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グッドシングとw+hの挑戦。後編

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クレイグ自ら「渾身の出来映え」と語る今回のプロダクトは、〈グッドシング(good thing)〉初の店舗販売が決定! 販売を請け負うユナイテッドアローズは、数多あるスウェットパーカのなかから何故、このパーカを買い付けたのか。チーフバイヤー・内山氏に、その理由を伺ってきました。

Special thanks_CURRENT INC.

数多あるパーカのなかから、このプロダクトを選んだ理由。

―率直に伺うのですが、世の中には数え切れないほどスウェットパーカがあるなか、何故、このパーカをユナイテッドアローズで販売しようと思ったのですか。

内山省治(以下内山):実はユナイテッドアローズでは、10年近く前からウイングス アンド ホーンズと取引をしています。なかでも爆発的に売れたのが、このパーカなんです。実際、僕自身も店頭に立ちながら、多くのお客様に買って頂いたので、とても印象的なアイテムの1つと言えます。だからこの話を伺った瞬間に、僕のなかでオーダーすることは決めていました(笑)。

―決断が早いですね(笑)。ちなみにこのパーカの魅力とは、具体的にどういった部分になるのでしょう。

内山:何よりもシルエットが綺麗なのが一番の特徴です。確かに世の中にはたくさんのパーカがあります。けれど、ユナイテッドアローズで取り扱っているドレスアイテムやデザイナーズ系のアイテムと同じ空間で共存できるのが、ウイングス アンド ホーンズの良さでした。カジュアルに、デイリーに羽織るというよりも、ジャケットと同じような感覚で着ることができてしまうんですよね。

―確かにパーカと言えばアメカジの印象が強いなか、〈ウイングス アンド ホーンズ〉のものは洗練された印象を受けます。

内山:そうなんです。こういったオーセンティックなアイテムに、「洗練」という新しいキーワードを加えたのは、ウイングス アンド ホーンズが最初だと思います。実際にこのパーカが人気を博した数シーズン後には、あらゆるブランドから似たようなデザインが出ていましたからね。

―それだけ影響力のあったパーカが今、〈グッドシング〉の発案により復刻されることは、どう感じましたか。

内山:正直、先を越されたなと(笑)。というのもユナイテッドアローズでは、秋冬に向けてクレイグとのプロジェクトを進めていたんですよ。実際に今年の2月にはカナダのバンクーバーで会ったときにはそんな話をしてきましたし。

―なぬっ!? それは非常に気になるトピックですね。

内山:タイトから程良いワイドへとスタイルが徐々に変わろうとしている今、僕らはオーセンティックなプロダクトの良さを見つめ直しているところなんです。その一環として、クレイグとのプロジェクトがあります。

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内山省治さん
1997年にユナイテッドアローズに入社。10年以上原宿本店 メンズ館のスタッフとして販売業務を経験。現在はユナイテッドアローズのチーフバイヤーを務める。艶めかしい世界を妄想するクセを持つ。

UAから見た、グッドシングというブランド。

―「オーセンティック」という意味では、「ずっといいもの。」というコンセプトを掲げる〈グッドシング〉と共通する部分もあります。

内山:オーセンティックなアイテムが好きだからといって、昔の物をそのまま着てしまうと、時代錯誤な感じになりますよね。そういった意味で、現代的な要素を取り入れたオーセンティックなアイテムだけを展開するグッドシングの方向性はとても面白いと思います。

―ちなみにインターネットでの販売に対しては、ユナイテッドアローズはどういったスタンスなのでしょう。

内山:実店舗もネットショップも、両方とも大事だと考えています。ネット環境さえ整っていれば、世界のどこからでも、どんな時間でもアクセスできるのは、お客様にとってはとても便利ですからね。ただ、個人的にはインターネットはあくまでもデータベースとして活用しています。ネットでチェックして、気になる商品は実際に店頭で確認する。洋服の場合は特にそうですね。

―素材感やサイズの問題がありますからね。

内山:そこです。手に取らなければ伝わらない部分って、ありますからね。しかも、そういった部分にこそ作り手のこだわりが顕著に表れる。僕自身はグッドシングは、そういった側面が強いブランドだと思うんです。つまり、それだけこだわった物作りをしているのかなと。

―ちなみに今回のパーカは、グッドシングとしては初の店頭販売となります。

内山:ブランドの新しい第一歩に参加できたことは光栄なことです。そして、グッドシングにとってもこの試みが良いキッカケなればなと、思っています。是非、この機会にグッドシングのサイズ感などを試していただければ嬉しいですね。


気になるプロダクトについては、次のページにて徹底レビュー!

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懐かしそうに完成したパーカを手にする内山氏。「当時の本店 メンズ館で働いていたスタッフはみんな持っていましたよ」。

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