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A NEW HOPE. アイウェア界の新星、〈One/Three Compound Frame〉あらわる。

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2015年秋冬にデビューしたアイウェアブランド〈One/Three Compound Frame(ワンスリー コンパウンドフレーム)〉。既存のブランドには見られない革新的なアプローチ、そして確かなモノのクオリティで、コアなアイウェアユーザーをも納得させるクリエーションを展開している。フレームの構造デザインは元〈999.9(フォーナインズ)〉、現〈DJUAL(デュアル)〉のリュウ・グヌ氏が手がけ、ブランドの世界観を表現するアートワークには躍動的なタイポグラフィーを描く内田洋一朗氏が参加。全国にショップを展開する「POKER FACE」のバイヤー、斎藤雄介氏の視点から、この新星ブランドの魅力を紐解く。

Photo_Yosuke Morimoto
Edit_Yuichiro Tsuji

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「POKER FACE」での展開を即決した理由。

ー現在のアイウェアのトレンドについて、どんなフレームのアイテムが人気があるのか教えてください。

斎藤:アメリカンヴィンテージを彷彿とさせるクラシックなフレームのアイウェアが人気があります。その中でも特に注目を集めているのは、線の細いフレームや金属のパーツが組み合わさったものなどです。従来はフレームが厚く、主張の強いデザインのアイテムが主流だったのですが、それに飽きた方がいま挙げたような形のものにシフトしていっていますね。

ー線の細いフレームというのは、掛けたときにどんな印象になるのでしょうか?

斎藤:知的さや繊細さが表れます。それに主張も程よくなるので、より自然にアイウェアを楽しめるところも魅力ですね。がんばり過ぎない、とでもいいましょうか。

ー「POKER FACE」でも、そういったアイテムのラインナップが増えているんですか?

斎藤:そうですね。我々がバイイングをする際に心掛けているのは、半歩先でも時代遅れでもなく、いま掛けるべきアイウェアを買い付けてお客さまに紹介することなので、お店でも線の細い繊細なアイテムが増えてきています。もちろん、形だけではなくアイテムとして一定のクオリティーをクリアしているという前提での話ですが。

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ー本来は10月から展開する予定であった〈One/Three Compound Frame〉(以下:ワンスリー)ですが、「POKER FACE」では9月から先行販売していました。それはこのブランドに対する想いがあってのことだと思うのですが。

斎藤:展示会ではじめてこのブランドのアイテムを見たときに、トレンドを踏まえたフレームのラインの美しさに圧倒されたんです。それに加えて、実際に掛けたときの掛け心地の良さにも驚かされました。会場でお話を伺ったら、ひとつ一つのパーツをつくるのに1ミリよりも細かな単位にこだわった、ということを仰っていたので、この商品の魅力をひとりでも多くのお客さまに伝えるべきだと思いましたね。

ーそれほど説得力があったんですね。

斎藤:そうなんです。トレンドを追いかけるブランドというのはもちろん多くあるのですが、お店の構成がそればかりになってしまうのもよくない。となると、デザインに加えてお客さまに納得していただくためのプラスαの材料が必要になってきます。

ー〈ワンスリー〉には、その材料が備わっていたと。

斎藤:モノ自体のクオリティはもちろん、掛け心地、アートワーク、そしてケアアイテムの展開など、ブランドの世界観すべてに芯が通っていました。お店でブースをつくったときのイメージも頭の中で明確に見えて。そうゆうブランドに出会うことってなかなかないんです。だから、ほぼ即決で「POKER FACE」での展開を決めました。

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至高の掛け心地、その背景にあるもの。

ーいまお話にあったモノのクオリティや掛け心地というのは、商品の特長でもあると思うのですが、具体的にどんなところが優れているのでしょうか?

斎藤:掛け心地に関して言えば、テンプル(柄)の部分が“くの字”になっているところが特徴的です。ヒトの頭って丸いですよね? このテンプルは頭を包み込むような形状になっていて、顔にしっかりとフィットするんです。通常のアイウェアであれば、テンプルの開き具合などを調整してはじめて掛け心地が良くなるんですが、〈ワンスリー〉の場合は調整する前からフィット感がいいということを実感できます。

ーそこからさらに調整すれば、いままでにない掛け心地を味わえるということですね。

斎藤:そうです。あと、通常のアイウェアは素材にアセテートを使用しているんですが、このブランドではセルロイドを採用しているところもポイントです。豊かなツヤのある表情はこの素材ならではですし、すごく強度のある素材なので、テンプルを極限まで細くすることができる。それにより軽量化が可能になり、顔にかかる負担も軽減されます。加えて、日本製なのでとても品質がいいです。

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ーよく「日本製のアイウェアは品質が素晴らしい」という話を聞きますが、海外のものと比較してどんなところが優れているんですか?

斎藤:手間の量が日本製のもののほうが圧倒的に多いんです。例えばフレームのツヤ出しにしても、海外は薬品などでツヤを出しているんですが、日本製のものはほとんど手で磨いて出しています。また部品ひとつ一つにしても精度がいい。ネジの緩みなども起きにくく、アイテム自体が壊れにくいです。

ー生産背景も含めてブランドのこだわりが詰め込まれているんですね。

斎藤:デザイナーのリュウさんはもともと〈フォーナインズ〉にいたこともあり、アイウェアの機能美や構造など本質的な部分を大切にすると同時に追求もしている方なんです。〈ワンスリー〉は、リュウさんだけでなくチームでデザインされていることもあり、多面的な視点とホスピタリティがアイテムに盛り込まれている。そういった方々が携わっているアイウェアということで、ショップとしてもすごく信頼しやすいですね。。

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