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高畑誠UNITED ARROWS Press2003年から8年間、時しらず勤務。ショップマネージャー、プレスを経て2011年4月より、ユナイテッドアローズ プレスに。www.united-arrows.jp

高畑 誠のハッとしてGOOD!

高畑誠
UNITED ARROWS Press

2003年から8年間、時しらず勤務。ショップマネージャー、プレスを経て2011年4月より、ユナイテッドアローズ プレスに。
www.united-arrows.jp

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やっぱり気の持ちよう?

2008.09.25

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僕は中学1年生の頃、実はこんな病気にかかってしまった。


入学式が終わると、誰もが経験したであろうあの身体検査にて、どこか調子が悪いとこがあった為か、2次検査に行けという指令を出された。


しかも、親同伴という条件つきで。


2次検査は学校内での実施ではなく、近くのわりと大きめな病院で行われた。


この2次検査を受診しに行く生徒は、学年でも両手で数えることが出来るくらいの極少数の生徒のみ。


しかも、たいていの生徒は難なくその2次検査をクリアーし、待合室にて待機している親に迎えられ、ホッとしながら病院を後にする。
これが流れというもの。


聞いたことがある。学校内で行う1次検査では、機械の調子が悪くなることがあり、それによって結果が左右されるということを。


なら、僕も1次検査でたまたま悪い機械に当たってしまい、運悪くこの2次検査を受けに来た生徒の一人に過ぎない。 そう、貧乏クジを引いてしまっただけなのだ! と、そう診察室で思った。


甘かった。


母親が診察室に呼び出された。


コレはまずい…


単純になんでもそう。親の呼び出しはどの分野においても、良いものではない。


それプラス、目の前にいるのは病魔の根源を探し当てるプロ。発掘人だ。


ゆっくりと聴診器を取り外すと、プロの口から出た言葉はこうだ。


医師 「不整脈という病気です」


僕 「は…、はぁぁ?」


病名がさっぱり分からない中学生の僕はこう考えた。


隣にいる母親の顔を見れば、ある程度ではあるが深刻さが分かるに違いない。
そう判断し次の瞬間、母親の顔を見上げた。すると、


母「何ですかソレ??」


さすが。


無知だったのだ。


でも、なぜかそんな無知の母親を見て、安心させられたのを覚えている。


やはり母親という存在はデカい。


……、 いや違う。自分と同じく無知であり、これから共に医師の宣告を聞き入れる仲間的な見え方をしてしまってただけなのだ!


するとそんな僕らを尻目に、医師は言ってはいけない発言をしてしまった。


「いつ発作が起きて危険な状態になるかわからないので、ペースメーカーを付けましょう」


意味が分からない。


何?ペースメーカーって??


もちろん母も知らない。


本当に無知親子。


聞くところによると、ソレは手術により体内に埋め込む機械の事を指していた。


拒んだ。僕は頑なに拒み続けた。


医師は説得を続ける。


母は黙り込む。しばらく黙り込む。


僕と医師の攻防戦。


母はどっちつかず。医師の応援にもまわったり、僕の隣から援護射撃的な発言を時折もらしてみたり。


しかし、この戦いを制したのは僕だった。


絶対にそんなものは付けない。なんでそんな機械を体の一部にぶち込まれなきゃいけないんだ。


母親は僕の意思を尊重し、意思にペコリと挨拶をし二人で診察室を後にした。


しかし、悪夢は待っていた。


授業中に突然、心臓がチクチク痛み出し、中学2年生の時はマラソン大会をドクターストップで欠場。


運動大好き人間なら分かってくれるかもしれない。


マラソン大会を走らずにグラウンドの隅から応援するあのむなしい気持ちを。


でも理由は全て「不整脈」だった。


僕は泳いでいた。毎日毎日泳いでいた。当時、土曜日の夕方に放送していたこのアニメ。好きで見たかったけど水泳を取った。休みは日曜日のみ。朝も5時から泳ぎ、学校が終わると18時から泳いでいた。だから指と指の間には例のモノが存在する。


更に約1年後。


初のジュニアオリンピック出場が決まった。

全国には出て当たり前の選手はゴロゴロいる。


でも当時の僕にとっては快挙だった。


喜んでいたのも束の間。


通っていたスイミングクラブより、思いもよらない指令が下った。


「健康診断受けてきて」


終わった…


初めての全国大会。一大ビッグイベント。


出れない。


なぜなら僕は不整脈だからだ。


そんな審査的なものが必要なのかと当時は疑った。 でも受けなきゃいけない。 だから審査へ向かった。


ひたすら診察室で祈った。 医師が聴診器を両耳に装着する前からひたすら拝みまくった。


聴診器は僕の胸から背中まで、テンポ良く走り回る。


一周してその動きを止めた。 あとは医師のコメントを待つのみ。


通じてしまった。僕の祈り。


嬉しいようで信じられない医師の一言。 今でも覚えてる。


「心臓と肺機能は、通常の人間の約2倍強そうですね」


どぉーーなってるんだっ!? オレの臓器はっ!?!


このときばかりは思った。ベタだけど、ドラゴンボールで言うところの仙豆を頂戴した気分だ。


どうやら、克服していたらしい。 不整脈を。


まれにあるという。一粒も薬は飲まなかった。ペースメーカーも入れてない。医師に死ぬかもとさえ言われたこの病魔に僕の細胞は打ち勝った。


完勝。


「気」の力ってスゴイ。

Comment: 1

感動しました。
みるのが1週間遅れましたが
ここんとこで1番感動したブログです。

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