「PIZZICATO ONE」始動。小西康陽インタビュー。
2011.06.27
―ところで、今、若くて気になっているアーティストやプロデュースしてみたいアイドルとかっていらっしゃいますか?
小西:あー(笑)。今日ちょうどお昼にレコードを聴いていて、久々に若い女性歌手の曲を作りたいと思いましたね。割と、このアルバムを作っている間や、作ってすぐの時は、自分より年上の人ばっかりプロデュースしたいと思っていたんですが。久しぶりに、若い女性のポップスを作ってみたいな、と思いました。
―それは、日本のアーティストということでしょうか?
小西:そうですね。
―そんなこと言ったら、色んなところから話きちゃうのでは(笑)?
小西:いやー、どうでしょう(笑)。去年ね、少女時代の「Gee」という曲を聴いて...
―あの衝撃的な...
小西:そう、僕もあれを聴いて、ほんと久しぶりにすっごい悔しかったんですよ。「これは自分の書きたかった曲だ!」って感じで。正直、Perfumeを見ていても、「あー、中田君スゴイなぁ」と思うけど、別に自分でやりたいとは思わなかったんですよ。でも、あの「Gee」って曲を聴いた時は、なんていうんだろう、ちゃんとポップスになってる、というのがスゴイと思ったんですよね。
―なかなか意外なところでした。
小西:あとは、東京女子流(注4)の「ひまわりと星屑」。東京女子流ってご存知ですか?
―いえ、知りません。アイドルユニットですか?
小西:おそらく、10代前半の年齢の子たちなんですけど。この人たちも、この「ヒマワリと星屑」は他の曲とは違うんですよ。「I Belive in Miracle(注5)」を超えた曲ですよ!(笑)
―なんと! これは、さっそく編集部に戻ってチェックですね。
小西:この2曲がヘビーローテーションですね。
―それこそAKBなんかどうですか?
小西:AKBはね、好きな曲も結構あるんだけどね、ただ、ソロでこの子がいいとかは特になくて、もっと言えば、ちょっと人数が多すぎるかな(笑)
―プロデュースしきれないですね(笑)
小西:僕、小学校は東京だったんですけど、この辺の小学校って一学級30人しかいなかったんですよ。だから、48人はね、ほぼ2クラス分ですから、手に余る(笑)。
―そうですね(笑)。
―いろいろとお話を聞いてきたのですが、最後に、今後の活動のことについてお伺いしたいと思います。
小西:うーん、ソロ・アーティストとしてはやっていきたい、っていうのはあるんですけど、ただ今回みたいなアルバムはね、たまに出すからいいかな、っていうのはありますね。でも、ひとつはクラブミュージックだったり、ひとつは最近のフェスティバルだったり、そういう音楽をみんなで聴く、みんなで分かち合うという流れがずっとあったんですけど、本当に一人になって聴く音楽とかっていうのを小さい形ながら、今回こういうのがあるっていうのを伝えることができたかな、と。
―ほんとうに仰る通りのアルバム思います。
小西:なんか、そういう作品だったら、僕も機会があれば積極的に作っていきたいし、そうした作品のプロデュースであれば是非やりたいな、というのはありますね。
―そういった意味では、このようなアルバムを小西さんが作ったというのは大きいですね。
小西:昔、レコード文化が豊かだった頃は、ジュリー・ロンドンのレコードを買ってじっと聴いていると、ほんとにギター1本で自分の横で歌ってくれている感じなんですよ。そういう1対1の聴き方というかね。最近は、そういう音楽が少ないですね、ほんとうに。だから、そういうのもアリなんじゃないかな、と思いますね。
―どうもありがとうございました。