My First Luxury Experience Vol.1

中西哲生

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こだわりも 思い出も 心に残る「本物=ブランド」との出会い

ブランド、それは人生に豊かな彩りを与えてくれる刺激的なスパイスの一つ。簡単に手に入るものではないだけに、それとの出会い、共に過ごした年月には極めてパーソナルなストーリーが宿るものです。そういったブランドへの想いをWEBマガジン「フイナム」がセレクトした各界のクリエイターに訊きました。 様々な著名人の方々にとってのMy First Luxury Experience....

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自分にとって買い物は、
日々の活力剤のようなもの。

__中西さんが初めてブランドを意識したのはいつごろですか?

社会人になってから? いや、大学生の時からですね。その当時は京都で学生生活を送っていたのですが、〈リーバイス〉の501に、〈アルファー〉のMA1、〈ヘインズ〉の無地Tシャツを合わせ、足下には 〈ティンバーランド〉のデッキシューズ。もう、王道のアメカジの組み合わせでした。でも、それが一番格好良かった。まだ裏原とかが出てくる前でしたからね。

__そのときの行きつけのお店とかありますか?

名前は覚えてないですが、京都の寺町通や四条河原町にはよく行っていました。そこにあるアメカジ屋や古着屋を回って、ご飯を食べて帰るというのが定番の買い物コース。 お店に飾ってあるヴィンテージはさすがにお金がなくて買えなかったので、お手頃な「501」を何軒も回って探しまわる。学生なんで今みたいバカ買い(笑)は出来ませんでしたしね。身の丈にあった買い物をしていました。実はけっこう堅実なんです(笑)。

__その時、参考にしていた著名人とかいますか?

特にいません。ただ、今もそうなんですが、ファッション雑誌が昔から好きで、それこそ女性誌まで読んじゃうくらいだったので......。その膨大な情報の中から、自分のスタイルにあったモノやスタイルをピックアップしていく感じでした。なかでも一番影響された雑誌は「ポパイ」かな。あと、「メンズノンノ」の阿部寛さんも毎月ちゃんとチェックしてました(笑)。

__そんな京都での学生時代を経て、プロになり、中西さんの買い物に変化はありましたか?

プロになってからは買い物、ファッションともに変化しました。学生時代と違って、テレビの前に出る機会が多くなったことも僕の買い物人生の転機だったのかもしれません。それまでは、定番的なアメカジスタイルが中心でしたが、フォーマルなスタイルがだいぶ多くなりましたね。学生時代には手が出せなかったデザイナーズブランドにも少し興味が出始めて、〈ヒューゴ・ボス〉や 〈タケオ・キクチ〉などのアイテムも買うようになりました。

__そんな中で初めて購入したデザイナーズブランド物は なんでしたか?

たしか、〈ヒューゴ・ボス〉のジャケットです。当時流行ってた紺ブレとかじゃなくて、ちゃんとしたパンツに合わせる用のジャケット。かなりプライスも高くて、学生時代には考えられなかった買い物でした。また東京に来てからというもの、雑誌に出ている物がすぐに買えるようになったので、もう買い物が楽しくてしょうがなかったです(笑)。「雑誌に掲載されている商品を電話で問い合わせする」という、今でもやっている行為を覚えたのもこの頃。〈ヒューゴ・ボス〉も最初のジャケットに始まり、パンツ、シャツなど買い漁りましたね。あとは「バーニーズ ニューヨーク」に行って、〈プラダ〉や〈グッチ〉などいろいろなアイテムも買っていました。東京は、買い物好きにとっては天国のような場所です(笑)。

__その頃も男性誌、女性誌ともに読んでいたのですか?

そうですね。特に女性誌を読んでいる方が多かったかもしれません。女性誌は男性誌と違って、カバン込みのモデルカットが多いんで勉強になることが多いです。シャツの着こなしや色の組み合わせ方も、女性誌から学んだことは数知れずって感じです。それこそ、2000年の初め頃にセレブデニムブームありましたよね? 〈ペーパーデニム〉、〈AG〉や〈セブン〉などのデニムブランドなど。あれも女性から火がついて、男性にも飛び火したものです。僕は女性誌を読んでいたおかげで、男性で流行する前に一足先に購入。少しばかり優越感に浸れました(笑)。

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女性誌を読んだことで、自分のファッションが広がりましたね。

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