独自のセンチメンタリズムが胸を打つトッド・ハイドの個展が開催中です。
不定期ながら、国内外のアーティストを店内奥のスペースで紹介し続けている、恵比寿の「POST」。ここがオススメするなら間違いないだろうというぐらい、各方面から篤い信頼を勝ち得ているギャラリーなのですが、今回紹介するアーティストも当然"間違いない"わけです。
現代のアメリカを代表する写真家の一人、トッド・ハイド(Todd Hido)。今は彼の個展が開催されています。トッド・ハイドは1968年生まれ。現在はサンフランシスコを拠点に活動しています。
郊外のロードサイドに佇む住宅を夜間に撮影した『House Hunting』(2001)、モーテルで無名のモデルたちを撮影した『BETWEEN THE TWO』(2006)、車内から荒涼とした風景を撮影したシリーズ『A ROAD DEVIDED』(2010)などいずれも高い評価を得ています。
彼の作品には、写真に写っているもの以上の何かを想起させる、不思議な力があるような気がします。映画のワンシーンを切り取ったような、写真自体が生きているような、そんな生命力に満ちているというか。非常に匿名性の高い作風ながら、トッドにしか撮れないような作家性が感じられるのも特徴の一つと言えます。
トッドの作品は、アメリカの「Rose Gallery」や「Bruce Silverstein Gallery」などで取り扱われており、グッゲンハイム美術館やホイットニー美術館、サンフランシスコMoMAなど30以上の美術館やコレクターたちに収蔵されています。
今回の展示は、今年「Nazraeli Press」より出版された作品集『Excerpts from Silver Meadows』より20点で構成されています。これだけの作品が日本でまとめて紹介されるのは初だそう。貴重な機会ですので、お見逃し無きよう。
Exhibition [Todd Hido]
会期:〜9月1日(日)
会場:POST
住所:東京都渋谷区恵比寿南2-10-3-1F
営業:12:00〜20:00 (月曜休)
協力:Nazraeli Press、Todd Hido