ねじれ現象 - 高畑 誠のハッとしてGOOD！（高畑 誠）

1分52秒86

この数字にピンとくる人は多いと思います。
先月１０日に競泳の入江選手が樹立した世界新記録(非公認)。

この問題ですが、個人的には？な感じです。
こんなのレース後のドーピング検査と同じなのではないでしょうか？
もちろん、当人や関係者も最悪の事態(出した記録が非公認になること)を
予測して、今回着用されたラバー水着を避けるということも
出来たのでしょうが...

この水着は自分の目で見た事も触った事もありませんが
どうやら水着の中に入った空気が水着を通過することなく
そのまま水着中にたまり、それが浮力を生み出し
体を水面に近いところに維持させるといった効果があるよう。
レース後半は体内に乳酸が溜まる事で体も思うように動かず、
推進力を生み出すキックも、水面に近いポジションで打てずに
推進力が低下し結果、記録に影響が出ます。

入江選手の記録は幻に終わってしまったように思われていますが
僕個人の考えとしては、入江選手が現時点で世界一のバックストローカーで
あると思っています。

200Ｍで従来の世界記録を1秒08も縮めるなんて事は
そう簡単な事でもないですし、ラバー水着を着用していなくとも
1分52秒台～53秒前半は出せていたのではないでしょうか(勝手な考えですが)。
日本記録を1秒08縮める事と、世界記録を縮める事は次元が全く違います。

複数の事物と事物との関係が、本来あるべき又は想定される状態ではなく、
矛盾や相反を含む状態に陥ったことを指す言葉を「ねじれ現象」と呼ぶようです。

現在、200M背泳ぎの日本記録は入江選手の日豪対抗で記録した
1分52秒86(水着を問わない独自ルールを設けていた日本水連が即時公認)。
世界記録はライアン・ロクテ選手が持つ1分53秒94。

入江選手と他の選手の水の差は大きいと思います。
まだ19歳ですし、特にこの選手の水中でのフォームは物凄く綺麗です。
おでこにペットボトルを乗せたまま泳げるわけですから...
泳ぎにブレがありません。

来月の世界選手権が楽しみです。