Interview with The D.O.T. The D.O.T.はこうして始まった。
2012.10.12
-この活動において、最もチャレンジングな部分はどういったところでしょうか?
ロブ: まず、僕らは両方とも、すでにそれなりに実績があった。そのなかで行うまったく新しいことに対して、みんなが耳を傾けてくれる、冷静に、そして客観的に聴いてくれるチャンスを与えてくれるかどうか、ってところじゃないかな。やっぱりみんな昔の曲を聴きたがっているし、あるいは、音楽業界的に冬と言われているこの時期に、まっさらな状態から始めるということが大きなチャレンジになるんじゃないかと思うね。
-ある一定の成功を収めたアーティストにとって、あなたのような決断をすることは容易ではないと思います。あなたたちが選択したそのような変化は、アーティストにとって必然だと思いますか?
ロブ: それは語り尽くせないくらい語れるよ...(笑)。簡単に言ってしまえば、僕にとっての幸せっていうのは、常に前進し続けること。そして、成長し新しいものを学んでいくことなんだ。毎日がそうでないとすごく時間の無駄だと考えてしまう(笑)。人間として世界をより良いものにするために何か貢献しないといけないと僕は思っているし、結局のところ、僕はどのように貢献できるのかというと、音楽を通して貢献する以外にない。やはり常に新しい音楽を作り続けて、前進しないとダメなんだ。
-では、あなたがより前進するために選んだパートナーである、マイク・スキナーの最も魅力的な部分はどのようなところだと感じてますか?
ロブ: 一緒にやっていて、僕にとっても最も楽な環境から連れ出してくれる、ぬるま湯から引き出してくれるところだね。普通の人であれば、やりやすい環境を望むのだろうけど、彼はまったくの真逆。そして、僕に忍耐を教えてくれた。僕がこれまでに会った最もクリエイティブな人だと思うね。音楽を作っていなければ写真を撮っているし、常に何かクリエイティブなことをしていないといられないという、生粋のアーティストだと思うよ。僕にとってはそういう人のそばにいることがとても重要だし、自分もその影響を受けることができるんだ。
-四つ打ちやダブ、レゲエ、様々な要素を含んだアルバムとなりましたが、そうした要素は自身の音楽的なルーツに依るところが大きいのでしょうか? それとも、マイクの音楽的な嗜好が反映されていると捉えていいのでしょうか?
ロブ: ビートに関する部分というのは、ほとんどマイクが作っているものではあるけど、このバンドの音の幅広さというのは、曲作りのアプローチが非常に多岐に渡っているというところがあると思うね。例えば、僕なりにビートを作ってマイクに渡すと、ちゃんとみんなが聴ける、まともなものに仕上げてくれるんだ。他にも、マイクが作ったビートの上に僕が詩を乗せたり。様々な曲作りのアプローチが、曲の幅の広さに繋がっているのかもしれない。
-2人の間に何かルールはあるのでしょうか?
ロブ: 何もないよ。ルールがないことがルールだ。
-2人の経歴の違いというのは、ユニットをやる上でどういう部分に最も影響が表れていると考えていますか?
ロブ: ひとつ言えるのは、音楽的なキャリアにここまでの違いがあったとしても、僕らは人として非常に似た者同士だということ。このことを念頭に置いたうえで、音楽をつくるという意味では、といってもまあ、2人の人間が一緒に何かを作れば、それがたとえどんなものであっても、どんな道を歩んできたとしても、それ相応のものが浮き上がってくると思うよ。
-つまり、互いのクリエイティビティを掛け合わせてできたものがすべてだと。
ロブ: ああ、その通り。例えれば、2人で一緒に何かおいしい料理を作ろうとしている感じだよ。何の決まりもなく、自分たちがおいしそうだと感じる様々なものを足していって、どんな味になるか分からないけど、これを入れたら美味しいんじゃないかと思うように仕上げていく。そのプロセスが楽しくてたまらないし、料理ができても食べるまでは美味しいかどうかも分からないだろ? 結局、それを食べる楽しみっていうのは、今日のライブということになるんだよ。