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俳優・村上 淳が才能に惚れ込んだ弱冠16歳の歌姫、岸辺紗采。

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きっかけは村上 淳さんがフイナムブログにポストした記事でした。結論から言うと、素敵な音楽に巡り会えたのです。

その記事に書かれているアーティスト、岸辺紗采(きしべさあや)さんは仙台を拠点に活動する現役女子高生のシンガーですが、若いからと言って実力をあなどってはいけません。まずは先日公開された彼女の曲のPVをご覧ください。

美しく透き通った歌声。まっすぐで力強く、表現豊かな歌唱力。彼女の歌う姿を見て、村上 淳さんがプッシュする気持ちがなんとなくわかりました。そんな岸辺さんと村上さんが出会ったのは、一本のギターがきっかけだったそうです。

「弾かなくなったヴィンテージのギターを譲ろうと思っていろんな人に声を掛けていたら、〈MADE IN GM JAPAN〉の村上(久典)くんが『知人がギターを欲しがっている』という一報をくれて。詳しく話を聞くと、その人の姪がギターを弾きながら歌を唄いたいと言っている、と。そのストーリーにぼくはなんだかドラマチックなものを感じたんです。ギターはギブソンの“ハミングバード”というモデル。いいところに飛んで行ったなぁ、と」(村上 淳)

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ピックガードにハチドリの刻印が入っていることから名づけられたそのギターは、楽器屋ですら手が震える上質で高価な一本。そんな楽器を手に取って、彼女はひとつのデモを作成します。それを聴いた村上さんは、「彼女は本物だ」と確信したそうです。

「15歳という多感な年齢で、他のことには目もくれずにギターと歌に情熱を注いでいる。そんな彼女をしっかりと見守りたいと思いました。なぜなら、ぼく自身が10代のときに大人たちにそうしてもらったから。あらゆる世界の本物を見させてもらったからです。そしてどの世界へ行っても、価値観は自分で決めて自分でつくるものだということを学んだからなんです。いま彼女は無所属だけど、どこか決まるまではしっかりとサポートしたいと思っています」(村上 淳)

そんな村上さんの気持ちと共鳴するように、さまざまな大人が彼女の力になっています。村上さんと岸辺さんを繋げた張本人である〈MADE IN GM JAPAN〉の村上久典さんと相原秀章さん、そして、映像作家の大場潤也さんも彼女の歌に引き込まれた人物。彼らは「Patchworks」と自らを名乗り、彼女の活動をサポートしています。

「ぼくたちは大人だから、仕事はもちろん大事なんだけど、それを抜きにしてサポートしたいという気持ちがあります。そういった想いが結果的に彼女のためになる。おなじ気持ちがある人はぜひ仲間になって欲しいですね。とくに音響とか、そういった分野に強い人がいたら心強いです」(村上 淳)

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Photo_Junya Oba(HTP)

そのようにしてたくさんの人を巻き込む磁力を持つ岸辺さん。彼女自身は、自分のことを普通の女子高生と話しています。

「月曜日から金曜日まで毎日学校へ行って、それとおなじようにして、土日も含めて1週間ずっとギターを触りながら歌の練習をしています。物心つく頃から音楽が大好きで、いつもなにかのメロディーを口ずさんでいました。アーティストとして活動をしていきたいと思ったのは、10歳のとき。震災が起こって、自分にできることを考えました。それで歌を唄って、みんなを元気にしたいと思ったんです」(岸辺紗采)

当時、わずか10歳でありながらも、強い意志を持って岸辺さんはそう決断しました。その気持ちを表すように、彼女は常にまっすぐ前を向きながら、力強く歌を唄っています。

「私の好きな言葉は“全力投球”なんです。その日、その瞬間を大事にしたいと思っていて、いつも本気でいたい。学校も、遊びも、音楽も、常にその気持ちを持って挑んでいます」

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Photo_Junya Oba(HTP)

我々が岸辺さんを取材したのは、彼女のワンマンライブが開催される日でもありました。肩からギターをかけ、大人数のお客さんを前にしても物怖じすることなく自分の力を発揮し、伝えたいメッセージをメロディーにのせて届ける。そんな彼女の姿に勇気づけらたお客さんも少なくないはずです。

「今回のライブでは自分のオリジナル曲と、カバー曲を合わせて20曲ほど披露しました。オリジナルのレパートリーは10曲くらい。日々生活をするなかで、ふと生まれたワンフレーズのメロディーを記憶に留めて、苗にゆっくりと水を与えるようにひとつの曲へと成長させていっています。あとは歌詞を先に考えてから、そこにメロディーをつけてつくることもあります。歌っているのは日常的なことが多いかな。カバーは自分が尊敬するアーティストの曲を歌いました。椎名林檎さんや、ヴァネッサ・カールトンさん、アデルさんなどなどです」(岸辺紗采)

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Photo_Junya Oba(HTP)

自身のオリジナルソングに加えて、日本のアーティストから海外のアーティストに至るまで、幅広い楽曲を披露してくれた岸辺さん。MCのときは緊張した様子があり、高校生らしい姿を見せてくれましたが、曲がはじまるとその姿は一変。アーティストとしてのオーラをまとい、お客さんのほうを見つめながら、真剣な眼差しで歌を唄う姿が印象的でした。

「一方通行ではなく、お客さんと一緒にライブを楽しみたいと私は思っています。オリジナルの曲では、恋だったり、家族への感謝の想いだったり、そういった日常的な気持ちを歌詞に乗せているんです。楽曲そのものや歌う姿、そういった部分はもちろん、曲の歌詞にも注目して欲しいです」(岸辺紗采)

恥ずかしそうに笑いながら、そう語る彼女。「ゆくゆくはどんなアーティストになりたいですか?」と尋ねると、こんな答えが戻ってきました。

「私の目標は息の長いアーティストなんです。CDをつくってたくさん売りたいとか、そういうのではなくて、ずっとずっと、おばあちゃんになってもシンガーとして活動を続けたい。そう思っています。そして、自分の歌を世界に届けたいと思っています。英語で歌う曲もつくったりしていて、世界で活躍するアーティストになりたいんです。そして自分の尊敬するアーティストたちと同じステージに立ちたいと思ってます」(岸辺紗采)

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Photo_Junya Oba(HTP)

無事にライブを終えた彼女は、ファンの方々と話したり、一緒に写真を撮ったりする姿に高校生らしさを感じる一方で、ひとりひとりのお客さんへ丁寧に「ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝える姿が印象的でした。

真摯に、そして前向きに、音楽と向き合う岸辺紗采というアーティスト。まだまだ若く、年代的にいろんな揺れを感じる年頃ではありますが、彼女自身はそういった揺らぎを感じさせない程まっすぐで、芯があって、強い意志を持ったシンガーなんだということを、ひとつのインタビュー、ひとつのライブを通して感じることができました。

今後彼女がどんな道筋を辿り、どのような姿に成長して行くのか? 早めのチェックをおすすめします。気づいたら、とんでもないビッグアーティストになっているかもしれません。

Movie_Junya Oba(HTP inc.)
Text_Yuichiro Tsuji
Special Thanks_Patchworks
Edit_Jun Nakada


岸辺紗采(Saaya Kishibe)
https://www.instagram.com/saaya_kishibe/

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