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SILENT POETS×toe 互いの音像に惹かれ合う、 オルタナティブミュージシャンの邂逅。

2014.02.05

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-SILENT POETSの音楽で多用されているストリングスは、情緒的で非常に印象的ですが、どのように作っていらっしゃるのでしょうか?

下田: ストリングスにしても同じような流れで作っていますね。ひとつのフレーズだけ先にあって、それをループして作ってみたり、アレンジしたりして最後に展開を作っていく感じです。映画音楽とかのストリングスで心を持っていかれたりする感じ、ああいう世界がやっぱり自分は好きなんです。そういう音楽を単純にやってみたいなっていうのがあったし、バイオリンとか弦の音って心にくるじゃないですか。だから、やっぱり使いたくなっちゃいますよね。でもだからといって、クラシックがそんなに好きなわけではないし、それをそのままやろうとは思わないんですよね。全然詳しくないし。

山㟢: そこがSILENT POETSのすごいかっこいいところなんですよね。例えば、ジャズのすごいかっこいい曲をサンプリングした有名な曲があるとして、それを聴くとジャズとかそんなに詳しくないから、「長っ!」って、ちょっと退屈に感じるんですよ。なんだよ、かっこいいとこちょっとしか出てこないじゃないか! みたいな(笑)。

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下田: そういうの、あるよね。

山㟢: ヒップホップのように、サンプリングして曲を作る手法がかっこいい音楽として認識されたぐらいから音楽を聴いている僕としては、ストリングスを使った原曲を聴いたら、「いい曲だけど、長いな。あんまりノレないな」って思うんです。でも、SILENT POETSはそこにちゃんとかっこいいリズムを入れてくる。楽器が上手くて、アカデミックな音楽の勉強をした人にはできないだろうし、そういうことをしていない下田さんがかっこいいことをしているということ自体が、超かっこいいと思うんです。バンドとかもそうなんですけれども、楽器できないヤツがなんかすごいかっこいいことをしているみたいなエネルギーにグッとくるところがあるんです。SILENT POETSにもそういうところがあると思いますし、やっぱりそこが素晴らしいなと思います。

下田: 僕がダブにこだわっているのも、完成された曲にエフェクトをかけたりして、いかに違う曲にできるのか実験する面白さがあるからなんですよね。ストリングスも最初はサンプリングでワンフレーズをループして使っていましたけれど、それを生のオーケストラでやってみたいという願望がだんだんと出てきて。今はけっこう多用してますけれど、それがこれからはどうなっていくかは未知数です。

-toeはどんな風に音作りされていらっしゃるのでしょうか?

山㟢: うちのバンドはインストバンドなんで、ジャムセッション的なバンドと対バン、みたいなことがよくあったんですけど。「なんかみんなでやろうぜ!」って言っても、みんなセッションできない感じなんですよね(笑)。あと、自分はパンクロック的なものが好きで音楽をやり始めて、いわゆる3コードの衝動だけでできた曲に、すごい憧れがあるし、その強さは知っているんだけれども、自分にはそれができないって知っているから、衝動だけでできた曲が嫌なんです。どちらかというと、計算されて作曲された楽曲をガッてやるほうが、やりたいことに近いんです

下田: そうだよね。僕も完全に仕込まないと動けない。なんか即興でやってと言われても何もできないから。準備していかないと。

山㟢: 本当、そうなんですよね。たまにセッションみたいなことを頼まれてギターだけで何かやって欲しいと言われて「いや、できないですよ」と言ったけど、乗せられて1回だけ調子に乗ってやったことがあるんですよ。そしたら本当にできないから、お客さんの顔がみるみる曇っていくんですよね(笑)。だから、あんまり悲しい想いをお客さんにさせると困るなって思うんです。

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下田: 僕も前に同じようなことを頼んじゃったことがあったよね。

山㟢: だから前、練習しましょうよ、って言ったでしょ(笑)。

下田: そういうことだったのか、って今の話でよくわかった(笑)。

山㟢: 練習してたらできるので(笑)。

下田: 今回のイベントはイベント名に"セッション"と銘打っているから、なんか一緒にやるっていう感じに誤解を生んでいるかもしれないですが、今回はそういうことはないです。いつかちゃんと準備してセッションもできたらいいなと思いますけれど。

山㟢: 一緒にやるのはちゃんと練習して、もうちょっと小さい箱でふたりでやりたいですね(笑)。

-今回のイベントの全体的なイメージはどのような感じでしょうか。

下田: 「SILENT POETSを知らない」「toeを知らない」っていう人たちが混ざり合って、いろんな世代やジャンルの人が集まる楽しい場所になることをイメージして、「ANOTHER TRIP SESSION」というコンセプトにした感じです。いろんな意味でのセッションになればいいなと思って。

山㟢: だから、出演するDJ陣は僕たちふたりでお願いしたい人を5人づつ挙げて決めました。

下田: これだけいろんなジャンルの人がいたら、その周辺の方にも来てもらえそうかなと思って。最近こういったイベントが少ない気がするし、ロングタイムでお酒を飲みながらリラックスして音楽を楽しんでもらいたいなと思っているんです。

-とても楽しみですね。最後に、今年の活動として意識的にやっていきたいことについて教えてください。

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山㟢: 今年はアルバムを録ろうと思っています。そんなことを言い続けて、早3~4年経っているんですけれども(笑)。お正月にビートルズの『ザ・ビートルズ・アンソロジー』というDVDを買って、観ていたんです。僕はそんなにビートルズを一生懸命聴いていたわけではないんですけれど、ジョージ・ハリスンがよく使う音色があって、その音がいいなって、今思っていて。今日、友達にその音の出し方を教えてもらったんです。なので、その音を出せるエフェクターを買って、いろいろ試してみたいですね。

下田: その音を使ったアルバムが出るかもしれないということですね。僕も今年はアルバムが出るかもしれないっていうか、もう出さないと......。去年、NewDubアルバムと前作『SUN』のリマスター編集盤を出してスイッチが入っているから、この勢いで作りたいと思います。できたら、山㟢くんにもちょっと手伝ってもらいたいなと。

山㟢: でも、俺時間かかりますよ(笑)。

下田: (笑)。山㟢くんがよければぜひ、やってみたいです。作品は年内に出せるかわからないですけれど、頑張って作ります! 今回のイベントも評判が良かったら、続けてやっていきたいですね。DJも精力的にやっていきたいと思ってます。やるからには普通にやるのではなく、その一晩でいちばんかっこいいDJを目指してやりたいって、柄にもないことを思ったりしているので(笑)。

山㟢: ずっと待っていたんで、本当に楽しみにしています!

ANOTHER TRIP SESSION vol.1
Live:Silent Poets、toe
DJ:check this site
日程:2014年2月7日(金)
会場:LIQUIDROOM/LIQUID LOFT
開場:lounge open 20:00 
料金:3,000円

チケット購入先
PIA[P-code 220-938]、LAWSON[L-code 76888]、e+、DISK UNION(渋谷クラブミュージックショップ/新宿クラブミュージックショップ/下北沢クラブミュージックショップ/吉祥寺店/町田店)、LIQUIDROOM

LIQUIDROOM
電話:03-5464-0800
www.liquidroom.net
※20歳未満の方のご入場はお断り致します。年齢確認のため、顔写真付きの公的身分証明書をご持参ください。

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