後半くらい付けてて、売れてましたから。

藤原: 〈ビッグヤンク〉は確かに凄いんですけど、〈アンクルサム〉も同じくらいの評価をされてもイイと僕は思うんですよね。全く見ないし。

今野: 僕もそう思いますね。10万超えるとちょっと高い気がするけど、7万であれば妥当な気がします。

栗原: 昔39800円や49800円で売られてて、それから一切見なくなりましたもんね。

阿部: そう、その頃の金額のイメージが強くて、今もそのくらいかと思ってた。

今野: 黒シャンもあるよね。

藤原: ありますね。

今野: 黒の場合、カンヌキは緑だっけ?

藤原: いや、赤だと思います。

栗原: 〈ビッグヤンク〉の袋タイプのポケットより数倍は見ないですよね。

阿部: この〈シアーズ(SEARS)〉って形はよく見るけど、このタグでデニムシャツってあまりないよね?

藤原: そうですね、基本この前のタグが付きますよね。60年代に入るとこのタグですよね。

栗原: 確かにシャンブレーだとこのタグをよく見ますけど、デニムシャツだとこのタグが付くのは珍しいですよね。

阿部: てことはダブルの襟でも60年代のモノがあるっていうことだよね。

藤原: はい。長い間、形が変わってないっていうのも良いですよね。それだけ完成されたデザインということだし。

今野: この〈シアーズ〉で今いくらくらいするの?

藤原: そうですね、コンディションにもよりますが、このくらい濃ければ39800円はつけると思います。正直な話、もっと付けたいですけどね。本当に見つからないので。

阿部: デニムといえば最近女性がヴィンテージを買ってるよね。

藤原: そうですね。今、女性のお客さんがすごく多いです。

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阿部: 知り合いの古着屋のオーナーが「女性のお客さんの方が高い商品でも決断が早くて、男性の方が買い渋る」って言ってた(笑)。今ってボーイッシュというかちょっとメンズライクなスタイルが流行ってるよね。

今野: 女性誌もそっちの方向に向かってますよね?

栗原: 最近は男女を問わず、スーパースターやスタンスミスを履いている人を見ますよね。

藤原: ヴィンテージのスタンスミスとかは全く売れないですけどね(笑)。

栗原: 売れるのは、〈ヴァンズ(VANS)〉や〈コンバース(CONVERSE)〉のALL STARのアメリカ製くらいだよね。そういえば、こないだヤフオクで、黒の三ツ星チャックテイラーのハイカット、10ハーフのデッドが20万超えてました。

3人: マジで?

栗原: 多分タイ人だと思いますけど。デッドの白ハイの一つ星で8万とかしてました。イタズラかもしれませんけどね。

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藤原: 最後は〈ザ・ノースフェイス(THE NORTH FACE)〉のダウンシャツです。

今野: コレ、イイよね。

阿部: 僕もこないだ知り合いの古着屋さんでオススメされたんだけど、どうもこのロングポイントの襟が苦手で…。

今野: 幾らだったんですか?

阿部: 7900円だったかな。

今野: いやー買っておいた方がよかったですよ。今15800円とか19800円とかしますから。

阿部: へー、今そんなにするんだね。

藤原: 僕も阿部さんと同じで、この襟が気になってて…。みんなに怒られるかもしれないけど、この襟を切ろうか迷ってます。

今野: えー。切らない方がいいよ。

阿部: みんなも知ってる御大は、襟を中に閉まって着てたよ。

今野: その方がイイよ、絶対。

藤原: マジですか?

今野: 元々いじられているのは良いけど、自分でカスタムするのはちょっと嫌だなぁ。

栗原: 確かに若干ロングポイントですけど、この時代にしては、そんなに尖ってないと思いますよ。

藤原: とりあえず切るのはやめておきます(笑)。

阿部: ちなみに裕君的に他に気になるアイテムってある?

藤原: 今野さんとよく話してるんですけど、やっぱりジージャンを含めたショートジャケットですね。元々好きっていうのはあるんですけど。

阿部: ファーストやセカンドが売れてるってよく聞くけど、「557」や「70505」とかも売れてるの?

藤原: 売れてますね。「70505」も凄いですよ。

今野: サイズ的には?

藤原: やっぱり34、36、38ですかね。あとは逆に大きいサイズ。

阿部: 一時期ジージャンって安かったけど、また最近高くなってきたよね。ちなみに「558(557のロングバージョン)」ってあまり出ない?

藤原: 全く出ないですね。

阿部: いやさ、昔持ってて、久しぶりに着ようと思ったら、家になくてさ。よく考えたら、だいぶ前「ベルベルジン」に委託に出してた(笑)。

栗原: 今は「70505」のロングバージョンである「71205」ですら、見ませんからね。 

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