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URBAN OUTDOOR : TUMI with Great Traveller. 飲料水供給プロジェクト「Waves For Water」とTUMIの邂逅。

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シエラネヴァダ山中にあるレイク・タホにインスパイアされた、モダンながらアウトドアライクな最新コレクションTahoe(タホ)を発表した〈トゥミ〉。方や必要とされる地域へ飲料水を提供する活動を行う「Waves For Water」の設立者、ジョン・ローズが、2016年よりパートナーシップを組むこととなった。革新的な機能と耐久性に優れたファブリックでフィールドを問わずユーザーをサポートするバッグブランドと、慈善事業に従事する元プロサーファーはどのようにして出会ったのか。

Photo_Kazumasa Takeuchi(STUH)
Text_Satoru Kanai
Edit_Shinri Kobayashi

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ジョン・ローズ (Jon Rose)

13年間にわたってプロのサーファーとして活躍した後、アフリカで雨水をためてろ過することを支援する非営利組織を設立していた父親のジャック・ローズの活動に想を得て、携帯式のウォーターフィルターによる水問題の解決方法を模索。その後、単純なろ過システムで水を作る携帯式の技術がすぐにも入手可能なことを知る。2009年、初のクリーンウォーターのミッションとして、自身のお金で購入した10の新しいフィルターを携えてバリに旅立つ。インドネシアのパダンの街にサーフィンのために足を延ばした折に、地震が起こる。傷ひとつ負うことなく生き延びたジョンは、内地へと向かい、最も必要とされている場所に水のフィルターを届ける。これをキッカケに「Waves For Water」をスタートさせる。

「Waves For Water」とは?

2009 年にジョン・ローズによって設立された「Waves For Water」は、「きれいな飲料水を必要なところに届ける」ことをミッションに携帯式のウォーターフィルターの配給や、井戸の修復、地下水が得られない地域での雨水貯留システムの建設などを行う非営利団体。

サーフィンやキャンプなど、「自分の好きなこと、やりたいこと」をしながら、その“ついで” に携帯式のウォーターフィルターを持っていくことで、「救援物資の輸送」に関わる問題を解決する、Clean Water Couriers(クリーン ウォーター便)と呼ばれる支援活動がメイン。

これは、慈善活動を特別なものとしてではなく、ライフスタイルのひとつとして捉えることを奨励する「Waves for Water」の基本コンセプト。また、過去4年の間にネパール、ボスニア、フィリピン、インドネシア、ハイチ、日本、チリ、パキスタン、インド、メキシコ、米国西海岸でのハリケーン・サンディなど、世界中で起こった自然災害の救済活動にも関わっている。

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パートナーシップから得たフィードバック。

今回の「Tahoeコレクション」では、初期の開発段階にあったいくつかのバッグを実際に使用してもらい、そのフィードバックを取り入れることでより性能を高めている。そのテストユーザーにジョンが選ばれたのは、長年のトゥミ愛用者であったことはもちろん、〈トゥミ〉がその活動に共感したことも大きい。

トゥミのクリエイティブディレクター、マイケル・ペトリー(Michael Petry)は、「ジョンに白羽の矢をたてたのは、元々トゥミユーザーであり、影響力のあるリーダーであること。そして、〈トゥミ〉と 『Waves for Water』がよく似た価値観を共有しており、世界中に清潔な飲み水を供給するという偉大なミッションを私たちが援助することができれば、という思いも理由のひとつでした」とコメント。

また、プロダクトだけでなく「Waves for Water」の様子やジョンの息遣いを感じられるムービーも制作。これにより、どのような環境でバッグが使用されたのかをチェックすることもできる。

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マイケル・ペトリーによると「ジョンはネパールへの旅に際して、いくつかのスタイルを試していますが、特に興味深かったのが、セキュリティのためにジッパー部分に鍵を取り付けられる箇所を増やしてほしい、そのためにより多く(※)Kissing Sliderを採用してほしいという点でした。全体的な耐久性と使い心地に関しては、このタフなトラベラーのテストにも合格しました。実は、ジョンにはすでに2017年春夏コレクションのテストも始めてもらっています。どんなフィードバックがくるか楽しみです」

※2つのジッパーがぴったり閉まることで、鍵が着けられるデザイン

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ジョン・ローズが語るトゥミの魅力

これまでにも〈トゥミ〉のバッグともに、辺境の地を旅してきたジョン。アウトドアとデイリーなライフスタイルの双方からインスパイアされた「Tahoe コレクション」を実際に使用し、どんな感想を持ったのか。

ジョン:「ネパールを歩き回っていて、いちばん気にいったのはバックパックとダッフルが一体になったデザインです。背負っているときは快適なバックパックだけれど、メインコンパートメントのジッパーが(ダッフルのように)フルに開くから中のものをすぐに取り出せる。いったんこのハイブリッドなデザインを使ったら、ふつうのバックパックには戻れそうもないですね」

ほかにも、「背面上部のショルダーストラップの間にあるちいさなフラットポケットは、パスポートを安全に収納しておくのにちょうどよいサイズで、あちこちの空港でパスポートをさっととりだせて便利でした」といった、旅慣れたユーザーからのフィードバックは、今後のプロダクト開発にも役立ちそうだ。

では、ジョンがバッグに求める要素と、〈トゥミ〉が持つその要素とはなんなのか。

ジョン:「日常生活用でも旅行用でも私がバッグに必要だと思うのは、優れた機能性と革新的なデザインという、〈トゥミ〉のスタンダードそのものです。私の旅は『安全第一』というわけには行かないことも多いので、私のすること、行くところに適したクオリティが証明されていて、かつ進化しているものを求めています。〈トゥミ〉は私にとってずっとそのような存在であり続けているブランドなのです」(ジョン・ローズ)

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