窪浩志
ビームス クリエイティブディレクター
大学在学中よりBEAMSでアルバイトを開始。1985年社員として入社。その後「International Gallery BEAMS」のマネージャーなどを経て、1998年、ウィメンズレーベル〈BEAMS BOY〉を立ち上げ、女性の新たなスタイルを確立する。〈BEAMS BOY〉を軌道に乗せた後、2004年メンズ部門に復帰しメンズ全体の統括部長・クリエイティブディレクターを経て、2015年春より社長室室長就任。
ひどいことしますね(笑)。
ー実際にお聴きになってみていかがですか?
窪:ちょっと、びっくりしました。ひどいことしますね(笑)。残念ですね。もう元の音には戻れないです。まったく別物じゃないですか。
ーのっけからそこまで言い切られるとは(笑)。まずはざっくりとお聞きしますが、いったいどんな音なのでしょうか。
窪:最近、新しい店舗の音響を設定するときなんかに、「アナログな音」というキーワードがよく出るんですよ。真空管の、あたたかみがあってまろやかだけどタイトな音。そういうのがいいなあと思っていたんだけど、これはその質感まで含みながら、明らかにそれを超えた音が鳴っている。
ーハイレゾ音源には、CDの約6.5倍の情報量が詰め込まれているそうです。楽器の生音は別として、いまだかつて経験したことのない音質、ということになるようですね。
窪:本当に別の曲のようですよ。試しに「ホテル・カリフォルニア」を聴いてみたのですが、イントロのアルペジオがもうぜんぜんちがう。すごいな。しかも、このサイズ感で・・・。
ーそこまで言われると、素直に欲しくなってきました(笑)。窪さんは、普段はどのような音楽を聴かれるのでしょうか。
窪:いろんな音楽を聴くんですけど、アメリカものからイギリスものまで様々です。あとはジャズが特に好きです。昔はプログレも聴いていました。アコースティックのやわらかな音とエレクトリックのタイトな音、どちらも聴くので、その両方を兼ね備えた音質が理想ですね。
ウォークマン(WALKMAN)は、ソニーしかないから、です。
ー窪さんのソニー遍歴について伺いたいと思います。過去使用されてきたモデルについて教えてください。
窪:1979年に発売された初代ウォークマン「TPS-L2」を、当時横浜で一番大きい電機屋さんだった「ヤマギワ」で購入しました。何度も足を運んで試聴しましたね。38,000円、高校生の自分にとってはかなりの大金ですよ。ドキドキしながら買いにいきました。実際に使用してみて、おおげさでなく世界がガラッと変わったような気がしましたね。音楽を聴きながら外を歩けるんだ、って。一番最初に聴いたのは、ベタですが「ザ・ビートルズ」でした。
ー外で音楽を聴くという行為って今の若い世代にとっては当たり前のことですが、それを初めて実現したのがソニーだったというわけですね。
窪:そうですね。それ以来、ヘッドホン、イヤホン、音楽プレイヤーはソニー製品しか使っていません。偏屈にブランドを縛って購入してきたわけではなく、いろいろなメーカーのヘッドホンやプレイヤーを試聴した上で、やっぱりソニーが一番いいな、と毎回選んでいました。ウォークマンは15台くらい使用してきたんじゃないかな。
久保さん私物のノイズキャンセリングヘッドホン
ー一番最初にソニーの初代ウォークマン「TPS-L2」の購入を決めたきっかけは、何だったのでしょうか。
窪:ウォークマンはソニーしかないから、です。その後さまざまなメーカーが後を追って音楽プレーヤーを発売しましたが、「本物を使っている」という感覚はソニーユーザーだけに許されたもの。当時から、ソニーを使ってる人を見ると「おっ」と思いましたね。
ー自分が高校生の時、一番最初に買ったMP3プレイヤーはソニーのもので、やはり音質が決め手になりました。
窪:僕は今も、スマートフォンとは別にソニーのウォークマンを持ち歩いています。よく、「なんで?」って聞かれるんですけど。実際に音楽を聴いてもらうと、大抵は音質の違いに納得してもらえます。
ー音質に対してかなりこだわられていると思うのですが、窪さんはどのようなサウンドが好みなのでしょうか?
窪:深みがあって、クリアで、低音が響きながら高音の伸びもよく、音が割れにくい。ソニーのそういう音が好きです。耳がもうソニーに慣れているのかもしれない。自分はずっと横浜に住んでいて、通勤には1時間以上かかるんですけど、そこで快適に音楽を聴くためにノイズキャンセル機能にもかなりこだわって選んでいて、ソニーのノイズキャンセリング技術は抜群だと思いますよ。外の音が一切聞こえなくなるから、歩くときは迂闊に使えないけれど笑。
一つの業界の“基準”になるというのは、凄まじいことですよ。
ーウォークマン購入当時の話に遡りますが、ちょうど同じ頃、ビームスの創業が1976年で、雑誌「ポパイ」の影響なんかもあって人気に火がついた頃だと思います。窪さんはその頃からビームスに携わっていたのでしょうか?
窪:いやいや。歳だけど、そこまで歳じゃないです笑。当時はお客さんとして買い物に行ってました。ジーンズとかIVYとか、アメカジっぽい服を選んでいました。ビームスでバイトを始めるのは大学一年生になってからで、卒業後に社員として入社しました。
ーなるほど。ビームスもソニーも、日本の産業を牽引してきた企業だと思うんですが、ビームスのクリエーティブディレクター、あるいは社長の右腕として活躍されている立場から見て、ソニーという企業と御社との間に何か共通項はありますか?
窪:無理やりなことをおっしゃいますね!笑。ソニーとビームスを同じ土俵に並べるというのは恐縮すぎますが・・・。ソニーだったら何かやってくれる、という神話的なイメージをずっと持っています。具体的なところでいうと、プロユースのブランドだなと。仕事柄プロのミュージシャンの方ともお付き合いがあって録音の現場を拝見することも多いのですが、ソニーのモニターヘッドホン(MDR-CD900ST)以外のヘッドホンを見かけたことがありません。音響の現場においてはソニー製品がスタンダードになっているんですよね。一つの業界の”基準”になるというのは、凄まじいことですよ。
ー今回ウォークマンにつないで試聴していただいたハイレゾ対応ヘッドホン「h.ear」について伺ってから締めくくりたいと思います。デザインやカラーについてはいかがですか?
窪:自分で選ぶなら、やっぱりブラック(チャコールブラック)ですね。ソリッドカラーで軽くて、使いやすそうだなと思います。
ーどういったファッションに合うと思われますか?
窪:そうですね。好きに合わせるのが一番いいと思います。カラーバリエーションもあるし、自分の思うように、自由に使ってみましょう。
ー自分で選ぶことこそが楽しみってわけですね。本日は、誰よりも詳しく愛に溢れたお話、ありがとうございました。
かねてからソニー製品を使い続けてきた窪さん。最新のウォークマンとヘッドホン「h.ear」を見つめる眼差しは無邪気な喜びに満ちていました。モノの目利きのプロが太鼓判を押すプロダクトを、ぜひ体感してみてください。
「h.ear × ウォークマン スペシャルサイト」
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