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White Mountaineering 2016AW in COLLECTION Paris 設立10年を迎えたホワイトマウンテニアリングのパリ・コレクション。 デザイナー、相澤陽介インタビュー。

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ー今シーズンのコレクションテーマや、テキスタイル、色、デザインなどの特徴を教えてください。

相澤:“TRAILBLAZER”がテーマです。現代の開拓者をイメージして、ワークウエアをベースに、機能素材を使ったヘビーデューティなアイテムが多いです。ブラックカラーのBLKラインとの組み合わせで、強さとソリッドなイメージを出しています。 色に関しては、自分の中のベーシックは、黒とネイビーなんですが、それに相性がいい赤を組み合わせた、という感じです。また、ハンティング風のテキスタイルや、ナバホ族風のテキスタイルを使ったアイテムやアクセサリーも展開しています。 今回は、特に、自分の中でクラシックなアウトドアウエアを、よりファッショナブルにしたいという思いも強かったです。

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ー服はもちろんシューズも毎シーズン注目されていますが、今回のシューズラインナップについても聞かせてもらえますか?

相澤:スニーカーに関しては、2年前から継続している、〈アディダス オリジナルス〉とのコラボレーションで、新作を展開しています。アディダスチームとは深い関係になり、彼らの高い技術力や強い部分を、ぼくらの世界観で表現させてもらっています。もうひとつは、シープスキンブーツでおなじみのアメリカのブランド、〈アグ〉とのコラボレーション。リアルなスノーブーツであったり、冬のブーツは、ブランドとして大事で、今回、自分たちの作りたいものを表現してくれるパートナーが〈アグ〉でした。

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ー今回、シューズだけでなく、ニットを得意とするパリのブランド、ムッシュー・ラスネールとのニットのコラボレーションアイテムがありました。コラボレーションすることになった経緯は?

相澤:今までは、ビッグカンパニーとコラボレーションをすることが多かったんですが、ふとしたときに、同世代、同感覚でものづくりをしているデザイナーたちと仕事をしたいと思ったんです。ニット自体は自分たちでも作れるんですが、なんでも二面性があったほうがブランドとしては面白いと思うんです。大きい会社とのやりとりも大切だけど、同じ目線で仕事をしてる同世代の小さいブランドとのやりとりをするのも大切かなと。以前から交流のあったラスネールのデザイナー二人も面白い洋服を作っているし、今回は彼らにデザインのエッセンスを渡して、彼らならどう作るかという興味も含めた、新しい試みでした。デザイナーのブノワも、スノーボード好きで、スキーニットとかを作っていて、表現方法は僕らとは全然違うんだけど、ある程度シンパシーを感じる部分がありました。それで一緒にやってみたという感じです。パリのローカルの連中と組むっていうのも大切だなと思いました。今回は、パリでの発表、そして、パリを拠点にしている彼らとのコラボなので、「パリ」と「東京」という二都市のロゴを入れたニットなど数型展開しています。

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ー相澤さんにとって、パリはどんな場所ですか?

相澤:自分にとって、パリは、コム デ ギャルソンで働いているときに何度もショーで来てたり、とても大切な場所です。自分が独立して、ここにくるとは思っていなかったですけど。欲深いタイプではないので。

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ーピッティ・ウオモからパリコレクションと、長期のヨーロッパ滞在ですね。ピッティとパリの間に、マッターホルンでスノーボードを楽しんだそうですね。

相澤:はい。マッターホルンは、2つのコレクションの合間に、完全にオフとして行ってきました。マッターホルンでは、身体を動かして、美しい景色を見て、物理的に気持ちを切り替えたという感じです。デザインだけするっていうスタンスは自分の中ではあんまり好きではないんです。デザイナーはストイックなほうが賛美されがちだけど、自分はいろんな人に会いたいし、興味のあるものにどんどんトライしたい思いもあるから。実体験する中で生まれるインスピレーションを大事にしたいと思うんです。現在は、それがうまくできている気がします。

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ーピッティ・ウオモのプレゼンテーションに関しても、少しお話を聞かせてください。アディダス バイ ホワイトマウンテニアリングのプレゼンテーションは、昨年6月のパリ以来、二度目ですね。

相澤:はい。アディダスとホワイトマウンテニアリングによる取り組みの印象づけが大事だと思っているので、演出にはすごく凝りました。洋服に関しては、黒、ダークグレーをベースにして、スポーツウエアの新しい解釈を表現しています。リアルなスポーツメーカーやアウトドアメーカーなど、アグレッシブなブランドと関われて、クリエイションを発表できている。それは自分の中ですごく大事な要素のひとつです。

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ー2つのコレクションを終え、これから各都市での展示会で一段落、ですかね。その後の予定は?

相澤:決めてません。とりあえず休みたい、という気持ちです。春になるまで雪山にこもりたいですね。

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相澤陽介
2006年White Mountaineeringをスタート

2010年S/Sより東京にてランウェイ形式によるコレクションを発表

2013年A/Wよりミラノ・パリにて展示会をスタート

同年 Moncler Wのデザイナーに就任

2014年A/W BURTON THIRTEENのデザイナーに就任

2015年S/S Barbour Beacon Heritage Rangeのデザイナーに就任

2016年S/S adidas Originals by White Mountaineeringのデザイナーに就任

2016年A/Wよりパリにてランウェイ形式によるコレクションを発表

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