Investigate AIR FORCE BLUE LINE. BLUBRIEFING×BEAMSで手掛ける 「AIR FORCE BLUE LINE」に迫る!
2013.07.29
-それで今回、ネイビーのコレクションをリリースするに至った経緯は?
中田: じつはこれ、5年前くらいからリクエストしていたんですが、一向に首を縦に振って頂けなくて...。
-ははは。それには何か理由があったんですか?
小雀: いやぁ、実際生地自体のロットの問題だとか、〈ブリーフィング〉でもネイビーというラインは考えていて、それをリリースするタイミングを考えていたっていうのもありました。 それで今回、15周年で〈ブリーフィング〉でもネイビーのコレクションをスタートすることが決まり、その話をしたら、同じタイミングで別注をリリースしたいと返答を頂いたので、実現するに至りました。
-機は熟したわけですね。
中田:
僕らの別注のプロジェクトって、基本1年に1回のペースでコンスタントに続けていたんですが、それだとテープなどパーツの部分も含めてロットはこなせないなと思っていたんです。ビームスとして別注するなら、ボディだけでなくテープなどパーツの部分までエクスクルーシブのネイビーで作らないと意味がないと思っていたので。
しかし、〈ブリーフィング〉が15周年を迎え、ビームス プラス 丸の内のショップにも〈ブリーフィング〉のコーナーを作らせて頂いていている手前、目玉になるようなプロジェクトを発足させたいという思いと、ビームス ゴルフで手掛けた迷彩柄のゴルフバッグの別注も反応が良かったという意見なども後押しして、全社的に腹をくくって大きな別注のプロジェクトに仕上げていきました。
-ガツンといったわけですね。ちなみにネイビーというカラーを選んだ理由を教えてください。
中田: ビームス プラスのプロジェクトとしては、〈ブリーフィング〉の根底にある「ミリタリー」という部分は崩したくないというのがありまして。なので、過去に軍で使用されていたモデルをイメージした結果、この朝鮮戦争時代のフライトジャケットが採用したネイビーがモチーフになりました。このカラーになるべく近づけた別注アイテムを作れれば、きっと〈ブリーフィング〉らしさ、ビームス プラスらしさも感じられて、お客さまはもちろん、社内の人間も納得できると思ったからですね。
-〈ブリーフィング〉のネイビーとも色合いが異なりますね。
中田: はい。ビームスはヴィンテージのフライトジャケットをベースにカラーチップを出して色出しをして貰って、近づけていきました。
-〈ブリーフィング〉的にインラインとビームスとでネイビーの色合いを変えてリリースするのは、労力的に大変ではなかったですか?
小雀: 色出しの手間は、それほどありませんでした。ただ、ネイビーって色出しが難しくて、何パターンかは出しましたね。それと、今回はテープの色出しもしていますので。
中田: パントーンで指定すると、すごく光沢のある素材なのでブレが生じてしまって。さすがにヴィンテージのフライトジャケットをカットする勇気はなかったので(笑)、似たようなナイロン生地をビームスの生地資料から探し出して、「ボディはコレ、テープはコッチ」という指示で進めていきました。
-そこの進行はスムーズだったんですか?
小雀: 3度ほど出し戻しをしましたね。
中田: 結構、時間は掛かりましたね。でも、小雀さんがスピーディに対応してくださったので、ストレスを感じることはなかったです。
小雀: どうしても生地の番手が異なるので、光の加減で色の見え方が変わってしまうんです。データ上では一緒ですが、実際の物で見ると異なってしまうのを調整していきましたね。
中田: 何パターンか出して貰った物を朝、昼、夕方の光の具合で色味を確かめて、最終的に決定していきました。
-型的には今までにリリースした物を採用しているんですよね?
中田: はい。今までにはヘルメットバッグやダッフルバッグ、コンバットバッグなども別注でリリースしているんですが、その中でも選りすぐりの3型を採用して、ネイビーに落とし込みました。この3型があれば、バリエーション的にほぼどんなシーンでも使いこなせるので、お客さまにも満足してもらえると思いますし、それに加えて〈ブリーフィング〉の定番の中から、ブランドの顔となるNEO B4 LINERというブリーフバッグと、D-1、T-1というトロリーバッグ、それにゴルフのキャディバッグを誕生させました。
-それでは、今回ネイビーでの新型は登場しないんですね?
中田: はい。じつは仕込み始めているんですが、ネイビーだけで大きな目玉なのに、そこに新型を登場させてしまうと次の楽しみがなくなってしまうな、と思いまして。
-おぉ。となると、すでに次の別注も楽しみになりますね。
中田: ビームスとしては、このコラボレーションを今後もずっと継続したいと考えていますので、一気に盛り上げてそれでお仕舞いにはしたくないんです。ビームス プラスのコンセプトとして「一度愛したブランドは、ずっと長くつきあっていきたい」という想いがあるので、次の戦略を練って、いろいろ仕掛けていきたいです。
小雀:
ビームス プラスは一度誕生させた別注モデルは継続で販売させて頂いていますし、ビームス プラスというショップは〈ブリーフィング〉というブランドにも1番フィットすると考えていますので、前任の桜井さん含め、中田さんのこだわりが異常に強く、企画を詰める時間を要しても、納得のいく別注が作れているとは思いますね。
今回のネイビーにしても、ウェービングからファスナーからほぼすべての色を統一させたいという話だったので、予想以上に時間は掛かりましたが、ここまで仕様を変更する別注は初めてだったけれど、中田さんの納得のいく別注が完成できて良かったと思っています。
あと、〈ブリーフィング〉が提案するネイビーとも異なる雰囲気に仕上がり、完全に別物になったと思えるので、お客さまのバッティングも無さそうですし、良い差別化が出来たのも良かったですね。
中田: パーツの手配が大変だったのに、まったく同じ10型を別カラーのジップを採用してサンプルを作って頂いたり、コストの面ではご迷惑をおかけしてしまったのは反省します。
-今までの別注と、ほぼ同額で納めていらっしゃいますが、そこは大変ではないですか?
小雀: いや、要した時間ぐらいで、コスト的には大丈夫です。
-ということは、たくさん売れて次々に追加オーダーが入れば、そこは解消できると?
小雀: そうですね。
中田: 確実に売れます!
-これは絶対に売れると思います。別注アイテムの詳細はビームスのサイト内「BEAMS MEETS WEST」にてご確認ください。
Shinshu Kosuzume
小雀新秀
ブリーフィング デザイナー
大手バッグメーカーの企画デザイナーを務めた後、1999年にセルツリミテッド入社。ブリーフィングやラップスといった自社ブランドのデザインディレクションを務める。
Shinsuke Nakada
中田慎介
ビームス プラス ディレクター
2000年ビームス入社。ビームス プラス 原宿のオープニングスタッフを経て、オリジナル商品の企画・バイイングなどに携わり、2012年より同レーベルのディレクターに就任。
www.beams.co.jp/special/beamsmeetswest/04/
BEAMS Online Shop - BRIEFING×BEAMS PLUS"AIR FORCE BLUE LINE"
http://shop.beams.co.jp/cc/?ccid=217479
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