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春のフリークス ストア、10のこと。

VOL.1 ちりちり頭の春の2スタイル。
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別注インディゴエンジニアジャケット ¥28,000 +TAX
別注インディゴバンドカラーボーダーシャツ ¥14,000 +TAX
別注インディゴベイカーショーツ ¥14,000 +TAX / 以上すべてAPOLIS
別注レザーモカシン ¥39,000 +TAX/YUKETEN
別注時計 ¥19,000 +TAX/TIMEX ※その他すべて本人私物

変幻自在のコーデを生み出す、ベーシック。
 個性的なアフロヘアーとファンキーな人柄で、業界内外に多くのファンを持つ〈フリークス ストア〉プレスの早川 雄介さん。数年前には某コレクションブランドのランウェイにモデルとして登場するなど、業界きってのファッション通としても知られる早川さんは、ファッションを楽しみながら社会貢献ができる〈アポリス〉のウェアには前々から注目していたそう。
 自分が注目していたブランドが〈フリークス ストア〉とコラボレートし、更にはそれを世間に広める仕事に携わる。自分たちの活動によって少しでも社会が豊かになれば嬉しい、と意気揚々に語ってくれた。というわけで、今回のコラボレートアイテムを使用して、早川さんに着こなしのお手本を披露してもらった。
 まずは藍染めの色合いがなんとも爽やかなウェアは、すべて今回のコラボレート企画のもの。全部で4種類の生地を使い、藍染めした生地をいまや貴重なミシン「ユニオンスペシャル」で縫製した、コラボレートの目玉アイテム。トレンドのノーカラーのブルゾンとバンドカラーのシャツという、モダンなディテールをウェアにしっかりと落とし込むあたりは、さすがの一言。ブルゾンと共地のベイカータイプのショーツを穿けば、春のワークスタイルの完成だ。
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別注Tシャツ ¥8,500 +TAX/APOLIS
手に持った今治サファリジャケット ¥24,000 +TAX/FREAK’S STORE
ブレスレット ¥7,800 +TAX/Sunku
シューズ ¥13,000 +TAX/FREAK’S STORE ※その他すべて本人私物

 もちろん、自前のワードローブと組み合わせるのもアリ。どんなアイテムにも簡単に馴染むのは、このブランドがベーシックであることの証。〈フリークス ストア〉と〈アポリス〉の拠点がプリントされたTシャツは、希少な日本産のオーガニックコットンがブレンドされた生地を使用。そんなTシャツを普段から愛用しているデニムと合わせる。これくらい肩肘張らない社会貢献がちょうどいいかも。
Photo_Masahiro Arimoto
Text_Yuichiro Tsuji
VOL.2 ハーゲンダッツで満たす、マーケットバッグ。
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1つで2度エシカルな優等生バッグ。
フイナムブログでもお馴染み、〈フリークス ストア〉プレスの小笠原希帆さんは、無類のハーゲンダッツ好きで知られている。
ことのいきさつは、社会人1年目でひとり暮らしを始めたときにさかのぼる。心配性な小笠原さんのお父さんは、ハーゲンダッツを手土産に、毎週のようにひとり暮らしの部屋を訪れていたそう。その後、毎日ハーゲンダッツを食べる生活を続けた小笠原さんは、ふと気付いたらハーゲンダッツなしでは生きていられなくなったらしい。
現在では、家の冷凍庫の中にストックがなくなると、近所のスーパーで一気に50個ほど買うというローテーションを繰り返しているそうだ。
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マーケットバッグ¥11,000 +TAX/APOLIS

そんな大量のハーゲンダッツを運ぶために開発された、というわけでは決してないけれど、うってつけなのが〈アポリス〉とコラボレートしたこのマーケットバッグなのである。
リネンでできたこのバッグは、ジュート生地の生産が盛んなバングラディシュで一つひとつ手作業でつくられ、ローカルの女性たちの生活向上に貢献している。マチが広めで大容量、持ち手はヌメ革で丈夫なうえに、使えば使うほど味が出るので、ラフにガンガン使えるのもうれしいところ。小笠原さんの場合は、ハーゲンダッツを50個いれるのにちょうど良い。おまけに袋の内側は防水仕様になっているため、カップの周りの水滴だって外側にしみ出してくることもない。一般的には雨で中身が濡れないという長所になるのだけど。
買物のときにこのバッグを使えばレジ袋が不要になるため、社会的な貢献にはもちろん、環境的にも優しくなれる。これひとつで2つの社会貢献ができるまさに一石二鳥のバッグなのだ。
Photo_Masahiro Arimoto
Text_Yuichiro Tsuji
VOL.3 アポリスってなんだ?
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「エシカル」という新しいファッションの楽しみ方。
Vol.1、2と〈フリーク スストア〉の名物プレスお二人とともに登場した〈アポリス〉と〈フリークス ストア〉のコラボレーションアイテム。では、そもそも〈アポリス〉とはどんなブランドなのかを今回は紹介しよう。
ラーンとシェイのパートン兄弟によって、2004年にアメリカのロサンゼルスのアーツディストリクトに誕生した〈アポリス〉は、「Global Citizen(地球市民)」をコンセプトに掲げて、慈善事業ではなく、ビジネスの力で世界の問題を解決していこうとする、社会的企業にしてファッションブランドである。
具体的には、貧困や経済格差が問題になっている世界各地で、積極的な製品企画と現地生産をすることで、現地の人にやりがいのある仕事を創出し、どんな素材を使い、どこの国で生産したかを明記するという、つまりは、社会に役立ち、環境に優しい「エシカル」な活動を行っている。さらに、デザインされた製品が多くの人に届くように、様々な企業やブランドとコラボレーションも行っている。
そして、消費者は素晴らしいプロダクトを楽しむことができるだけでなく、その商品を購入することで、結果的に世界中で雇用機会を増やすことにつながり、さりげなく社会貢献もできるという仕組みになっている。
Photo_Satomi Yamauchi
Text_Shinri Kobayashi
VOL.4 仕事を通じて社会に貢献する、フリークス ストア。
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朝の清掃から始まり、被災地支援へとつながる、その社風。
〈フリークス ストア〉の店舗周辺では、スタッフが清掃する姿が当然のように見られる。同じくその本社でも、始業前の朝15分間の掃除では社内だけでなく、感謝の気持ちを込めて会社の周辺まできれいにするのだ。こんな社風だからこそ、東日本大震災の被災地を助けたいという気持ちは自然なものだった。
2011年3月11日の発生から4年が経った東日本大震災。〈フリークス ストア〉は被災地で仮設住宅暮らしを余儀なくされている人たちに、手仕事を発注することで雇用と笑顔を創造するプロジェクト「ツボミ」を不定期ながら推進している。
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穿かれなくなったデニムを割いて編み上げたそれぞれ表情が異なる1点もののラグマットはツボミプロジェクトの製品。最初の納品分は、フリークス ストアの社員が履かなくなったデニムパンツを集め、このマットに編み込んでいる。
デニムラグマット¥12,000+TAX / FREAK’S STORE

現地の人々によれば「この仕事があることで、仲間が集まりコミュニケーションを取れる場所が生まれ、気持ちの支えとなっている。また、作り手として必要とされることで、やりがいや達成感へとつながっている」という。
仕事をお願いすることで被災者の支援をし、その製品を消費者に購入してもらうことで、結果的に消費者に被災地を支援してもらう。こういったストーリーを持つ商品を通じて、長期的に被災地を支援する〈フリークス ストア〉の活動にはぜひ注目してほしい。
Text_Shinri Kobayashi
VOL.5 アポリスとフリークス ストアのコラボレーション。
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和でつながる、日米の輪。
古今東西、出会うべきして出会うものたちがいる。
ビジネスとファッションの力で世界各地の諸問題と対峙する〈アポリス〉と、ファッションのモノ作りを通して東日本大震災の被災地とつながる〈フリークス ストア〉。
両社の姿勢や考え方、哲学が合致することで生まれたのが、今回の共同プロジェクトであり、その掲げるテーマが「CIRCLE(サークル)」だ。コンセプトは、日本とアメリカの両社のほか、素材の産地、生産工場、生産者、消費者という、各地に散らばる一つひとつの点が一本の線となり循環することで、ひとつの輪(サークル)となるというもの。
デザインは〈フリークス ストア〉が〈アポリス〉に提案する形で進められ、Vol.2で登場したマーケットバッグ以外の商品が“Made in Japan”である。そして日本で作られるからこそ、国産の素材や技術がふんだんに盛り込まれている。たとえば、日本製の生地に日本特有の藍染を施し、一部を除いて東北地方の工場で生産する。
こうした商品が販売されることで、日本の技術の世界へのアピールになると同時に、災害にいまだ苦しむ東北や、風化してしまう日本各地の産業へのサポートにもなる。そしてモダンなデザインやこだわりのディテールといった魅力を持ったプロダクツを購入することで、消費者がおのずと社会貢献できてしまう。もちろん純粋にファッションアイテムとして見るのだって自由だ。
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そんなさまざまな形で、生産者や社会、消費者とリンクしながらも、社会をよりよくしていこうというのがこのプロジェクトなのだ。
Text_Shinri Kobayashi
Vol.6 ショップスタッフに教わる〈アポリス〉の着こなし。
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別注エンジニアジャケット¥25,000+TAX/APOLIS
サンダル¥6,200+TAX/TEVA
その他全て本人私物

江部さんが大事にする、着こなしのルール。
 爽やかで眩しい笑顔を見せてくれているのは、フリークス ストア原宿の江部さんだ。〈アポリス〉とコラボレートしたノーカラーのジャケットをメインに、上品かつどこか陽気なコーディネートを披露してくれた。
 春の陽光に眩しく光るジャケットは、全部で4種類の生地を使い分けて作られたこだわりのアイテム。そこにチェックのシャツやスラックスを合わせてシックなコーディネートにしながらも、麦わらのハットやチロリアンテープがあしらわれたサンダルを差し込んで、巧みにカジュアルダウンしている。
 実はこのコーディネートは、ほとんどのアイテムがアメリカ西海岸のブランドのもの。ロスを拠点とする〈アポリス〉のジャケットにあわせたアイテムも、西海岸を背景とするブランドのもので統一している。「アメリカのアイテムを着るときは、西の文化と東の文化をごちゃまぜにしない」。これが、江部さんが洋服を着こなす上で大事にしているマイルールなのだとか。東西海岸のテイストを着こなし分けるというのも難しそうだが、その分なんだかおもしろそうだ。
Photo_Satomi Yamauchi
Text_Shinri Kobayashi
Vol.7 ウィメンズスタッフの春の着こなし。
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別注ボーダーワンピース¥16,000+TAX/APOLIS
サンダル¥5,500+TAX/FREAK’S STORE
ニットキャップ ¥2,800+TAX/FREAK’S STORE
別注ネックレス¥16,000+TAX/Sunku
その他全て本人私物

抜群の着心地を誇るワンピース。
 これまではメンズのアイテムが中心だったけど、ウィメンズの<アポリス>とのコラボレートは、実は今回世界初。しかも品揃えも充実している。渋谷店スタッフの武田さんが着ているのは、インディゴの濃淡でボーダー柄を起こしたハリとコシのある生地のワンピース。
 ゆったりとしたシルエットなので、着心地はご想像の通り、ストレスフリーだ。ウエストから裾にかけて付いている大きめのポケットは、携帯電話や定期を入れるだけじゃなくデザインのアクセントにもなっている。
 そんなリラックスしたワンピースに、小物を駆使して自分らしい味付けをした武田さん。インディゴのカラーが活きるように、ニットキャップとサンダルはネイビーでまとめ、アクセサリーは天然素材を使用したものを着用することでナチュラルなスタイルにまとめた。
 「ワンピースとしてだけではなく、ボトムを合わせてもいい」ともう一つのスタイルの提案もしてくれた。これからの季節はさまざまなフェスが開催されるけど、そういったシーンで着るのもいいかもしれない。
Photo_Satomi Yamauchi
Text_Yuichiro Tsuji
Vol.8 主役じゃなくても活躍する〈アポリス〉。
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パジャマシャツ¥13,000+TAX/UNDER
別注リネンボーダープルオーバー ¥14,000+TAX/APOLIS
別注ボーダーTEE ¥9,250+TAX/APOLIS
スキニーデニム¥11,000+TAX/FREAK'S STORE
サービスシューズ¥32,000+TAX/FREAK'S AMERICA
別注ネックレス¥23,000+TAX/Tsunai Haiya
その他すべて本人私物

メインアイテムの引き立て役に。
 〈アポリス〉と〈フリークス ストア〉のコラボレートウェアは、ベーシックなデザインが光るコレクションだから、お気に入りの洋服をメインにしたコーディネートにもしっかりとフィットする。その好例となる着こなしを紹介してくれたのは、アメリカのトラッドスタイルが好きだという、ルミネエスト新宿店の藤井さんだ。
 アメリカのバーバーをテーマにしたという今回のスタイルは、アンカーのマークが全体にちりばめられた、ゆったりとしたシルエットのシャツがメイン。そのインナーとしてコラボレートアイテムが活躍している。しかもよく見ると、インナーは2枚使い。ボーダーのバンドカラーのシャツの上に、これまたボーダーのカットソーを合わせて、バンドカラーのシャツの前立てが主張しすぎないように工夫している。
 メインとなるシャツの存在を引き立てつつも、Vゾーンや袖からボーダーをのぞかせて、効果的にアクセントを作る。柄で主張をしているから、ボトムやシューズはできるだけシンプルにしているところもさり気ない。
 1枚だけでも、レイヤードとしてもどちらでも使える汎用性の高いアイテムが多いので、ワードローブに取り入れやすいのだ。
Photo_Satomi Yamauchi
Text_Yuichiro Tsuji
Vol.9〈アポリス〉のキーパーソン、かく語りき。
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アポリスとフリークス ストアの今までとこれから。
まだエシカルという考え方がさほど浸透していなかった2004年に誕生した〈アポリス〉。当時からエシカルをブランドの根幹としていたという、その先見の明は驚嘆の一言に尽きる。では、その時代を先取りする感性とビジネスの視点を合わせ持った、ブランドの創設者の思いとは? 弟のシェイ・パートンと二人三脚でブランドをここまで育てあげた、ラーン・パートンに話を聞いた。
−エシカルを意識したきっかけとアポリスを設立した経緯について教えてください。
ラーン・パートン 私と弟のシェイは若いころに多くの国を旅したのですが、世界には異文化が存在すると同時に、数多くの類似点も発見できました。それは日常の中では見失いがちなのですが、誰もが笑い、家族や仲間と幸せに暮らしたいという普遍的な願いなのです。
そして、地域社会、共同社会や組合と協力して生産する人々と出会う中で、そのコミュニティーの生産力と素晴らしさを世界中へ発信し、産業して確立することがその願いを達成することにつながるのだと思い、かつてから興味のあったファッションにおいて、チャレンジすることにしました。その方法として〈アポリス〉を設立したのです。
−ご自身が考えるアポリスの特長はなんでしょう?
ラーン・パートン ブランドを通じて、私たちは長期的視野でグローバルなコミュニティーを構築しようと考えています。

  例えば、各商品にはストーリーがあり、生産背景などの作り手の奥深い物語を消費者と共有したいのです。もちろん、ユニークかつ個性的な商品を開発することは大変ではありますが、とても重要なことなのです。もちろん、よい商品には、生み出す苦労がつきものですから覚悟はできてます。
ーパートナーとして、〈フリークス ストア〉を選んだ理由はなんでしょうか?
ラーン・パートン 我々の世界中のパートナーは、すべてアポリスファミリーだと捉えていますが、私とシェイに通ずる「ファミリーカルチャー」を〈フリークス ストア〉からも強く感じたからです。地震や津波の被害にあった東北地方の人々と一緒にコットンを栽培し商品化するという提案を〈フリークス ストア〉からもらい、悲劇的な被災地から商品が新しく生まれるというプロジェクトにとても感銘を受けました。

ファッション的視点でいえば、東京的な文化の中にサーフィンのようなエッジが利いたテーマが見え隠れするところも好きです。

今回だけでなく、これからも地域社会をよりよくする、コラボレートの方法をお互いに見つけてゆきたいと思います。
ー日本でのエシカルな活動はどうでしょうか?
ラーン・パートン エシカルといった倫理的な取り組みは、日本でも活発になってきていると思います。他国もそうかもしれませんが、以前の日本の消費者はブランドやステータスこそがショッピングの動機だったようにも感じました。しかし、今では徐々に変化しつつあり、たとえば、誤解してほしくはないのですが、震災は日本の人びとに深い悲しみとともに、これからの社会をどう生きるかという道筋を明確にしたのではないでしょうか。そして、この道筋が必ずや日本の復興に繋がると私は信じています。
今回のインタビューもわかる通りに、〈アポリス〉は骨の髄までエシカルなブランドだとわかる。設立当初から変わらない、真摯かつ情熱的な企業理念はとても清々しいほどだ。彼らの話を聞くにつけ、ここ日本でも徐々に高まりつつあるエシカルな動きが一時の流行にだけはならないようにしたい。
Illustration_Yoshifumi Takeda
Vol.10 エシカルファッションの今後
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日本でエシカルファッションを広めるために。
全10回となる今回の企画もこれが最終回。最後の締めくくりは、日本でのエシカルファッションの第一人者である生駒 芳子さんに、エシカルの今後について語ってもらった。

生駒さんは、人気女性誌である「ELLE」や「VOGUE」にて副編集長を務め、数年前までは「marie claire」の編集長としても活躍するなど、長年にわたってファッションの最前線を見てきたファッションジャーナリスト。現在は日本の伝統工芸と、ファッション、アートを結びつける「WAO」という団体のプロデュースをする他、さまざまな社会貢献活動を行なっている。

生駒さんいわく、海外でのエシカルの認知度はとても高いらしい。
「アメリカ、特に西海岸ではヒッピー文化が根付いているから、エコやエシカルといった自然を尊重する動きが活発です。ヨーロッパでもイギリスを筆頭に、政府が社会貢献を促す施策を講じたことで、国民の中でエシカルな気運が高まったんです」と教えてくれた。

では、肝心の日本ではどうなのか? という問いに、「残念ながら欧米諸国に比べると、理解はまだまだ乏しい」とのこと。百貨店など小売りの現場で、エシカルを推進する動きが増えてきているが、まだまだ広く浸透するには及んでいないのだ。

今後、日本でエシカルな活動を普及するためには“正しい消費行動”が必要だという。
「ただ美しいから、便利だから、という理由だけでモノを買うのではなく、『これはどこでどうやって作られたものなのか?』『持続可能なモノなのか?』といったエシカルな判断基準を持つことが不可欠です」と熱く語る。もちろん、商品の作り手も魅力的なアイテムを創造しなければならない。つまり“相互関係”をもっと深めなければいけないということに帰結する。

「そういった意味では、エシカルの活動が盛んなL.A.の〈アポリス〉と、東京を代表するセレクトショップである〈フリークス ストア〉がタッグを組んだというのは非常に興味深いこと。これなら消費者も気軽にエシカルと触れ合えますから」と、〈フリークス ストア〉の取り組みに対して太鼓判を押してくれた。

ともあれ、エシカルへのアプローチとして一番大事なのは“楽しむ”こと。どんなに素晴らしい行為でも、それが義務的なものであれば長続きはしない。それを敷衍(ふえん)させ、継続性を持たせるためには、作り手も消費者も、楽しみながら社会貢献にいそしむことが必要だ。そのひとつの手段として“ファッション”が存在する。今回の〈アポリス〉とのコラボレートは、そんな想いが具現化したもの。これを機に、ファッションでエシカルな活動を支援してみてはいかがだろうか。
Text_Yuichiro Tsuji
生駒 芳子
「VOGUE」「ELLE」を経て、2004年より「marie claire」の編集長を務める。2008年10月に退任。その後ファッション雑誌の編集長経験を生かして、ラグジュアリー・ファッションからエコライフ、社会貢献まで広い視野でトピックを追い、発信するファッションジャーナリストとして活躍。日経新聞「エコプロダクツ展」での「エコ・ウーマン・トーク」への出演など、環境・エコに関するイベントをはじめ、社会貢献、エコロジー、フェアトレード、チェンジメイキングを含めた、21世紀的エシカルなライフスタイルも提案している。

VOL.1 ちりちり頭の春の2スタイル。

VOL.2 ハーゲンダッツで満たす、マーケットバッグ。

VOL.3 アポリスってなんだ?

VOL.4 仕事を通じて社会に貢献する、フリークス ストア。

VOL.5 アポリスとフリークス ストアのコラボレーション。

Vol.6 ショップスタッフに教わる〈アポリス〉の着こなし。

Vol.7 ウィメンズスタッフの春の着こなし。

Vol.8 主役じゃなくても活躍する〈アポリス〉。

Vol.9〈アポリス〉のキーパーソン、かく語りき。

Vol.10 エシカルファッションの今後。