HOW TO HELLY HANSEN
ヘリーハンセンの使い方。
VOL.02
tempra cycle
Photo_Shin Hamada
小林健太
北欧ノルウェー生まれのアウトドアブランド〈HELLY HANSEN(ヘリーハンセン)〉。ブランドのルーツである防水ウエアをはじめとした機能美とファッション性を備えたアイテムは、海や山、街などの多くのフィールドで支持されています。なかでもバックパックは、優れた防水性とご覧のデザイン性で、ブランドを象徴するアイテムの一つと言えるでしょう。そんなバックパックの使用感をジャンルの異なる4名のクリエイターがリアルにレビュー。彼らのライフスタイルにおいて、〈ヘリーハンセン〉の名品がどのように機能していくのか。ご覧ください。
Text_Takuya Kurosawa
Edit_Hiroshi Yamamoto
ロールトップデザインを最大限に利用した使いこなし。
—このモデルを見たとき最初にどんな印象を受けましたか?
「まず最初に装飾のないシンプルな作りが、アウトドアというよりは都会的な印象を受けました。加えてロールトップの縦に長いデザインだったので、この特徴をいかした荷物を入れて使ってみると面白いのでは、と思いました」
—具体的にはどのように使われましたか?
「僕が経営する自転車屋での仕事の一つである、パーツの配達に使ってみました。中に入れたのは自転車のフロントフォークとハンドルといった、いわゆるかさばる荷物ですね。お客さんからパーツの加工や修理などのオーダーを受けたときに、パーツを近くのビルダーさんに持って行くことがたびたびあるんですよ。そういったときに、長いものでも収納できる作りはすごい役立ちました。それに今回みたいにバッグから荷物がはみ出ていても、開口部分を絞れば中身はあまり動かないので、安定して背負ってられるのも魅力でした」
用途を絞って使い分けるという選択。
—普段のバッグをどういった選準で選ばれていますか?
「まず容量や収納の仕様を見ていますね。普段からパーツや工具などを入れているのですが、その種類は大きなものから細かなものまでたくさんあります。今回みたいに長いものが入る作りだったり、細かなものを収納するときにはポケット数を重視したりと、入れるものを想定して選んでいますね。あとは自転車に乗って外をまわることが多いので、急な雨に降られても大事な商品を保護できるように防水性が備わっているかどうかも選ぶ基準の一つになっています」
—運ぶもの前提で鞄を選ぶというのは自電車屋ならではの考えですね。ということは運ぶものによってバッグを使い分けているのですか?
「そうですね。大小さまざまなパーツを取扱う都合上、パーツに合わせたカバン選びは日常的なんですよ。用途によって使い分ける楽しみもあったりしますし」
—なるほど。バッグを使い分けることで生まれる利点はありますか?
「用途にあったものを狙って使い分けるので、それぞれのバッグに余計な機能やデザインを持たせなくて済みますね。僕は基本的にはシンプルなものが好きなので。この〈ヘリーハンセン〉のバッグもいい意味で余計な装飾がなくて好感が持てます。それにシンプルで機能が絞られているからこそ使い方が明確になりますし。用途を限定させることで、使う意味を持たせることもできる」
利便性と共に追求するバッグの見せ方。
—自転車以外でこのバッグを使ってみたいシーンや使い方の提案はありますか?
「防水性を備えているバッグなので、山やキャンプなどでも使ってみたいですね。そのときはバックパックとして背負うだけでなく、この形をいかして、ドラムバッグのように車に詰め込んでもいいと思います」
—それはいいかも知れないですね。デザインにも合っていますし。
「あとはロールトップで容量の調整ができるので、道中で荷物量が変わっても柔軟に対応できそう。それとこの機能が利便性だけでなく、バッグの美しさも保ってくれていると思いました」
—それはどういった点においてですか?
「バックパックを使ったことがある人なら共感してくれるかと思うのですが、この形ってある程度の荷物が入っていないとバッグとしての格好の良いシルエットを形成してくれないんです。中身が入っていないペシャンコのものを背負うと存在感のなさというのが露骨に出ますよね。かといってパンパンに詰めてもよくないのですし。でも、このロールトップデザインなら中身に合わせて丁度いいサイズ感に調整できるので、いつも美しいシルエットを保つことができる」
—確かに見え方って利便性と同じぐらい重要ですよね。
「そうだと思いますし、見え方がいいときのバッグってちゃんと使いこなせているような気もします。それにどうせ使うのなら格好の良いものを使っている方が気分もいいじゃないですか」
—では、小林さんにとってバッグとはどんな存在ですか?
「ライフスタイルを補助してくれる便利なものでありながらも、使い方によって自分らしさを表現できる。スタイルの一部みたいなものですね」
小林健太
学芸大学にある名物人気サイクルショップ「テンプラサイクル」のオーナー。丁寧なメンテナンスや豊富な知識による自転車選びを指南してくれる他、ショップではオリジナルアイテムも展開。また、自転車におけるさまざまなイベントも展開するなど自身が体験してきた自転車の魅力を伝えている。
tempracycle.com
Roll Backpack ¥14,040
HELLY HANSEN 原宿店
電話:03-6418-9669