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ポップな作風に見え隠れする普遍的なテーマ。ベルリン在住、石井麻希の初個展です。

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Under the moon 2016 コラージュ ©Maki ishii

コミックやマンガなどの要素を作品へと取り入れる、ベルリン在住のアーティスト・石井麻希が日本における初個展を行います。

展示会場となる「Arai Associates」と「Gallery HATCH」は、どちらも若手や話題のアーティストをサポートし、かつてアパートであった場所、または靴屋の倉庫だった場所をそれぞれギャラリーとして改装しました。

作家はこれらの“改装/変貌”を建物の“死”と捉え、“特定ではないある空間の思い出”を作り出すことを試みます。建物の不在、変貌は今まで当たり前のように存在していた空間、風景、町並みをも変えていきます。そして、そういった小さなカケラを紡ぐことで浮き彫りになる、普遍的な時間軸が今回の展示の大きなテーマになっているそうです。

展示は「Horizon」と「Rolling」の2部構成です。「Arai Associates」で1月28日(土)より行われるパート1の「Horizon」は、異なる舞台装置を展望するようなインスタレーションで構成されます。続くパート2の「Rolling」は2月11日(土)より「Gallery HATCH」で開催。見る人をどこかもわからない異空間に入り込ませるような構成となっています。

本展では、作家が見た日常の景色や、テレビやコミックなどのイメージを取り込みながら故郷を求めたインスタレーション作品が展示予定。また長い間作家がテーマとして向き合ってきた“故郷の再現”を表すものにもなっています。

「故郷」とはなんであるのか、「家」とはどこなのか。難民問題や災害問題で住んでいた場所を追われる人々のニュースが溢れる近年に置いて、こういったテーマは誰にとっても普遍的なものと言えるのではないでしょうか。そして自らのルーツである日本を遠く離れて、異国のベルリンで住むからこそ場所や絆に対する考察を深めることで生まれた、この作家ゆえのテーマだとも言えます。

なるほど画風はディ◯ニーなどのアニメを彷彿とさせますが、深遠なる現代的テーマをはらんでいるというわけです。ここで紹介したのはその一端。ぜひ全貌をその目で!

Text_Shinri Kobayashi


「Horizon / Rolling」石井麻希展
会期:Arai Associates / 1月28日(土)〜2月12日(日)
   Gallery HATCH / 2月11日(土)〜2月19日(日)
会場:Arai Associates
住所:東京都墨田区江東橋5-6-11 3F
時間:12:00 pm〜5:00 pm
会場:Gallery HATCH
住所:東京都台東区浅草6-1-16
時間:5:00pm〜8:00pm(水〜日)

www.maki-ishii.com

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