ジョニー・デップが迫る、マンガで世界を変えようとした男の物語。
ダ・ヴィンチとフランシス・ベーコンの系譜を受け継いだと称されるイギリス人アーティスト、ラルフ・ステッドマン。彼の画は、不適切、危険、残酷、過激、反体制的と極めて凶悪にして暴力的な言葉で評されています。
国際政治や人権侵害の是正を訴えるその作品は、『ザ・ニューヨーカー』や『ローリング・ストーン誌』などに掲載され、後に盟友となる型破りなジャーナリスト、映画『ラスベガスをやっつけろ』の原作者としても知られるハンター・S・トンプソンの目に止まりました。
この度ご紹介する『マンガで世界を変えようとした男 ラルフ・ステッドマン』は、そのハンター・S・トンプソンとラルフ・ステッドマンの波乱に満ちた友情物語を主軸に、ビートジェネレーションを代表する作家ウィリアム・バロウズとの交流や、ラルフの熱心な収集家として知られるテリー・ギリアム監督やビル・マーレイの協力の元に得られた貴重な映像を交えながら、創作活動の源に迫っていきます。
楽曲提供は「スラッシュ」、インタビューとナレーションにはラルフ・ステッドマンに魅せられた俳優のひとり、ジョニー・デップが担当しているというのも見所のひとつ。
カウンターカルチャーが隆盛を極めた60年代後半にイギリスからアメリカに渡った異端児であり、社会への壮絶な怒りとアナーキーなエネルギーに満ちた風刺マンガ。以来50年余り、変わらぬ情熱を保ち続けるラルフの姿を追います。
時に感嘆の声を上げ、時に言葉を失いながら、市民の自由のために筆を取る一人の芸術家の素顔を、この映画を通して学び感じ取ることができるはず。是非、映画館へ足を運んでみてください。
『マンガで世界を変えようとした男 ラルフ・ステッドマン』
公開:3月8日(土)より
劇場:シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
配給:ザジフィルムズ
提供:トランスフォーマー/ザジフィルムズ
監督:チャーリー・ポール
出演:ラルフ・ステッドマン、ジョニー・デップ、ウィリアム・バロウズ、テリー・ギリアム
音楽:スラッシュ
字幕:堀上香
字幕監修:野村訓市
配給:ザジフィルムズ
原題:For No Good Reason
(c) ITCH FILM LTD 2013
2012年/アメリカ/89分/ビスタ
http://www.zaziefilms.com/steadman/