ナイロンをまとったバッグはそれまでの価値観をがらりと変えた。バッグといえばレザーで、異素材のそれはスポーツブランドにみつけられるくらいだった時代に〈プラダ(PRADA)〉が果敢にチャレンジしたそのバッグは、エポックメイキングなアイテムとしてファッションヒストリーに太字で書き込まれた。
さすがと唸らざるを得ないのは、ナイロンバッグにラグジュアリーな佇まいを与えたことだ。それはひとえに〈プラダ〉が得意とするミニマルを極めたデザインの勝利だが、ファブリックが備えるポテンシャルも素通りできないだろう。滑るような密なナイロンからは高級感がにじみ出ている。レザーに勝るとも劣らない風合い、といっていいすぎではない。もともとは工業用防水素材として使われていたそうで、性能面でみても申し分がない。
もはや〈プラダ〉と同義で語られるほど浸透した漆黒のナイロンは現代においても欠かせないマテリアルだ。新作は大ぶりな外づけポケットが印象的なデイパックとボディバッグ。オールブラックでステッチをはじめとした装飾を限りなく排したバッグはアイコニックなデザインがくっきりと浮かび上がる。開口部も大きくとられたポケットはモノの出し入れもスムーズだ。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa
Edit_Ryo Muramatsu
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