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HIP THINGS VOL_2 アンルート 二子玉川に行ってきた!

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共有するスポーツへと変化を遂げた「ランニング」。

2007年にスタートした東京マラソンを皮切りにランニング人口は爆発的に増加している。大都市で行われるランニングイベントは軒並み大盛況。東京マラソンにいたっては、倍率が10倍を超え、参加することさえも困難なプレミアチケットと化している。ましてや東京オリンピックまで決定。2020年の開催までスポーツムードは確実に上昇していくだろう。

しかし、なんでまたただ「走るだけ」という単純なスポーツに、多くの人々が殺到しているのだろうか? その要因の一つがコミュニティ感にある。今やランニングは孤独なスポーツではないのだ。みんなで支えあい、人との繋がりを実感しながら、共有するスポーツへと変化を遂げている。

実際、フイナムでも「フイナム ランニング クラブ♡」と銘打って不定期でグループランニングイベントを開催しているし、ファッション業界関係者が集う「AFE」も毎週10名を超えるグループで東京の夜を疾走している。カスタマーを集ってグループランを積極的に行っているスポーツメーカーやランニング専門店もある。

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フィジカル的な共有体験がカスタマーとの隔たりを無くす。

ユナイテッドアローズが運営する「アンルート(EN ROUTE)」もその一つだ。シティカジュアルウエアとコンテンポラリーなランニングウエアを展開する同店舗では、毎週火曜日に実施。ランニングというフィジカル的な体験を通して、企業と消費者という隔たりを無くし、新たなコミュニティを形成しようとしている。

その新店舗が二子玉川に4月24日(金)にオープン。場所は二子玉川ライズS.C.のテラスマーケット。店舗面積は銀座店と変わらず110坪でありながらも、ワンフロアのため広々とした印象。ラインナップも銀座店とほぼ同様となり、ランニングステーションも併設。衣類がしわにならない縦長のロッカーや、〈イソップ〉のアメニティ類など、ユナイテッドアローズならではのファッション視点の配慮が随所に見られるのもポイントといえるだろう。


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「日本で一番お金持ちが多い街」を舞台にしたアンルートの可能性。

なによりも重要なのは、二子玉川という場所にある。都心に近く、自然も豊か。近隣には多くの富裕層が居住している。同じくテラスマーケットにオープンする「蔦屋家電」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブの代表取締役社長兼CEOの増田宗昭氏は2月に行われた記者会見で二子玉川について「日本で一番お金持ちの多い街」と語り、一方で「お店が最も少ない街」と指摘。

つまり、二子玉川には生活に余裕がある人が集いながらも、消費する場所が極端に少なかったのである。そんな二子玉川の消費の起爆剤となりそうなのが二子玉川ライズS.C.のテラスマーケットであり、この場所への出店がアンルートにとって大きな意味を持っていることは容易に想像できるだろう。

各メーカーからは1万5000円前後の高価格帯ランニングシューズが発売され、東京マラソンでは10万円以上の寄付金を収めて参加できるチャリティ枠が設けられているなど、高所得者が嗜むスポーツという側面もあるランニング。

居住者の少ない銀座では定着まで時間のかかる印象を受けたアンルート。次なる一手として選ばれた可能性に満ちた二子玉川という舞台で、地域密着型の新しいランニングコミュニティを作り出し、消費へと繋げることはできるのか。1人のランナーとして、その動向を見守っていきたい。

アンルート 二子玉川

住所:東京都世田谷区玉川1-14-1 二子玉川ライズ S.C. テラスマーケット 1F
電話:03-5797-3184
enroute.tokyo