スポーツとラグジュアリーストリートの融合

これまで〈プーマ〉が築き上げてきた世界観に〈スタンプド〉の現代的なエッセンスを加えることで完成した、まったく新しいコレクション。ただ、一貫して言えることは、シンプルながら、日常的に使えるプロダクトであるということです。歴史あるスポーツブランドと新進気鋭のラグジュアリーストリートブランドの融合。まさに、時代を超える魅力を持った、トレンドの一歩先行くコレクションと言えます。では、そんな両者が相見えることになったきっかけとは? 次のページでは、〈スタンプド〉のデザイナーであるクリス・スタンプが、今回のコラボレーションをはじめとした今後の方向性について語ります。

クリス・スタンプ(Chris Stamp)

STAMPDデザイナー。2009年、ロサンゼルスを拠点に〈スタンプド〉をスタート。アーティストやスタイリストなど、交友関係は国内外問わず多岐に渡り、2015年にはGQアワードにおいて「Best New Menswear Designer in America」を受賞、今最も注目すべきデザイナーのひとりに選ばれた。2015年10月には、初の旗艦店をロサンゼルスにオープン予定。
www.stampd.com
http://chrisstamp.tumblr.com
https://instagram.com/stampdla

—今回のコラボレーションのコンセプトについて教えてください
「”高品質なパフォーマンスウェア”というのが大きなコンセプト。普段街を歩く時はもちろん、ジムやビーチに行くときも着られる快適でカッコいい服というのが理想形にありました。なので、コレクションを進めていく上で、プーマの強みはスポーツウェアとしての機能や素材、スタンプドはファッションに敏感な世代が楽しめるデザイン性やサイズ感、そして着心地、この両者が持つ強み(特性)を最大限に引き出しミックスさせることで、これまでにないパフォーマンスの高いプロダクトに仕上がっています。僕自身とても満足しているよ」

—特筆すべきポイントは何ですか?
「すべてのプロダクトに共通して、Fit(着心地)とFabrication(素材)に関してはとくにこだわって作っています。ベーシックなアスレチックウェアなんだけど、よく見ると素材のカッティングやレイヤー、シルエットなど、随所にギミックを効かせています。ただ、あくまでスポーツライクではなく、ライフスタイル目線でデザインしています。昨今のトレンド的にも、内外で、皆自分の着ている服に着心地の良さやフィット感を求めていると思うので。そういう意味では、他のブランドとの差別化にもなるし、プーマはもちろん、スタンプドとしてもさらに飛躍できると思っています」

—コラボレーションの話はいつから?
「だいたい2年くらい前かな。当時パリにいた時に、友人のロニー・フィーグを通じてプーマの人たちに会いました。食事をしながらファッションやカルチャーのこと、色んな話をして、その時は一緒にプロジェクトをやるなんて思っていませんでした。それが、2,3ヶ月経って、ちょうど2013年の10月に一緒に何かしないかと言う話になって、トントン拍子にコトが進んで、今回のコレクションを発表するに至ります。ちなみに、今回はロンドン、2016SSは東京、2016AWはドイツで、それぞれデザイン作業を行っています。

—プーマとのコラボレーションで何か発見はありましたか?
「今回のプロジェクトが決まってから、ドイツの本社をはじめ、東京やロンドン、LAのオフィスを訪れました。とくにドイツの本社では、過去のプーマの歴史やプロダクトのアーカイブ資料、そして現在進行形の最先端のアパレルやシューズのディテールや縫製技術を目の当たりにできたことは、今後のスタンプドを考える意味でも、とても大きな財産になりました。もちろん、今回のコラボレーションを作り上げる上でも最大限活かされています。

—ちなみに初めてプーマを知ったのはいつ?
「小学生の頃かな。ずっとサッカーをやっていて、モデル名は忘れてしまったけど、プーマのスパイクも履いていました。だから、本当に小さい頃から身近な存在だったし、常に有名なスポーツ選手と共にある(有名選手が着用している)ブランドをイメージが強くて、ものすごくリスペクトしています。そんなビッグブランドと今回コラボレーションすることが出来て本当に嬉しいですね」

—クリスさんから見た現在のLAのファッションシーンはどうですか?
「ストリートウェアはLAのファッションシーンを構成する上でとても重要なファクターです。ただ、スタンプドはストリートシーンの真ん中にいるかというと、そういう訳ではなく、少し外側にいると思っています。つまりそれはラグジュアリー的な要素があるかないかで、ストリートウェアとは異なるものです。嬉しいことにストリートキッズからの注目も高いみたいで値段は少し高いけど、良いクオリティで良いフィット感の服であること、それが今後のストリートウェアの向かうところなのではないでしょうか。

—なるほど、それは日本においても同じかもしれません。
「たしかに、LAのデザイナーで、日本のシーンにインスパイアされている人は多いですからね。日本はトレンドの移り変わりが、シーズン(ブランドが発表するタイミング)よりも早いというか、新しいトレンドが常に来ては去って行く印象。でも、それはブランドがトレンドに流されることなくブレずに維持できるかどうかという意味では、とても大事なことだと思います。逆に言えば、トレンドの移り変わりが早い分、その方向性がどんどん確かになっていく(精度が上がる)とも言えるのかなと。だからこそスタンプドは、日頃からモダンでエッジのある、10年後も着たいと思えるモノづくりを心がけるようにしています」

—日本で注目しているショップやブランドはありますか?
「友人がディレクションしているヌビアンをはじめ、リステア、C.E.は面白いね。エイプとNIGO®も私がファッションの世界に入った時から注目を集めていたブランドで、僕自身も影響を受けているよ。それとUNITED ARROWSもそう。POGGYがやっている事は日本のファッションシーンの未来だと思っているよ」

—そもそもPOGGYさんとの出会いは?
「4,5年前かな。僕が日本に行くようになってからで、まだ会ったことはなかったけど雑誌に載っていたので知っていました。それからパーティでバッタリ会って話すうちに関係性が深まっていった感じ。それに、お互い同じペースで色んな国のコレクションやショーを見て回っているので、東京だけじゃなくて、LAやNY、Parisでもよく会っています」

—今の世界的なトレンドについてどう捉えていますか?
「年齢を重ねるにつれて、少しずつ”流行”というものに興味が薄れてきた気がします。まだファッションの世界に入った頃は流行を理解し、良い意味で評価していましたが、自分の目やデザインセンスが洗練されて行くにつれて、流行を気にしなくなってきました。今の自分のライフスタイルの等身大というか、音楽をかけながら車を運転したり、家でソファに座ってリラックスしたり、サーフィンをしているときやパリでショッピングしている時もそう、自分を俯瞰で捉えてインスピレーションを得ています」

—スタンプドとしての今後の展開を教えてください。
「2016SSでは、リミテッドエディションとして、スウェードを使ったイタリア製のアイテムを展開しようと思っています。また、今はスタンプドでしか購入できない物もありますが、アパレルとシューズともに、世界中の取り扱いショップごとの限定商品を出して行けたらと思っています。それから、今年の10月にロサンゼルスのLA BREAという通りにヘッドショップをオープンする予定です。そこでは、今回発表したPUMAとのコラボレーションはもちろん、ストアエクスクルーシブの商品を置くつもりです。期待していてください!」

コレクションを代表するキープロダクトについて。
今回のコレクションには〈プーマ〉の代表的なモデルである「R698」はもちろん、まったく新しく開発されたスリッポンタイプのシューズ「Trinomic Sock」もリリース。ともにアッパーに上質で柔らかいレザーを使用し、シュータンにエンボス加工されたスタンプドのロゴが特徴的。プーマのパフォーマンステクノロジーとラニンニングの歴史が見事に融合した一足に仕上がっています。
Trinomic Sock 各¥24,000+TAX

「Stampd Athletics by PUMA」と名づけられたアパレルラインは、グレー、ブラック、ホワイトを基調として、ストリートウェアの可能性を押し広げる、ベーシックな見た目とは相反してエッジの効かせたアイテムがラインナップ。なかでも、「Stampd Logo Tee」と「Nylon Vest」、「AOP Tee」は、機能素材を使いつつ、カッティングやシルエットでファッション性を高めています。今後のストリートウェアが目指すべき世界観を垣間見ることが出来るはずです。

マリブで開催されたローンチ記念パーティ!
ハリウッドから車で約1時間。マリブ郊外で行われた「PUMA×STAMPD」のローンチパーティ。写真からも分かる通り、ヒップホップ黄金期のPVのようなラグジュアリーな世界がそこには広がっていました。大きな家に大きなプール、厳重なセキュリティ、そして専用のシェフにバー。とにかく至れり尽くせりな豪華絢爛なパーティ。プールからはマリブのビーチや夕日が一望できました。途中、ジャマイカから招聘したというレゲエバンド「No-Maddz」のライブもあったりと、総勢200名を超える来場者を迎え、クリス氏の交友関係の広さ、そしてスタンプド、引いては今回のコラボレーションの世界観がより明確に伝わるはずです。早速どうぞ!

日本での展開について。
今回ご紹介した「PUMA×STAMPD」コレクションは、2015年7月25日(土)より、モンキータイム原宿店・新宿店、UA&SONSのほか、 ユナイテッドアローズ限定店舗にて発売。エクスクルーシブアイテムもリリースされるとのことなので、ぜひ店頭でチェックしてみてください。

monkey time BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS 原宿店
住所:東京都渋谷区神宮前6-13-9
電話:03-5464-2773

monkey time BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS 新宿店
住所:東京都新宿区新宿3-38-1 ルミネエスト新宿 5F
電話:03-5363-6422

UNITED ARROWS&SONS
住所:東京都渋谷区神宮前3-28-1 ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館 B1-1F
電話:03-5413-5102

プーマ お客様サービス
電話:0120-125-150

www.monkeytime.jp
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