「僕、嫌いなんですよね。輝さんみたいな人」
—今回の映画版を拝見させて頂いて思ったのですが、ドラマシリーズから比べても、腰の動きが激しくなっていたりと、永野輝光(以下、輝さん)のエロいキャラクターがさらに濃くなった印象を受けました。
マキタスポーツ(以下マキタ・敬称略):やっぱり映画の観客になめられたくないなっていう思いがあるからですかね。
—監督からも映画版ということで、輝さんのキャラクターをもっと強くしたいなどの指示はありましたか?
マキタ:映画だからこうしてくれっていうのはなかったですね。園さんの撮るものだから、どうやっても園子温フィルムになるだろうなとは思いました。余計なことを考えないで、現場に行って粛々と輝さんをやればいいかなって。最初のわりと早い段階でそういうふうに気持ちを切り替えましたね。
—マキタスポーツさんとしては、輝さんになりきるだけだと。
マキタ:僕ね、役作り云々とかっていうことは、実はあんまり考えたことないんですよ。それよりも監督、あるいは脚本を書かれた方が望むものを体現すればいいのだろうという感じなんですね。あるいは、僕をキャスティングしていただいた時点で、あらかた決まっているんじゃないかって。妙に暴れなくてもいいんじゃないかなっていうのもあるんですよね。
—素に近い部分で、あとはその現場で出てくるもので対応するような。
マキタ:ですかねぇ。本は読みますし、そこに書かれてるもので想像しないわけではないんですけど。僕は、役者としては極めて受け身だと思います。輝さんを演じる場合は……僕、嫌いなんですよね。輝さんみたいな人。日常にいたら気持ち悪いじゃないですか。
—現実にいたら、困ってしまうタイプではありますね。
マキタ:リアルな目線でいうと、こんな人いたら迷惑だなって思うし、チームエスパーだって言ってるけど、自分のことしか考えてない。よっちゃんのことは昔からかわいがってはいても、基本的にすごく自己中心的。まあ、それぞれがそれぞれ自己中心的などうしようもない連中だと思うんですよ、ある種。輝さんは、そういう中でも顕著だなと思うところもあるんですよね。なので、演じる上では、この人って迷惑だなぁっていう感じが出てればいいかなって。
—なるほど。
マキタ:迷惑っていうのも、エロいことに関していえば、僕自身はむっつりスケベなんで、日常生活の中で真野恵里菜のパンチラが見えたとしても見ないんです。意識は完全に向いてますけど。それが、輝さんの場合は見ていい。然と見るっていうことくらいじゃないですかね。だから非常に動物に近いですよね。