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LE GRAMME from PARIS 究極のシンプリシティを追求したバングル。

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「グラム」というブランドコンセプト。

〈ルグラム(LE GRAMME)〉は、建築業界で活躍していたアドリアン・メシエと、某メゾンブランドにてジュエリーデザインを担当していたエルワン・ル・ルエのふたりの邂逅によって誕生した。とあるパーティにて、共通の知人の紹介を経て知り合ったふたりはすぐに意気投合し、知り合ってわずか3ヶ月でブランドをスタートさせたという。

「ブランドを始めるにあたって、単純に自分たちが欲しいものを作りたかった。それがまさにシンプルなバングルだったんです」

と、エルワン氏が真剣な眼差しで語る。それに続けて、アドリアン氏もブランドを始めるに至った思いについて話をしてくれた。

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「僕自身むかしからバングルが好きで、同じアイテムをずっと身につけていました。ミニマルなデザインのアイテムでとても気に入っていたんです。似たようなものがもうひとつ欲しくて、長い期間をかけてたくさんのショップを廻ったんですが、意中のものがなかなか見つからなかった。それで、自分たちで作ろうということに思い当たったんです」

ふたりの言葉にあるように、彼らの作るアイテムは余計な装飾を省いたソリッドなルックスが目を惹く。ブランドのアイデンティティを確立するうえで、象徴的なデザインを加えるのではなく、可能な限り引き算をしたモノ作りを行なっている。しかし、それはただ単にシンプルにしているわけではない。そこにはしっかりとしたコンセプトが介在する。

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「ブランドネームにあるように、我々のプロダクトは重さを表す『グラム』によってバリエーション豊富に作られているんです。当然のように、同じ素材でもグラム(重さ)が変われば物体の質量は変化します。つまり、バングルとしてのフォルム(型)を統一しながら、グラムの変化に応じてシェイプ(シルエット)を変えていく。一見するととてもシンプルなバングルでも、プロダクトに『グラム』という概念を与えることで幅広いデザインが可能になるんです」

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そう熱く語ってくれたのはアドリアン氏だ。〈ルグラム〉のバングルは「7g」「15g」「21g」など幅広いサイズがあり、重量によってその太さが変わっていく。グラム数はすべて奇数で統一されているが、そこに理由はあるのだろうか?

「奇数のもつ神秘的な魅力に惹かれるんです」

というアドリアン氏の言葉に続いて、付け足すようにエルワン氏が答える。

「美しい建築やアート作品を数値的に解析すると、そこには奇数が深く関わりを持っていることが多く、そういった目に見えない哲学のようなものを〈ルグラム〉でも表現したかった。だから、我々のプロダクトはすべて奇数のグラムで表現しているんです」

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