先日、連載企画「SHOPPING ADDICT」でも紹介した、NYの新進気鋭ブランド、〈ウィリー チャヴァリア(WILLY CHAVARIA)〉。
「バチューコ」という1940年代に生まれたカルチャーが色濃く反映されているブランドで、当時「バチューコ」はスラング的な意味合いで、あまり良い言葉ではありませんでしたが、この時代にバギースタイルを定着させた文化でもあります。
そのスタイルのアメリカン・メキシカンがバチューコ、そしてチカーノと言われていたそうです。デザイナーのウィリー自身の出自が、色濃く反映されたコレクションと言えるでしょう。
今回ご紹介する「PANEL」というモデルは、WISMの別注で、刑務所に入っている囚人が着ているウエアからインスパイアされたものとのこと。わざと縫い目をずらすことにより、ご覧のように独特のシルエットとなっており、レイヤードしても面白い着こなしができるのではないでしょうか。
こうしたアクの強いシルエットに、あえてエレガントな手触りの生地を載せており、そこがウィリー、そして「WISM」の面白いところと言えるでしょう。
ちなみにこのプリントは、本物のチカーノギャングによって綴られたもので、危険なエリアで人生を送る人々のパワーや情熱が刻まれたメッセージとなっています。大切な友人が亡くなった時や、宗教的なメッセージを訴えたい時に、このようなTシャツを作成するそう。
強い想いのこもったTシャツ、心して着たいものですね。
Text_Ryo Komuta
WISM
住所:東京都渋谷区神宮前5-17-20
電話:03-6418-5034