X-Pacx CORDURA DOBBY 305D

ボーダーレスな視点で選ぶ素材

ヨットに使われているセイルクロス(帆)をご存知だろうか。波風が激しい海という過酷な環境でも常に高いパフォーマンスを発揮するこの生地に、〈アッソブ〉はバッグという視点で着目した。そのセイルクロスの特性を活かしながら、培ってきた技術でバッグに構築したのが「X-Pacx CORDURA DOBBY 305D」シリーズだ。ジャンルに捉われることなく、ボーダーレスに素材を見つめる視点や発想が、バッグの概念を覆す、新たな機能とデザインを生み出した。

左から
①2WAY BAG         ②3WAY BAG
SIZE:W420 H400 D170  SIZE:W280 H440 D120
PRICE:¥28,500 + TAX   PRICE:¥29,500 + TAX

③DAY BAG           ④BACKPACK
SIZE:W270 H450 D140  SIZE:W300 H550 D150
PRICE:¥22,500 + TAX   PRICE:¥29,500 + TAX

⑤WAIST
SIZE:W350 H220 D120
PRICE:¥16,000 + TAX

機能と表情を備えたX-Pac®という特殊生地

セイルクロスメーカーのディメンション・ポリアント社が開発した「X-Pac® NYLON210d fabric」。超撥水加工を施した210dナイロン、ブラックポリエステルX-PLY、ポリエステルフィルム、50dポリエステルタフタを重ねた4層からなるこの生地は、軽量性・耐久性・柔軟性・耐水性に優れ、理想的な機能バランスを備える。そして、機能のみならず、ワイヤーが浮き出たデザインは、バッグに新たな表情も付与した。

X-Pac®を開発した
世界有数のセイルクロスメーカー


「X-Pac® NYLON210d fabric」を開発したディメンション・ポリアント社は、ヨットのセイルクロスのシェア世界No.1を誇るメーカーとして知られる。中でも同社が特許取得したX-PLY技術を使用した特別なラミネート生地は、〈ナイキ〉や〈ザ・ノースフェイス〉をはじめ、多くのスポーツ&アウトドアメーカーに生産供給を行っている。また、セイルクロスで培った独自の特殊技術は、航空宇宙関連企業や音楽機器メーカーなどのインダストリアル業界といった異分野にも展開されており、ディメンション・ポリアント社の技術は、名実ともに世界から高い評価と信頼を得ている。

EXCUSIVE BALLISTIC NYLON - A01

理想のバッグを作るため、
理想の素材を作る


頭の中にある理想のバッグを具現化するため、〈アッソブ〉は新たな素材作りに着手した。求めたのは、頑強かつ繊細な表情を持つ素材。そこで高い強度を誇るバリスティックナイロンを、素となる糸規格や構造から見つめ直し、独自の昇華を図った。そうして誕生したのが、〈アッソブ〉オリジナルファブリックの「CORDURA Ballistic®」だ。

ROLL BACKPACK
SIZE:W270 H520 D150
PRICE:¥28,000 + TAX

規格の異なる糸で織り上げた新素材

「CORDURA Ballistic®」は、タテ糸に1000d、ヨコ糸に840d、それぞれの糸で異なる規格の66ナイロンを使用して作られている。タテ糸は500dのブライト糸をATY加工(糸自体に空気を含ませる)を施し、スパンライク調(毛羽立ったような触感で)にした後で撚ったものを2本引き揃え。ヨコ糸は420dの光沢感のあるブライト糸を撚ったものを2本引き揃え。この2つをオックス織りで仕上げることで、堅牢で深みのある生地を作り上げた。

「CORDURA Ballistic®」の新しい特性

前述の生産過程を経て生まれた「CORDURA Ballistic®」は、従来のバリスティックナイロンにはない新たな特性を生み出した。それは、糸を細くしたことで、硬かった生地はしなやかになり、ニュアンスのある質感を形成したことに付随する。規格の異なるタテ糸とヨコ糸の組み合わせが上品な光沢を生み、深みのある顔立ちになった。もちろんバリスティックナイロンの堅牢性はそのまま。この魅力あるディテールを備えた生地には、〈アッソブ〉が培ってきたバッグ作りにおいての技術、経験、哲学が見事に反映されている。

ディレクター・冨士松さんのファブリックにおける哲学。

—新しい素材を使った経緯

僕はバッグを作る上で素材から決めることが多いので、まず理想の形が頭の中にあって、それを具現化できる素材を探したり作ることからものづくりがスタートします。なので、今回のファブリックに関して言えば、それぞれ”選んだもの”と”作ったもの”という2つの視点で素材を用意しました。

—「X-Pac®」を選んだ理由

セイルクロスメーカーが開発した生地でその高い機能性に惹かれたからですね。僕はジャンルにこだわらず、常にバッグに必要な機能が備わっているかどうかで生地を見極めているので、それこそ絶対バッグには使わないだろうっていう生地でもとにかく実際に見て触ってみます。なので、良い意味で生地に対する偏見はありません。ただ、その中でも、機能面においては強度や防水性を第一にみています。「X-Pac®」は4層構造になっていて、強度や防水性を備えつつリップストップと同じ効果のワイヤーなども兼ねていたので、機能としては申し分なかったですね。見た目もワイヤーが浮き出ているような印象的な生地だったので、真っ黒のドビーシリーズと合わせることで新しい機能とデザインが引き出せると確信していました。

—「CORDURA Ballistic®」を作った理由

僕らが作りたいと思ったのが、ニュアンスの生きたシルエットのバッグでした。糸が太すぎたり、硬過ぎたりすると、真四角のシルエットになることが多かったので、適度なゆとりが欲しいと思ったんです。でもバッグの機能として必要な強度も欲しい。そこでコーデュラナイロンを作っているインビスタという工場にお願いして糸から作ってもらいました。1680dある通常のバリスティックナイロンを1000d×840dの糸に変更し、ベビー過ぎないライトなバリスティックとしてこの「CORDURA Ballistic®」を作りました。結果的に、狙い通りの強度を保ちつつ絶妙にニュアンスの生きたシルエットとカジュアルな光沢感を構築できたので、とても満足しています。

—アッソブのバッグの在り方

今は昔に比べて多種多様なバッグが発売されていて、男性も女性のようにバッグを着せ替えて選ぶようになってきました。よりファッション性が重視されている時代ですね。ですが、僕らはバッグブランドなので、バッグとしての機能をしっかりと持ったものを作りたいと思っています。そうすると丈夫でシンプルなものを作ることが多くなって、あまり数多くのバッグを展開する必要がなくなってきたんです。以前手掛けていた〈マスターピース〉のように、多種類のバッグをリリースする取り組みとは異なり、今は少ないシリーズ数で、それぞれに対する注力の仕方が変わりました。トレンドで1シーズンしか使われないようなものは一切作らない。ずっと長く使えるものを作っていく。ファッションにより過ぎないようにする。それがデザインする僕らも、メーカーさんや工場さん、関わる人たちにとって理想的なスタイルだと思うので。そういったことを踏まえながらちゃんとしたバッグというものを〈アッソブ〉は作っていきたいですね。

UNBY GENERAL GOODS STORE
住所:東京都渋谷区神宮前3-18-23
電話:03-6328-0577
営業時間:11:00~20:00
不定休
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