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“クラフトフード”の新しいかたち。手作りの良さを感じられる、GARDEN HOUSE CRAFTSの試みとは?

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ーまずこのスペースでの、こうした形態でのショップが生まれるまでの経緯を教えてください。

関口:まず、「CPCM」の全体のクリエイティブを熊谷(隆志)さんがやるという話になって「ショップのフード部門をお願いできませんか?」というお話をいただきました。最初はレストランにしようかとか、ショップが西海岸のカルチャーを取り入れた雰囲気になるということで、タコスとかいいんじゃないかとか、いろんなアイデアがあったんです。

ータコスは確かに面白そうですね。

関口:ただ、現実問題として建物のハードというかスペックの部分で、がっつりとした飲食は難しそうだということになりまして、比較的カジュアルな形でやることになりました。次に、この「CPCM」というショップは「クラフト パーマカルチャー カントリーモール」という単語の頭文字からできています。

ー“クラフト”と“パーマカルチャー”があるモールということですね。

関口:はい。そこから僕たちが形にできる食というと、やはり“クラフト”というのはすごく重要だろうと。もちろんコーヒーとかスムージーみたいなこともできるんですけど、クラフト=手作りというのものをキーワードにしたときに、ひとつ思いついたことがありました。少し前に僕らがオープンした、代官山の「ガーデンハウス クラフツ(GARDEN HOUSE CRAFTS」というベーカリーがあります。ここの食材を使ってなにかできないのかな、と。

ーなるほど。

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関口:「ガーデンハウス クラフツ」は基本ベーカリーなので、当然ベースとなるのはパンとか焼き菓子になります。そこでこのショップの立地である明治通りを考えたときに、ゆっくりご飯を食べるというよりも、もうちょっとカジュアルでストリートっぽさを感じたんです。そんなキーワードをもとに熊谷さんと相談してしいくなかで、ただおしゃれなご飯はなんか違うよねと。もっと親しみがあったり、ぼくらが実際食べてきたものがいいんじゃないというところで、コッペパンとかサンドイッチがでてきたんです。

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ーとくにコッペパンには懐かしい響きを感じますね。

関口:素材にもこだわってまして、国産の小麦を使って天然酵母で代官山で焼き上げたパンを使ったコッペパンとサンドイッチです。あとは、神宮前という場所からイメージからくるストリート感に着想を得て、こんなボックスを作ってみました。

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ーデッキシューズのボックスのようなビジュアルですね。

関口:その通りです。このなかに、サンドイッチでもいいしコッペパンでもいいし、中に入れて持って行くというイメージです。こういう人通りの多い所なので、持ち歩いたときの見え方も含めたお店にしようというアイデアがベースにありました。

ー基本的にテイクアウトしてもらうことを前提というわけですね。

関口:はい。ただ、季節が良くなってきたら使い方の幅を広げてもいいのかなと思います。通りのところにベンチを出したりだとか、店内にもオープンスペースで食べてもらえるようにちょっとしたテーブルを用意したり、椅子を増やしたりとか。

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ーサンドイッチの中身自体は変わっていくんですか。

関口:はい。基本シーズナルで変えていきます。中身としては、「昔あったよね」みたいなことをベースにしながら季節の素材を使って。だいたいコッペパンで5種類前後、サンドイッチで6、7種類くらいを常時用意しておこうかなと思っています。

ー人気の商品はありますか。

関口:原宿で長年営業されている「オンデン」のコロッケを使った、コロッケサンドは人気です。「オンデン」は熊谷さんが長年にわたって通っているということで、今回こうした取り組みができました。

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ー原宿ローカルとの関係性もあるわけですね。

関口:後はあんバターサンドですね。これも国産のかなりこだわったあんこを使っています。“あんバター”ってみんなどこかで聞いたことがあるような、ちょっと懐かしい食べ物だと思いませんか?

ー確かに。ノスタルジックな感慨がありますね。

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