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家族は僕が作った器で食べてます

池田:ご自分の作品を自宅で使いますか?

アダム:家にあるほとんどの器が自分で作ったものです。......タダだしね(笑)。

池田:(笑)。

―あれがないからこれ作ろう、みたいなこともありますか?

アダム:ありますね。あとは、自分だけじゃなくて奥さんに「こういうものが欲しい」と言われて作ったりとか。でも僕の朝食のシリアルを入れる器は、前に益子に行った時に買ったものを使ってます。それは自作じゃないかな。でも残りの家族は僕が作った器で食べてます。

池田:益子焼の他に日本の焼き物で持っているものはありますか?

アダム:笠間焼かな。益子の隣の笠間に額賀章夫さんという作家さんがいるんですけど。

池田:僕もお名前は聞いたことがあります!

アダム:額賀章夫さんは日本でのベストパートナーだと僕は思ってます。

池田:九州の大分に、小鹿田焼(おんたやき)という陶器があるんです。僕はすごい好きなんですけど、ご存知ですか?

アダム:知らないな。僕は九州に行ったことがないから一度行ってみたいですね。

池田:僕が陶器に興味を持ったきっかけになった焼き物なんです。現地の伝統的なホテルに泊まった時に、そこの器が全部小鹿田焼の陶器を使っていて。

アダム:それはすごい素敵ですね。

池田:本当に素敵でした。九州は他にもたくさん焼き物が有名なところがありますよ。話は変わりますが、器を焼く時は、どうやって焼きますか?

アダム:ほとんど、電気窯で焼いています。

―窯は大きいんですか?

アダム:いや、そうでもないかな。3つの違ったサイズの窯を持ってるんですけど。一番大きいものでもそんなに大きいってことはないですね。ただ、火は毎日入れてます。3つをフル稼働させて。忙しいですよ。12時間火に入れて12時間クールダウンする。焼きは24時間サイクルだね。

池田:そうなんですね。L.A.という土地は、陶芸するにはどうですか?

アダム:すごいいいよ!  他の国では都会で陶芸するのは珍しいかもしれないけど。創作をサポートしてもらえる環境ですね。いいスタジオもあるし。

池田:スタジオは大きいんですか?

アダム:いや、そんなに大きくはないです。僕はほとんどを自分だけで作業するし、そんなに広いスペースは必要ないんです。あとはL.A.は乾燥してるから、ニューヨークとかよりは陶芸をするには適してると思いますよ。

池田:乾燥してた方がいいんですね。日本よりL.A.は作陶にはいいですか?

アダム:乾燥してるのもそうだし、気候が温暖だからね。昨日益子に行ってきたんですが、冬のこの時期だとすごい寒いので作品作りは大変だと思いますね。手に付いた粘土を落とすために手を洗うのも、冬のこの寒さだと辛いですよね。

池田:なるほど。確かに。

―今回の新作の個展で新しい試みをした点はありますか?

アダム:花器には新しい釉薬を使いました。4種類か5種類ぐらいかな。あとはさっきも言ったこの蓋。そのほかだとキャンドルホルダーとか、真ん中にマッチを入れることができる灰皿を新たに制作しました。

―この灰皿、機能的で素敵ですね!

池田:アダムさんはタバコ吸うんですか?

アダム:昔吸ってました。今はやめたけど、好きですね。ちょっと恋しい(笑)。

池田:(笑)。

―最後に、日本のファンの方に一言お願いします。

アダム:いつも、どうもありがとう。

―ありがとうごございました。

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家にある器のほとんどがアダム氏の作品とのこと。ご家族の方がうらやましい!

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キャンドルホルダーは今回の新作のひとつ。お部屋にあったら和みそうですね。

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中央にマッチを入れることができるという灰皿。見た目も実用性も◎です。


下の器が決まっていない蓋だけの作品や、真ん中にマッチを入れることができる灰皿など、アダム氏の豊かな発想が形になった陶器が印象的でした。氏の大ファンだというスタイリスト池田さんの焼き物に関する知識はさすがの一言。どうもありがとうございました!

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