"ゴースト・バイク"って何ですか?
ゴースト・バイク(GHOST BIKE)。少しネガティヴなイメージを連想させる言葉ですが、その名の通り、天に召された自転車のことを差します。このゴースト・バイクをフォーカスし、一冊に撮りまとめた写真集『GHOSTBIKE』がリリースされました。
時は2003年のニューヨーク。ピストバイクが台頭し、ひとつのカルチャーが生まれた時代。ノーブレーキのメッセンジャーやライダーが街に溢れていました。その反面、事故の発生率が上昇、多くの人が命を落としたと言われています。以後、このピストカルチャーは海を渡ったロンドンにも波及することに。
それから早10年、盛り上がっていたピストシーンは少し落ち着き、その代わりに白く塗られた無人の自転車があちらこちらで目に付くようになりました。これがゴースト・バイクの由来です。真っ白な自転車がチェーンで括り付けられた場所は、まさに持ち主が亡くなった場所。その人には大切な家族や恋人、友達がいて、持ち主の亡き後、その自転車を白く塗って花や追悼の言葉と共に置いたことから、ゴースト・バイクと名付けられたそうです。
完成品で残っているもの、前輪も後輪もなくフレームだけになってしまっているものなど、自転車の見た目から、事故の大きさや持ち主の人柄が垣間見えてきます。もちろん、そこに自転車に乗る人への警告の意が込められていることは言うまでもありません。
この写真集は、見る人によって感じ方が違います。そもそも自転車に乗らない人もいますから。アートとして捉える方もいると思います。とはいえ、未だに見かけるノーブレーキのピストバイク。まずは手に取って見てみてください。きっと心の中で何かが変わるはずです。
『GHOSTBIKE』
著者:今井竜也
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