RECORDING, SOUNDS and ENVIRONMENT
オノ セイゲン
空間デザイナー/ミュージシャン
録音エンジニアとして、82年の「坂本龍一/戦場のメリークリスマス」にはじまり、多数のアー ティストのプロジェクトに参加。87年に川久保玲から「洋服が奇麗に見えるような音楽を」という依頼により作曲、制作した『COMME des GARCONS / SEIGEN ONO』ほか多数のアルバムを発表。
Photo by Lieko Shiga
目に見えないので、今すぐ影響はない、デモね。
2011.05.06
本日!(土曜日)は「春のヘッドホン祭2011」
(当日ご来場者の女性のお客様には、いやフォンをプレゼントします!)とのこと。なぜ女性だけ?
ほとんどの人が、ヘッドホン、イアホンで音楽を聴いてるという時代。安全基準がないので、なかには、私(専門家)からみて非常に危険なのではないかと思うものもある。音は目に見えない。どのような状況でどれほどの聴覚障害を起こす可能性があるか、明確な基準はない。ユーザーの自己責任ということになっている。注意点はふたつ。1:過剰な大音量、2:長時間の使用。ジャンルに関係なくこの二つはさけること。「音楽を聴く」ための道具なのに、見た目のデザインがまあまあ、価格が安いといういくつかのポイントが揃うと売れてしまうという嘆くべき現状。
高価なモデルが高性能なわけではないが、やっとプロフェッショナルの立場として推薦できるモデルが昨年、ひとつだけ登場した。ソニー MDR-EX800ST。ラグジュアリーではない。しかし限りなく(おそらくどんなスタジオモニターシステムよりも)精密、正確な音を聴くことができる。これで聴けば、CDでもなんでもそのミキシングの情報を100%聞き逃すことなく体験できる。今すぐ影響はでなくとも、これで「いい音楽」「いいミックス」だけを聴き続けると、努力せず、無意識のうちにも「いい感性」が形成されるはずだ!「美味しい食事」「鮮度のいい食材」を食べ続けるのと同じ。
言い換えると、これ以外のヘッドホンは大なり小なり、善くも悪くも、どれでも音は色づけされている。コンシュマー(一般リスナー)は、好き嫌いを十分尊重して、ファッションとして利用することはまったく間違っていない。ほんとうに選択肢が多いので、自分の好きなのをみつけるのは苦労するね。
クラブ系の好きな方には、こんなのもお薦め!
『そんなに広くないスペースで密閉された空間で低音から高域まで、ものすごく密度の高い音空間、そこにものすごい巨大なスピーカーシステムを入れて...とにかく巨大なイアーパッド、中華街の肉まん、こういうもので「ぶほっ」って挟まれて高級ソフォに座り込んだ...「マフっ」「ぼふっ」て感じなんですよねー』だそうだ。