この度、ギャラリー360°では、山内聡美の「Celebration」展が開催されます。彼女のルーツでもあるフロリダにフォーカスし、かの有名なディズニーワールドを被写体として収めたとのこと。一般的な"ディズニー"の世界観とは異なる、現実と夢がまさに交差する点を射抜いた写真展となっています。

クリエーターを形容する言葉として"繊細な感性"というフレーズがしばしば用いられますが、実際のところ繊細さにも様々な種類があるわけで。山内聡美が撮る写真には、日常が織りなすシーンに適切な物語を与えるという、脚色と編集の作用があるのだと思います。奥行きのあるワンシーンは、そこで生きる人や、その場所の空気を、ときに事実よりも克明に捉え、物語を立ち上がらせます。商業的で作り込まれたディズニーワールドの隙間に垣間見えるセンチメンタルには、独特のムードがあります。良い着目点だなあと。

アメリカンホームタウンの魔法、と締めくくられるコンセプトテキストも素敵なので、ぜひ展示に赴いて確認してみてください。会期は12月22日（火）まで、すでに開催中。お忘れなく。