マイク・シャーマン(Mike Cherman)
〈ICNY〉クリエイティブディレクター。ニューヨーク・ブルックリン在住の24歳。大学卒業後、アートの専門学校を経て、カスタマイズサービスのショップにスタッフとして勤務。2013年、22歳の若さで〈ICNY〉を設立。随所にリフレクターを用いることで安全性や視認性を高めたスポーツアパレルを展開し、地元ニューヨークをはじめ世界中の都市で人気を博している。
——まずは〈ICNY〉がどういったブランドなのか、設立の経緯やコンセプトを教えてください。
「ICNYは僕が2013年に設立したブランドです。きっかけは、自転車に乗っているときに交通事故に遭ったこと。僕は自転車乗りであり、ランナーでもあるのですが、夜のニューヨークを走るときは、身に着ける洋服がセーフティなものでなくてはいけない、事故を通じて改めてそう痛感したんです。そこで、夜間の安全性や視認性を重視し、随所にリフレクターをあしらったアパレルをつくりました。リフレクターをあしらったスニーカーは以前からありましたが、アパレルにはそういったものはほとんどなかった。ならば自分でつくってしまおうと。最初はそのようなかたちで、自分のためのモノ作りとして始まりましたが、周囲の声に応えてブランド化し、現在に至ります」
このビジュアルは、〈プーマ〉が毎シーズン制作しているグローバルマガジン『SELECT』から抜粋したもの。随所にリフレクターを採用したことで、暗闇での視認性を高めている。デザイナーであるマイクのバックボーンを感じることができる一枚だ。
——今回、〈プーマ〉とコラボレーションすることになった経緯は?
「高校生のときにインターンで出会った人の紹介で、〈プーマ〉の担当者が僕のブルックリンのオフィスへ遊びに来てくれたんです。いろいろと話しているなかで、オーセンティシティを大事にする僕のモノ作りの姿勢に共感してくれて、また僕自身も〈プーマ〉という歴史あるスポーツブランドに対してリスペクトの気持ちもあり、今回のコラボレーションが実現しました」
——デビューコレクションとしてリリースされる各アイテムについて教えてください。まずはスニーカーについて。
「〈プーマ〉のアイコニックなモデルのひとつである『R698』というモデルをベースに、パイピングにリフレクターをあしらいました。これはスペースエイジ系の映画からインスピレーションを得たデザインです。また、シルバーについては、アッパー全面にリフレクターを採用しています」
——アパレルについてはいかがですか?
「アパレルにも安全性や視認性の向上のためリフレクターを用いていることはもちろんですが、通気性を確保するベンチレーションや、持ち物を効率的に収納できる隠しポケットなどを随所に配置し、自転車に乗っているときに快適に過ごせるようデザインしました」
——〈ICNY〉を率いるディレクターとして、今回のコラボレーションにはどのような意義があると考えていますか?
「〈プーマ〉にはこれまで積み上げてきた歴史と、スポーツを通じて培ってきたテクノロジーがあります。まだ若いブランドである〈ICNY〉は、それらを持ち合わせていません。今回のコラボレーションを通じて、〈ICNY〉というブランドが伝えたいストーリーをより明確なかたちで表現することができたし、ブランドをより大きなステージへと引き上げることができたと考えています」
——ニューヨークを拠点に活動しているなかで、最近のストリートファッションのトレンドをどのように捉えていますか?
「最近の傾向として、パフォーマンスとライフスタイルの垣根がなくなってきているように感じています。ライフスタイル向けのアイテムに吸汗速乾性や防水性を備えたマテリアルを採用することは、もはや珍しいことではありません。自分にとってのファッションの未来は、そういったファンクションの部分にこそあると考えています。デジタル系のテクノロジーの分野ではウェアラブルがひとつのキーワードになっていますが、そういったものがファッションの分野にもこれからどんどん入り込んでくるじゃないかな。日々の暮らしを便利にするテクノロジーを搭載した“スマートアパレル”が実現する日もそう遠くない気がします」
——最後に、日本のユーザーに向けてメッセージをお願いします。
「今回初めて日本に来ましたが、ニューヨークと同様、日本にも自転車乗りやランナーがとても多いですよね。そういった方々にとって、〈ICNY〉と〈プーマ〉のコラボレーションコレクションはとてもフィットするものばかりだと思いますので、ぜひトライしてみてもらえればと思います。もちろん、対象はスポーツをやる人だけではありません。ファッション好きな人たちやスニーカーフリークの方々にも、ぜひ日々のライフスタイルに取り入れてほしいですね」
PUMA×ICNY Collection(Apparel)
〈ICNY〉のアパレルはジャケット、パンツ、スウェットなど、機能性を重視したコレクションで構成されている。なかでもジャケットはスポーツテイストと最先端のテクノロジーを絶妙なバランスで融合させた本コレクションのキーアイテム。アーバンサイクリングの美学に基づき、脇下のジップの他、多くのベンチレーションを確保し、継ぎ目充填加工や隠しポケットも完備。また、全アイテムに共通して、随所にリフレクター素材をあしらうことで、夜間でも高い視認性を発揮してくれる。まさに現代の技術とスポーツファッションの境界線の限界に挑戦するハイパフォーマンスプロダクトである。
左上から時計回りに、ジャケット ¥29,000、ジャケット ¥39,000、パンツ ¥16,000、バッグ ¥20,000、Tシャツ ¥7,900、スウェット ¥11,000(すべて プーマ お客様サービス 0120-125-150 www.puma.jp)