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あらゆる示唆を含んだ迷路のペインティング。VOILLDにて開催される安部悠介の新作個展。

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01Labyrinth painting (2 problems) (2017) Oil, spray on canvas 250×206×3.1cm © Yusuke Abe - Courtesy of VOILLD

ボイルド(VOILLD)」主宰の伊勢春日氏が、こちらでフイナムブログをスタートしています。彼女がフジロックの後遺症に負けじと現在設営している、画家・安部悠介による新作個展「アースバウンド・エイブ(Earthbound Abe)」のご紹介です。

01Labyrinth painting (2015) Oil on canvas 72.7×50×2cm © Yusuke Abe - Courtesy of VOILLD

以下に伊勢氏による作家解説を引用します。

01Labyrinth painting (through the outer continent) (2017) Oil on canvas 200×200×3.1cm © Yusuke Abe - Courtesy of VOILLD

安部悠介は山形出身、現在東京を拠点に活動している画家です。安部の作品群は、油彩、スプレーでのペインティングを軸に、色紙やカラーフィルム、プラスチックなど様々なマテリアルを活用し構成されています。

01'Bio-problem(round about mystery)' (2016) 200x200x31cm © Yusuke Abe - Courtesy of VOILLD

幼少の頃に遊び親しんでいた大自然の中での外遊び、TVゲームやカードゲーム、ノートや教科書の隅に無意識に残した落書きなどをサンプリングし、ノスタルジックな中に潜む楽しさ、虚無感など、複雑な感情が独自の目線で表現されており、幼稚で単純に思えるモチーフ逹は、絵画というジャンルに対してのアンチテーゼともいえます。

01Don’ t know (2016-2017) Oil pastel, paper, ink, spray, gel medium on wood panel 41×31.8×2cm © Yusuke Abe - Courtesy of VOILLD

それらはすべて安部自身が体験してきた思い出であり、今の自分を作り上げた要素でいて、未来への希望でもある重要なパーツとなっています。現実と偶像、空間や時間が混在した実態のない感覚が、何度も描いては消されまた上から描かれてゆき、うろ覚えの夢のようなレイヤーとなって、見る者を不思議な感覚へと引き込んでしまうのです。

01Human is very human, human is human. Beautiful (2017) oil, oil pastel on wood panel 41×31.8×2cm © Yusuke Abe - Courtesy of VOILLD.jpg

今回の個展では、近年制作し続けている巨大な迷路のペインティングシリーズが中心となって展開されます。「描く」ということに対する疑問や衝動をぶつけるかのように、圧倒的な生命力で描かれた無数の線の集合体。迷い、苦しみ、楽しみながら開拓してゆく事が安部の中で折り重なったとき、「迷路」という形で完結し現れたのです。

01Motherspace(3 eyes) (2016) Oil, acrylic, spray, charcoal on canvas 200×200×3.1cm © Yusuke Abe - Courtesy of VOILLD

迷路を描く事が本来の自分への帰還や新たな世界への冒険であり、その迷路は私たちが答えを導けるかを試しているような、挑戦状でもあるのかもしれません。

01With my oil pastel (2016) Oil pastel on wood panel 53×45.5×2cm © Yusuke Abe - Courtesy of VOILLD

アートという抽象度の高いものを、その魅力を損なうことなく、一般化して解説するのはとても難しいことです。この解説を読むと、「ボイルド」というギャラリーがアートとそれを受け取る人々に対して真摯で適切な姿勢を貫いていることがよくわかります。

会場には、新作となる大小約30点のペインティングが展示されるそうなので、ぜひ足を運んでみてください。会場限定のオリジナルグッズも発売されるようです。会期は、8月4日(金)〜8月27日(日)、ぜひご注目を。

Text_Taiyo Nagashima

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安部悠介「Earthbound Abe」
会期:8月4日(金)〜8月27日(日)
会場:VOILLD
住所:東京都目黒区青葉台3-18-10 カーサ青葉台B1F
時間:水木金 14:00〜20:00|土日 12:00〜18:00 ※月・火・祝日休廊
入場:無料
Opening reception: 8月4日(金) 18:00〜21:00
www.voilld.com/post/162784558479/yusukeabe2017

安部 悠介
1993年山形県生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科修士課程2年在籍中。
幼少の頃に親しんでいたゲームやカード、ノートの隅の落書きなどをサンプリングし、ノスタルジックな中に潜む楽しさ、
虚無感など複雑な感情をもとに、新たな絵画を探求する。

-From Artist
「Earthbound Abe」の意味は、僕としては、結構ロマンのある言葉だと思っています。
地から逃れられない…とか、想像力のない、という意味でではなく、たとえば、僕が好きだったゲームは、それぞれの世界に根ざして物事が起きるし、カードの中のモンスターは、カードの世界に根ざして生きている訳です。草むらの中のバッタは一つの小さな茂みに根ざしているし、川の魚は川全体を知っているわけではなく、自分の住むポイントに根ざして生きています。それと同じで、人も人の単位で生きているんだよな、とよく思います。ありふれた例かもしれませんが、庭の蟻は、庭の外を知らないはずで、そこが庭であることすら気づきません。でもそれはそれで、そういうものだと思うんです。
 
絵にはきっと、絵の中の可能性があって、いうなればペインティング・バウンドな世界があるはずだと思います。
そしてそれに関心を持っている自分がいる、ということが、やはりとても奇妙で、素敵なことだと感じるんです。
その謎が解けるのはいつか分かりませんが、一つ言えるのは、僕がEarthboundだ、という状況だけだな、ということです。

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