INTERVIEW WITH 
NAOKI IKEDA
レノマとエディフィスによるジャケットコレクションの魅力とは。

今回、〈レノマ〉と〈エディフィス〉によるジャケットで、セルフスタイリングを提案してもらいましたが、まずコーディネート全体のテーマを教えて下さい。

大きく分けて2つあります。1つは、ちょっと特別な場所に行くときのスタイル。もう1つは、逆に普段着の延長でジャケットを着るときのスタイル。今回のジャケットは、カジュアルに着こなせる余地を残しながら、オーセンティックに作っているところが良いと思います。

最初のコーディネートは、まさに普段着の延長のようなイメージですか。

そうですね。ただ、白のモックネックのニットを合わせているので、程よくドレッシーな雰囲気もあります。ジーンズはセンタークリースにして穿いても良いと思うし、このスタイリングであれば、きれい目なシチュエーションにも向いていると思います。

ダブルのジャケットは着こなすのが難しいというイメージがありますが、池田さんはどのように捉えていますか?

このジャケットは、カジュアルな部分とドレッシーな部分が混ざっていて着こなし易いです。シングルのジャケットの方が、合わせるアイテムを選ぶし、人によっては着せられている感じが出るけど、ダブルの方がジャケットっていう感じがして、今回のように着こなしてもジャケットの雰囲気が無くなることはないと思います。ウールではなくて、コットンが中心の生地を使っているから、そこまでドレッシーな感じもないし、ギンガムチェックというところも良かったですね。

2つめのスタイリングで使ったジャケットは、カーキの色が美しかったですね。

色は男っぽいけど、素材にリネンを使っていたので、ジャケットが柔らかく作られています。

コーディネートで気をつけた部分はありますか? 黒のノーカラーシャツとスラックスを合わせていましたね。

カーキの色の感じを活かしつつ、全体の重さと軽さのバランスを意識しました。黒のシャツとグレーのスラックスで重めにしたところを、ナチュラルカラーのスニーカーで軽さを出しています。シャツはノーカラーで、パンツがテーパードしたシルエットというところもポイント。

ノーカラーシャツを使ったのには、意図がありますか。

テーラードのジャケットをカジュアルに着るなら、まずノーカラーシャツが選択肢の1つとしておすすめです。ポイントは、一番上までシャツのボタンを止めたところ。開けるとちょっと色気が出てしまう。昔の芸術家や建築家のようになってしまうこともあるので注意が必要です(笑)。

続いて、3つ目のコーディネートを教えて下さい。ジャケットは、白のボタンがついたネイビーのものでしたね。

スタイリングでも使った、ドレッシーなベージュのワイドパンツが、このジャケットには合わせやすいと思います。カジュアルなチノパンでも良いと思いますけど、ドレッシーなパンツのほうがより高度な遊びになるのかなと。

色も春っぽくまとまっていますね。シャツは白で、足元にはスタンスミス。

そうですね。シャツと靴で、白をパキっと効かせています。

ワイドなパンツを使って、細身のジャケットとバランスを取ったという感じですか。

スタイリングが落ち着くし、バランスが良くなると思います。

最後のコーディネートは、他と異なる、上品で大人っぽいイメージでしたね。

自分のなかでは、特にまっとうな着こなしを表現したつもりです。

ストライプのジャケットは、個性的で着こなし辛くなかったですか。

存在感があるから、合わせる服はすぐ決まりました。特にボートネックのカットソーをジャケットのなかに着るのは気に入ってますね。〈セントジェームス〉なので素材に厚みがあるし、Tシャツほどラフにならない。

ブローチはアクセントですか。

着て行く場所によりますが、セオリーとして、ジャケットを着ているというより楽しんで着ているような方向に持っていきたいなら、ブローチがおすすめですね。

今回、〈レノマ〉と〈エディフィス〉によるジャケットを着てもらいましたが、誕生から50年以上の歴史を持つ〈レノマ〉というブランドに対してどのような印象を持っていますか。

ちょっとアウトローな感じでありつつ、規制の枠組みを破ろうとしているアティチュードが含まれているように思います。

それは、かつてセルジュ・ケンズブールやジョン・レノンが愛用していたように、カルチャー的な側面が強いからですか。

でも、作っているもの自体は真っ当で、羊の皮をかぶったオオカミというか(笑)。一見ベーシックなのに、ブランドを支持している層は普通と少しかけ離れているところとか。エッジが立っているブランドだと思います。

パリの老舗としての魅力も持った、カジュアルでもフォーマルでも着こなせるようなジャケットは他にはあまりないんじゃないでしょうか。

ちょっときれいな格好をしたいと思ったときに便利です。デザインも控えめなので、こういったジャケットを常にストックしておきたいですね。自分の体に合ったものを1着持っていれば、季節に関係なく使えるのでおすすめです。

NAOKI IKEDA
スタイリスト。1977年長野生まれ。高校を卒業後、ファッションの専門学校に入学。在学中より、スタイリスト坂井達志氏に師事し、2000年に独立。スタイリストとして活動したのち、’05年にニューヨークに移住。’06年に帰国後、メンズファッション誌や広告、著名人のスタイリングを手がける。カジュアルからフォーマルまで幅広いファッションに精通。現在、アシスタントを募集中。

次は、ジャケットのラインナップを紹介。