世界ではいま、何がヒップなのか? ファッションからグルメ、話題のホテルまで、世界を飛び回る3名にインタビュー。さらにホットなエリアとしてベルリンとアジアをピックアップ! コラムで綴る、現地の最新ムーブメントにもご注目。
photo / Masahiro Arimoto
PROFILE
東山貴広さん
広告代理店コスモ・コミュニケーションズに勤務し主にセレクトショップを担当。食通としても知られ、料理も得意。
松波砂耶さん
トランジットジェネラルオフィスでPRディレクターとして活躍。ホテルからグルメまで国内外の最新スポットに詳しい。
土井地博さん
ビームスコミュニケーションディレクターとして宣伝および販促の仕掛け人。服、食にとどまらない業界屈指の情報通。
いま、アメリカがおもしろい。
ー いま 、アメリカとヨーロッパ 、おもしろいのはどちらでしょう?
土井地博さん(以下土井地、敬称略):ファッションだとやっぱりロンドンとかヨー ロッパなんですけど、個人的には圧倒的にアメリカのほうがおもしろいなと思います。たとえばポートランドとか、いままでアメリカの片田舎と言われていたようなところが“暮らし”や“食”の部分 を全面に押し出していて、街全体として成熟してきていますよね。
ー ちなみにいま、注目しているエリアや場所はありますか?
東山貴広さん(以下東山、敬称略):サンフランシスコ?
土井地:うん。サンフランシスコとか、 ニューヨーク、ブルックリンじゃないですかね。
松波砂耶さん(以下松波、敬称略):でも不思議なのは、サンフランシスコとかとくに昔とお店ががらっと変わっているわけで はないんですよ。そのエリアのカルチャーがいま盛り上がっていて、アメリカの西側のライフスタイルが流行っているという感じですね。
ー アメリカの東側の人たちも、西側のライフスタイルに憧れている?
土井地:同じ国でもそういうのはあると思いますね。
東山:あとは取り入れやすいというか、 日本の感覚に合うんだよね。
土井地:サンフランシスコでもとくに バークレーの方は、昔だとカレッジスタイルやスケートのイメージがあったんで すよ。いまは日本食も含めた “ 食 ” がおもしろいよね。ラーメンとかすごい。
東山:うん。ラーメン屋はすごいね。
ーサンフランシスコにラーメン屋さんがあるんですか?
土井地:サンフランシスコとか、ニューヨーク、ブルックリンあたりは食が日本 の感覚に近いですね。ニューヨークに行 くと英語の「ラーメンマップ」みたいなものもすごいあるし。
東山:日本のことをよく研究しているね。
土井地:アメリカでもラーメンブームは昔から結構ありますよ。
東山:向こうのは※1オーガニックラーメン屋だから。
※1 シェ・パニーズの元シェフが、オーガニック食材を使って作るラーメンとしても話題になった、オークランドにある「RAMEN SHOP」が有名。
松波:普通のラーメンじゃないんですよね。「プレミアムファストフード」って 言っているんですけど、ニューヨークで流行っているオーガニック食材を使ったハンバーガーだったりとか、オーガニックのラーメンだったりとか。そういう「プレミアム」なものが増えてきている気がする。日本でもファストフードがスペシャリティ化しているんですよ。
土井地:いままで街を形成するものって、服や音楽が中心にあったんですが、今は キッチンウエアやキッチン雑貨だったり、ダイレクトに食とつながったものがカルチャーの根源になっていると言えるかもしれないですね。松波さんや東山くんから聞いて行ってみたい場所って、食がおいしいところが多いしね。朝食がおいしいとか、食文化から街を知ることが 多いかもしれないです。昔は「いい古着屋さんがある」とか、そういう情報から入ることが断然多かったけど。