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SPECIAL COLLABORATION!! 老舗同士のタッグが生んだ、至上のアメリカンプロダクト。

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〈タイメックス〉のデザイン総責任者ジョルジオ・ガリ(左)と、〈レッドウイング〉社のヘリテージ・バイス・プレジデントのダン・ダール(右)。

〈レッドウイング〉のことは常に見ていた。

阿部孝史(以下阿部) - まず初めに、これまで交わることのなかった両者によるコラボレーションが実現した経緯を教えてください。

ジョルジオ・ガリ(以下ジョルジオ) - コラボレーションするに当たって、創業1854年の〈タイメックス〉と同じように長い歴史を持つブランドを探していました。そんな時に、〈レッドウイング〉が思い付いたんです。プロダクト、ノウハウ、知識。これらすべてに優れたブランドとして、本当に尊敬すべき存在でしたから。

阿部 - 元々お互い意識はされていたのでしょうか?

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ジョルジオ - 私たちは時計メーカーですが、ファッションシーンのトレンドがどのように移り変わっているかは常にチェックしています。その中で〈レッドウイング〉が特にすばらしいのは、アイデンティティを保ちながらも常に進化しているところ。みなさんご存知のように大変長い歴史を持つブランドですが、そのルーツを忘れることなく、でもモダンな市場にもアピールできるようなプロダクトを作っていますよね。そんなこともあって、〈レッドウイング〉のことはずっと視野にありました。実は私の奥さんも〈レッドウイング〉の愛用者で、彼女からも「声をかけたら?」と言われていたんですよ。あとは、「タイメックス イタリア」のマネージャーも大ファンですし。

阿部 - 〈レッドウイング〉側ではどうでしたか?

ダン・ダール(以下ダン) - 初めて父親に買い与えてもらった時計が〈タイメックス〉でした。アメリカ人はみんな“時計=タイメックス”という認識でいるんじゃないですか?作っているものもシンプルで、僕自身もシンプルなデザインが好きなので。僕の奥さんもトライアスロンをやっていて、実際に〈タイメックス〉のアイアンマンを付けていますし。個人的に気になっていたのは、〈Jクルー〉とのコラボモデルで、周りでも使っている人がいたから「欲しいな」と思っていました。

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阿部 - コラボレーションが決定する前から、相思相愛の関係だったんですね。今回はベースに“ウォーターベリー”を使用していますが、それを選んだ理由と、レッドウイングレザーシューのあのカラーリングを採用した理由を教えてください。

ジョルジオ - 〈タイメックス〉のコレクションの中でも、特にアイコニックな文字盤を使おうと最初から決めていました。それで色々検討した中で、この“ウォーターベリー”がふさわしいなと。とはいえ古いデザインなので、ベルトにもそれ相応のマテリアルが必要でした。〈レッドウイング〉のレザーであれば品質も色合いも申し分ないし、何より使い込むほどに味わい深くなるので、ぴったりだったんですよ。全体的にミリタリーテイストではありますが気品があるので、場所を選ばずに使ってもらえると思います。最近の時計のトレンドとして、ケースが段々小さくなってきている傾向があるので、今回は3サイズ用意しました。男性はもちろん、女性が着けてもしっくりくるはずです。

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(左上から時計周りに)Waterbury Red Wing Shoe Leather 38mm、40mm ともに¥20,000+TAX、42mm Chronograph¥30,000+TAX

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阿部 - ほのかにクリームがかったオフホワイトの文字盤も展開されていますよね。この色味も今回だけのエクスクルーシブなんですか?

ジョルジオ - もちろんこの時計のためだけに用意したものです。他には、バンドの縫い方なども今回だけ変えていたり。ベルトの穴の横に数字を刻印しているのですが、これもエクスクルーシブの仕様で、趣味の乗馬で使うサドルのディテールを引用しました。〈レッドウイング〉のシューズは、一見シンプルに見えながらも、精巧なディテールがたくさん詰まっているので、時計にもそのこだわりを落とし込めば、あちらのアイデンティティとリンクできると思ったんです。

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阿部 - 実際に時計をご覧になっていかがですか?〈レッドウイング〉からの要望は何かありましたか?

ダン - 非常に満足しています。ほとんどコラボレーションはやっていないので(※〈タイメックス〉以外では、スノーボードブランドの〈バートン〉のみ)、最初はどうしようかと思ったんですけど、ジョルジオさんが〈レッドウイング〉にわざわざ来てくれて、彼自身がプレゼンしてくれたんですよ。彼が作成した資料に使われていた写真は〈レッドウイング〉のヘリテージそのもので、僕たちがやりたいことを理解してくれているなと感じました。それで、時計のことは全然わからないから、レザーであれば協力できますと(笑)。要望という程のものはなかったですが、〈レッドウイング〉のブーツもシンプルだから、時計に関してもシンプルなものにしたいとは伝えていました。さっきお話した通り、初めて手にした時計という個人的な思い入れもあったので、〈タイメックス〉とコラボレーションするのは、本当にグレイトなことだなと。

阿部 - まずは日本だけで先行販売されると伺ったのですが、それはなぜ?

ジョルジオ - 今回のプロジェクトは、実は日本で始まったんですよ。だから、一番初めに販売するのも日本と決めていました。あと、日本の人たちはコラボレーションが大好きですよね(笑)。

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次のコラボもすでに動いているよ。

阿部 - 日本のマーケットについてはどういう印象をお持ちですか?

ジョルジオ - 私はイタリアで生まれ育ったのですが、日本人は私たちと同じくらいブランドに対する情熱を持っています。今回日本に来て少し街を歩き回ったら、おしゃれな人がたくさんいました。もしかしたら、イタリアよりも進んでいるかもしれない。ただ知名度だけで判断するのではなく、クオリティやディテールといった部分までをも判断する目を持っています。

阿部 - アメリカとも違いますか?

ジョルジオ - もちろん細かいところまで見ている人もいますけど、日本ほどではないですね。うちのスタッフにも、日本に勉強しに来てもらいたいくらい。一度に〈オールデン〉も〈JMウエストン〉も〈パラブーツ〉も見れるところって、世界中探してもあまりないですからね。

阿部 - 〈レッドウイング〉ってもともとはワークブーツとしてのイメージが強かったですが、ファッションとして捉えたのは、アメリカよりも日本が早かったような気がします。

ダン - イメージではなく、その通りです(笑)。〈Jクルー〉のバイヤーも、リサーチで日本に来たときに、おしゃれなお店が〈レッドウイング〉を扱っているのを見たり、ファッションとして取り入れてる人を街中でたくさん見かけたから、それに影響されてアメリカに戻って声をかけてくれたんですよ。逆輸入じゃないですけど、おもしろいですよね。

阿部 - それをまた日本人が追いかけている。おもしろいですね。

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ジョルジオ - 市場のリサーチと自身の勉強のために、私も少なくとも年に一回は日本に来るようにしています。〈タイメックス〉がどう扱われているか、どんなブランドが人気なのか。世界へ向けたトレンドの発信地でもあるので、うちの社員にも日本に来ることをよくプッシュしています。

阿部 - 今回が初となるコラボレーションとなったわけですが、今後も継続していく予定はありますか?

ジョルジオ - まだ正式決定ではないのですが、実はすでに動いています。ウィークエンダーの文字盤を応用して、よりモダンにスリムにした素晴らしいデザインですよ。〈レッドウイング〉の革にもぴったりで、今回とはまた別の色にしようと思っています。少し先になりますが、期待して待っていてください。

お問い合わせ先
タイメックス(DKSHジャパン)
電話:03-5441-4515
www.timexwatch.jp