HOME > LIFE STYLE > FEATURE
for Good Living STUSSY Livin' GENERAL STOREが形成する、たおやかなライフスタイルを業界きっての識者三人が語り尽くす。
2014.02.03

これまでもフイナムで幾度となく紹介してきた、〈ステューシー リヴィン ジェネラル ストア(STUSSY Livin' GENERAL STORE)〉。現在「BOOKS and STORE」と題した企画展が、代官山・蔦屋書店にて開催されています。イベントを記念して行われた、中原 慎一郎氏(Landscape Products)、野村 訓市氏(TRIPSTER)、柴田 隆寛氏(編集者/EATer)の3名によるトークセッションを完全再現。〈ステューシー リヴィン ジェネラル ストア〉の穏やかな世界観の一端に触れた、貴重な会合となりました。
Photo_Yuichiro Noda(without still life)
Edit_Ryo Komuta
中原 慎一郎(写真左)
ランドスケーププロダクツ代表。オリジナル家具等を扱う「Playmountain」、カフェ「Tas Yard」、コーヒースタンド「BE A GOOD NEIGHBOR COFFEE KIOSK」、子供のためのレーベル「CHIGO」を展開。また住宅/店舗のデザイン業務、イベントプロデュース/ディレクションを手がける。
野村 訓市(写真中)
東京出身。海の家スプートニクから、同名の世界中86人のアーティストをインタビューした雑誌の刊行後、2階立てバスの日本縦断旅行を刊行し、現在執筆/編集を中心にしながらインテリアデザイン、アートディレクション、ブランディング、イベント制作等を手掛ける。Tripster所属。
柴田 隆寛(写真右)
編集者/EATer所属。マガジンハウス『&Premium』エグゼクティブディレクター。その他、雑誌を主戦場に書籍やweb、広告制作などを横断的に行う。主な編著書に『リサ・ラーソン作品集』(ピエブックス)『Tools』『Tools2012』(講談社)『LIFECYCLING』(パイインターナショナル)などがある。
柴田: みなさん、今日はお集りいただきありがとうございます。本日、司会を務めさせていただきます、編集者の柴田隆寛です。どうぞよろしくお願いします。お二方も簡単に自己紹介をお願いします。
野村: 編集者の野村訓市です。よろしくお願いします。
中原: 「ランドスケーププロダクツ」の中原です。
柴田: ありがとうございます。さて、もう売り場をご覧になった方もいるかと思いますが、今回のイベントは「BOOKS and STORE」ということで、〈ステューシー リヴィン ジェネラル ストア〉のアイテムはもちろん、ライフスタイルに関する選書を僕ら三人が行って、同時にそれを展示するというものです。〈ステューシー リヴィン ジェネラル ストア〉のことを知らない方もいらっしゃるかもしれませんので、ブランドについて、そしてもちろん〈ステューシー〉についてなど、色々なお話ができればと思います。まず、〈ステューシー リヴィン ジェネラル ストア〉は2011年の秋冬シーズンにスタートして、今回で5シーズン目を迎えるブランドです。中原さんはディレクションという立場で関わられているんですよね?
中原: はい。でも個人ではなく、会社で請けている仕事ですけどね。
柴田: そもそもどういう流れで「ランドスケーププロダクツ」がこのブランドを手がけることになったんですか?
中原: 共通の知り合いがいて、紹介してくれたのが最初ですね。あとは、なにか物事を始めるときはたいていそうなんですが、(自分の会社に)頼りになるスタッフがいたというのが大きいです。
柴田: なるほど。訓市くんは、〈ステューシー〉が最初にこういうことをやるって聞いてどう思いましたか? もう〈ステューシー〉との付き合いも長いかと思いますが。
野村: 「GENERAL STORE(ジェネラル ストア)」っていう名前だったので、身近なものを扱うラインなんだなと思いました。ちょっと気を使って選んだものを扱っているのかなって。あとは西海岸っぽいなと。
柴田: そういう西海岸的な要素は意識したんですか?
中原: 〈ステューシー〉のアイテムの中に、今はあんまり「MADE IN CALIFORNIA」というものが多くなくて。でも、このビーチショーツは未だに向こう(アメリカ本国)で作っているんです。そういう当時からずっと変わらないものっていいなと思いますし、そのへんを表現するにはどういうものづくりがいいんだろう、ということは考えましたね。洋服のように春夏とか秋冬っていう、やり方で考えているわけではないです。〈ステューシー〉に思い入れがある人たちは多いと思いますが、自分たちの中にもある、"思い"のようなものをもう一度呼び起こすようなことができたらいいなと思って始めました。
柴田: 確かにこのショーツは、もう大定番ですよね。
野村: 最初に履いたのは中学生のときですね。アメリカによく行く友達がいて、『スラッシャー(THRASHER)』っていうスケートの雑誌に〈ステューシー〉の広告が載ったとか、好きなスケーターがこれを履いてるってことに気づいたやつがいて。ハワイかなんかのお土産でもらいました。ただ、当時誰も〈ステューシー〉って読めなくて。なんて読むんだろう、なんて言いながら履いてました。未だにパジャマとして使ってたりするから、もう25年ぐらい経ってますね。
柴田: このショーツ、3月くらいには今そこ(トークショー会場内)でコーヒーを入れてくれている静岡の「IFNi COFFEE STORE」が手掛けるコーヒー染めのバージョンが出るんですよね。あとさっき、プレスの方に聞いて「へーっ」て思ったんですが、昔ショーン(・ステューシー)がシェイパーとして静岡に滞在していた時、近くの畑で農作業をしているもんぺ姿のおばさんを見て、ああいうのを作りたいって思って、このショーツの原型となるビーチパンツが生まれたらしいんです。そんな経緯があるものが、こうしてまた静岡で焙煎しているコーヒーと結びつくっていうのは面白いなって。
野村: ちょっと無理矢理ですけどね 笑。中原さんも昔の〈ステューシー 〉のパンツって履いてたんですか?
中原: 履いてましたね。まだ持ってます。
柴田: 〈ステューシー リヴィン ジェネラル ストア〉というシリーズは、定番としてどんどん蓄積していくっていう考え方なんですよね。
中原: はい。テーマを毎回決めてやっています。向こうの人の暮らしぶりとか、自分的に気になることとか、ものづくりをするにあたっての要素は色々あると思います。
柴田: 僕が見ていて面白いなと思ったのは、元々カリフォルニアとか西海岸なところから始まっているのに、例えば福岡の〈フジト(FUJITO)〉っていうブランドとデニムを作っていたり、日本のものづくりをしている人と一緒にやっていますよね。
中原: そうですね。なぜかというと、今回もそうですけど、色々な場所でポップアップストアという形式でお店を出すことが増えてきたんです。そうすると、いろんな人に出会うので、その度に色々なものが増えていくんですよね。
柴田: 元々ポップアップストアという形態は考えていたんですか?
中原: いや、そういうわけでもないんです。
柴田: 最近では本国の方でも取り扱いがあるんですよね。
中原: はい。US版のビジュアルブックにも載せてもらったりして、すごくありがたいですね。
野村: 続けるうちに、段々商材が大きくなってきたりするんですか?
中原: うーん、どうだろう? でも、今回展示もされていますが、(ライノ)トランクとかはありますよ。
野村: 最終的には、家までとか 笑。
柴田: いいですよね、小屋とか。今、1Fの展示スペースにあるiPadの中のイメージムービー(2013AWコレクション ※カリフォルニア・トッパンガキャニオンにて撮影)をぜひみなさんにも見てもらいたいです。
野村: 70年代ぐらいに、いろんなミュージシャンが集まってたような場所ですよね。古材とかを集めてみんな勝手に家を作っちゃったっていう。
柴田: そうそう。そんな場所で撮影をしているんです。そういう小屋みたいなお店があったらいいなって勝手に思ったりしてます。
野村: 伊豆にもそういうところがありますよね。変わったおじさんが山を持ってて、ヒッピーが行くとガンガン家を作ってくれるっていう。