Jeremy Scott

ージェレミーさんと〈アディダス〉のOriginals by Originals(以下ObyO)でのパートナーシップもだいぶ浸透してきた感がありますが、そもそも一緒に何かをしようと選んだ決め手は何だったのでしょうか？

ジェレミー・スコット（以下ジェレミー、敬称略）：イチバン！ それはナンバー1のスポーツメーカーだからだよ。スニーカーはもちろんだけど、アパレルラインも秀逸だし、総合スポーツブランドとしての素晴らしさは誰もが知るところだしね。なおかつ、ポップアイコンとしての知名度もあるし、カルチャーや音楽を始めとしたジャンルの垣根を越えた活動もリンクするかと思ったんだ。包括的に全ての要素を取り入れているところも僕自身のコンセプトにマッチしてるしね。

ーなるほど。〈アディダス〉の持つ様々な歴史やスタイルが〈ジェレミー・スコット〉とフィットしているんですね。

ジェレミー：そうだね。それに特徴的なアイコンであるスリーストライプスとライフスタイルブランドの〈アディダス オリジナルス〉と)コラボレーションできるのは、これ以上ない喜びだよ。

ー実際に〈アディダス〉と仕事を進めていく上で留意した部分などはあります？

ジェレミー：本当に多くの歴史的に有名なプロダクトが多いからね。そういったアーカイブをソースに使えるというのはエキサイティングだね。ハイトップやトラックスーツといったものを独自の解釈で自分のスタイルに落とし込むのは簡単なことではないけれど、だからこそ楽しいしやり甲斐があったと思う。

ー確かに〈アディダス〉の世界観を保ちつつ、まったく新しいクリエーションになっているのに驚きました。

ジェレミー：そこは僕が関わるんだからっていう部分はあったよ。〈アディダス〉としての知名度や優れたブランド力に加え、今までにないグラマラスな部分というのが上手く表現できたんじゃないかと思う。

ー日本でのマーケットというのをどのように見ていますか？

ジェレミー：うーん。正直なところ、日本のマーケットを他のところと比較して見たことはないんだ。僕は自分の純粋なアイデアを反映させて創作を行うタイプだからね。何かを生み出したいというモノ作りのパッションを大事にしたいと思っているから、特にマーケットを意識したことはないかな。

ーそれでは日本のファンについてはどうですか？

ジェレミー：日本には多くの友人がいるから親近感は強いよね。ユースカルチャーを通しての関わりも強いし、そういった面での仲間意識は少なからずクリエーションに影響を与えているかもしれないな。日本にいるファンからはいつも多くのインスピレーションも得ているよ。

ージェレミーさんの創作活動に日本のファンは影響を与えている部分もあるんですね。

ジェレミー：思うに日本というのは世界各地から様々なものが入り込んできていると思う。欧州のような階級に縛られた着こなしというのもない分、より自由にファッションや洋服を着るということを楽しめているんじゃないかな。

ーある意味で節操がないというか、貪欲に色々な要素を取り込むリミックス感覚は長けているかもしれないです。

ジェレミー：まさにそうだね。例えば頭のてっぺんからつま先まで全身を僕の作るもので固める人もいれば、1点だけ取り入れる人もいるわけでしょ？ 常に新陳代謝を行っているから送り手としても非常に刺激的。「ジェレミーは今度はどんなモノを作り出すんだ？」という思いと、その予想を上回るクリエーションを創造する僕とのゲームなのかも知れないね。

ーこれからも我々を驚かしてくれそうですね。それではベタな質問で恐縮なんですが、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

ジェレミー：数え切れないくらい達成したいと思ってることがあるから、目を離さずにいて欲しいな。とにかく素晴らしいクリエーションをし続けていきたいと思っているからね。読者のみんなに言いたいのは、個性を追求して欲しいっていうこと！