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ネペンテスのこれまでとこれから。

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15年続いていた「ネペンテス」が移転する。

ー多くのファンの方が驚いたと思います。なぜ移転を決断されたんですか?

いくつか理由はあるんですが、一番の理由は建物の老朽化ですね。「ネペンテス」のあったビルはこの辺でも一番古いビルなんですよ。じつは、2011年の大震災のときにも多少ダメージがあったんです。それ以来、「近いうちにそういう状況になるな」というのは感じていました。そして本格的に開発の話も入ってきたんです。

ーなるほど、しかしあのお店は15年以上に渡って営業されてきたとのこと。決断もさぞ難しかったのでは?

もちろん、たくさんの思い出がある大事な店であることは間違いありませんからね。しかし、「ネペンテス」も創立25周年(2015年は27周年)を過ぎて、次のステップに向けて何か仕掛けるべきタイミングだと思っていたんです。これからの「ネペンテス」を考えたとき、いま移転するということが最善策だなと判断しました。

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節目を迎えた25周年。そこから意識し始めた原点回帰。

ーこれからの「ネペンテス」を考えたうえで、ベストのタイミングだったということですね。実際に移転する過程では、どのように話が進んでいったのでしょうか?

実際に移転完了となったのは今年ですが、一昨年の25周年のタイミングから少しずつ動き始めていました。色々なことが重なり、移転に至ったのはとても自然な流れだったんだと思うんです。そして、自分たちが次のステップに向かう際、最も重要視したキーワードが“原点回帰”でした。だから最終的には、いくつか検討していた移転先も、結局は一番最初に「ネペンテス」がお店を構えていた場所(現在は、「LANTIKI centraaaaal TOKYO」)の近くがいいんじゃないかって。ここに来るとやっぱり懐かしい気分になりますよ。建物自体は大きくないんですけど、今度のお店は外観でもアピールしていけますし。住所的には複雑な場所ですが、角立地でありながら開けた場所ですから。

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ー外観からも「ネペンテス」の世界観がしっかり伝わってきます。入り口の横にある大木もかなり印象的ですね。

横たわった大木は、プラントハンターの西畠清順さんが用意してくれたもので、350年以上生きたオリーブなんです。シチリアから輸入されたものですが、なんとかここに置くことができて感無量ですね(笑)。原点回帰としてオープンした新しい「ネぺンテス」の象徴として、圧倒的な存在感を放ってくれています。フロントのシンボルツリーはトックリラン、横では花を咲かせているのはブーゲンビレアという植物です。これまで培ってきた「ネぺンテス」の”らしさ”を改めて表現したっていう感じがしています。前は何のお店か分かりにくかったと思いますが、ここは外からも一目で「ネぺンテス」だ、って分かってもらえると思います。

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―ステンドグラスは前のお店のものと一緒ですか?

そうです。以前の店舗で使用していたステンドグラスをそのまま新店の外観に使用しています。これは全部で3枚あるんですが、前の東京店をリニューアルした時に特注で作ってもらったもので、私達自身とても思い入れがあります。新しい店は原点回帰を念頭に置いていたので、これは欠かせなかったんです。

―今まで「ネペンテス」に足を運んでくれていた方は、懐かしく思うのではないでしょうか。

そうだと嬉しいです。お客様に支えられてきた「ネペンテス」なので、そういうお客様の想いもこの新しいお店に連れてこられたらなぁと。逆に、はじめて「ネペンテス」を訪れる方には、うちの世界観をここから感じ取って頂ければ嬉しいですよね。ちなみに、ステンドグラスは夜の方が綺麗ですよ。

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