「作ることは活動であり、それらには独自の価値がある」。そう考えるのは、英国の伝統的なワークウェアをベースにしたブランド〈ワーク ノット ワーク〉。英国のクリエイティブ集団「TOMATO」のサイモン・テイラーがディレクションを務め、独自の目線で仕事着とファッションをミックスし、着る人の個性を紡いできた。仕事着としての〈ワーク ノット ワーク〉の魅力とは? ブランドと関係の深い三人の「作る人」に話を訊いた。
Photo_Shin Hamada
Text_Mayu Sakazaki
Design_Shogo Kosakai(siun)
野木茂之
写真家。90年代にサイモン・テイラーと出会い、当時のカルチャーに影響を受けながら様々なクリエイションを共にする。〈ワーク ノット ワーク〉のカタログやムービーも、立ち上げから現在まで担当。またファッションだけでなく、矢沢永吉のプロモーションムービーなども幅広く手がけている。
サイモンと出会った90年代。
「サイモン・テイラーとの出会いは90年代の頭ごろ。当時はとにかく色々な人に会ったし色んなことが起こって、青春時代という感じでしたね。サイモンが連れてくる友達も面白いアーティストばかりで、仕事もそれ以外もずっと遊んでいるような感覚でした。僕が勝手に師匠としている写真家ノバート・ショーナーとの出会いもサイモンがきっかけ。その人の現場を見て、自分も写真を撮りたいと思ったんです」
自分のキャラクターを表現してくれる服。
「タフな仕事なので、仕事着というとハードワークに耐えられるものがいい。そこにインパクトというか、面白いやつだなと思われるような、キャラクターを出せる服っていうのを僕は選んでます。〈ワーク ノット ワーク〉は、やっぱりサイモンらしい。アーティストが作っているという感じがありますよね。パーツの使い方が変わってたり、ダズル迷彩とかデザインの背景を知ると面白かったり、とにかく刺激になる」
服の魅力は、人の魅力。
「洋服は組み合わせで言うと、クリストファー・ネメスがすごく好きなんですね。なので今回はちょっとそういう要素を入れつつ、素材だったり小物だったりで個性的なパーツを作ったら、自分らしくなるかなと。洋服って、作る人がどんな人かというのも大事だと思う。自分にとってサイモンは特別な存在だし、似合うかどうかよりも、どうにか着こなしてサイモンを喜ばせたいっていう気持ちもあるんです(笑)」
HB MELTON PRISON JACKET ¥38,500+TAX
SELVAGE DENIM WIDEFIT PT ¥19,500+TAX
野木茂之さんの仕事道具。
「今日はちょっと変わったカメラを持ってきました。中央はBOLEXの16ミリカメラで、例えるとジム・ジャームッシュの『パーマネント・バケーション』みたいな質感が撮れる。左上は、最近気に入ってるCHINONのHDカメラ。レンズがCマウントでBOLEXと同じ物が付けられたり、マクロレンズを付ければかなり接写してもピントが拾える。8ミリ感もありつつ、SDカードで撮れちゃう変態的なカメラです(笑)」
WORK NOT WORK URBAN RESEARCH 阪急メンズ大阪店
住所:大阪市北区 角田町7番10号 阪急メンズ館 5F
電話:06-6313-8757
WORK NOT WORK URBAN RESEARCH 静岡店
住所:静岡市葵区 鷹匠1-1-1 新静岡セノバ1F
電話:054-266-7164
9月11日より、グランドオープン。
WORK NOT WORK URBAN RESEARCH KITTE丸の内店
住所:東京都千代田区丸の内2丁目7番2号 JPタワー KITTE丸の内1F
電話:03-6269-9170
WORK NOT WORK URBAN RESEARCH マルヤガーデンズ店
住所:鹿児島県鹿児島市呉服町6-5 マルヤガーデンズ 1F
電話:099-295-0111
WORK NOT WORK
「TOMATO STUDIO」のサイモン・テイラーによるクリエイティブディレクションのもと、2012年に誕生したブランド。2013年に初のフラッグシップショップがKITTE丸の内店内にオープンし、2014年にアーバンリサーチ表参道ヒルズ店にコーナー展開、2015年に鹿児島マルヤガーデンズと続く。そしてこの夏、8月29日に阪急メンズ大阪店がオープン。9月11日には新静岡セノバの1階にもオープンも控えている。