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6名のデザイナーが作り出す、ホワイトシャツとミリタリーパンツ。

2011.07.20

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ジーンズとTシャツに次いで、多くの男性が持っているであろう、ミリタリーパンツとホワイトシャツ。この2つのアイテムを著名なデザイナーが手がけたら......。そんな夢のようなプロジェクトを「ビームス プラス」がこの秋冬に行います。その名も「BEAMS PLUS ESSENTIALS」。で、気になるデザイナーには、鈴木大器氏(Engineered Garments)を筆頭に、ナイジェル・ケーボン、北原信也(SUNNY SPORTS)などといった豪華面々が参加。この魅惑のプロジェクトの全貌を知るために、その首謀者及びデザイナーの方々にお話を伺ってきました!

Photos_Hiroyo Kai

INDEX
1. BEAMS PLUS ESSENTIALSの首謀者にインタビュー!
2. dip,Nigel Cabourn
3. REMI RELIEF,sage de cret
4. SUNNY SPORTS,Engineered Garments

まずは「BEAMS PLUS ESSENTIALS」の首謀者にインタビュー!
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― 今回のプロジェクトについて伺う前にビームス プラスの秋冬のラインアップを教えて頂きたいのですが。

中田慎介(以下中田):これまで同様、アメリカンカジュアルをベースとした現代のベーシックウェアを提案するようにしています。今季は「ニュー・トラディショナル」というシーズンテーマを掲げて、ワークにスポーツ、ミリタリー、アメリカントラディショナル、60/40クロスにシェットランドセーターなど、メンズファッションにおいて馴染みのある銘柄を現代的な解釈でスタイリングするような感じですね。

― 「現代的」というのは具体的にどういったことなのでしょうか。

中田:ビームス プラスでは、1945年から65年頃のアメリカ黄金期のユニフォームをベースにしているんですが、そこに1980年代の後半から90年代前半のエッセンスをブレンディングしています。例えばシャツの色味だと、ホワイトやブルーが主流だったのが、イエローやピンク、パンツではタータンチェックなどのバリエーションを増やしてみたり。イメージとしては、映画『ウォール街』のチャーリー・シーンが扮する1980年代後半のニューヨークの証券マンのスタイルですね。

― そのうえで今回のプロジェクト「BEAMS PLUS ESSENTIALS」は、どういった立ち位置になるのでしょうか。

中田:明確にシーズンとリンクするか、というと違うかもしれませんが、ビームス プラスが昨年10周年を迎えて次の20周年に向けて、新しい一歩を踏み出すための新しい企画といえます。しかも、ビームス本体の35周年と重なっていますし。

― 気合いが入っているのはかなり伝わってきます。このプロジェクトはどういった経緯でスタートしたのですか。

中田:10周年を終えて振り返ってみると、反省すべき点も多々ありましたが、同時にビームス プラスというカテゴリーを多くの方々にご理解頂けた、という自負もあるんです。そこで11年目を踏み出すうえで、改めてビームス プラスのコンセプトである「永年着られる飽きのこない本物の男服」を見つめ直してみようと。

― そこで白シャツとミリタリーパンツに挙がってきたわけですね。

中田:そうですね。ディレクターの草野と一緒にビームス プラスのコンセプトについて話し合い、ビームス プラスにおける必需品について話が及んだとき、草野は「ホワイトシャツ」を挙げていて、僕は「ミリタリーパンツ」だろう、と。で、そのままプロジェクト名も「BEAMS PLUS ESSENTIALS」に固まっていって......。

― 実際にこのプロジェクトに辿り着くまでに、紆余曲折があったりしたんですか。

中田:いや、むしろトントン拍子(笑)。このアイディアを揉んで、まずは各ショップの店長が集まるミーティングでプレゼンをしたんです。これがまた、かなり盛り上がりまして。

― これはもうイケる、と。

中田:そこまでは言えませんが、これまでの経験上、こういった企画物は考えすぎると良くないんですよ。だから、プレゼンのときの反応を見た時点で、僕のなかではスイッチが入ってしまい(笑)。

― 通常の別注ではなく、テーマを設けてデザイナーに作って頂く、というのも面白い試みだと思ったのですが。

中田:ミリタリーパンツにホワイトシャツとなると、オリジナルで様々なタイプを作ってきていますからね。だったら、いつもお世話になっているデザイナーの方々に作ってもらいましょう、と。

― こういった無茶な企画を著名なデザイナーの方々が協力して頂けたのは、10年の歳月で築き上げてきたお互いの信頼関係の証なのかなと。

中田:無茶(笑)、そう言ってしまえばそうかもしれません(笑)。ただ、ビームス プラスで別注やコラボレーションを行うときは、デザイナーの方と密にコンタクトを取り合って、一緒に作り上げるようにしてきたんですよね。そういった姿勢を貫いてきた結果が、今回のプロジェクトに繋がってきたのは間違いありません。

この先の10年間の進むべき道を示すためのプロジェクトなんです。
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― デザイナーのセレクトはどのような基準で行ったのですか。

中田:基本的にはビームス プラスの立ち上げ当初からお世話になっている方々ですね。そのうえで、「ホワイトシャツ」、「ミリタリーパンツ」を得意とするというか、僕らが作ってもらいたいと思える方々にお願いしました。

― 完成品を目の当たりにしたときの感想を教えてください。

中田:「ホワイトシャツ」とカーキの「ミリタリーパンツ」以外に、細かなオーダーしかしていなかったので、正直かなりビビっていたんですよ(笑)。ただ、実際にラインナップを見てみると、各々の個性が際立つ仕上がりで安心しました。といっても、そもそも信頼した方々にオファーを出していたので、心配する必要も無かったのですが(笑)。

― 実際、各デザイナーの「ビームスに対する想い」を感じたりはされましたか。

中田:クレイジーパターンであったり、とっておきのネタをこのプロジェクトのために使って頂いたり、ビームスに対する想いと各デザイナーのアイデンティティがうまく融合しているなと感じました。そういった部分に気付けたときには、本当に有難い気持ちでいっぱいになりましたね。

― こういったプロジェクトは販売が落ち込むセール前とかに仕込むのが通例ですが、秋冬シーズンの立ち上がりに合わせた意図はあるのでしょうか。

中田:ビームスだけでもたくさんのカテゴリーがありますし、35周年のアニバーサリーアイテムも数多く製作されています。立ち上がりと同時であれば、それらの企画のなかに埋もれることもなく、11年目を迎えるビームス プラスの新しい第一歩として広く認知して頂けると思ったんです。実際に良い物は仕込んだので、あとは日高(プレス)の頑張り次第ですね(笑)。

― (笑)。日高さん、いかがでしょうか?

(ここで日高さんが乱入!)日高:頑張っていますよ(笑)。なによりも僕にとって等身大のコレクションが揃っているのがビームス プラスですからね。考え方はベーシックだけど、どのアイテムも、スタイルも、きちんと今を表現している、それがビームス プラスなのかなと。

― 確かにそうですね。実際、フイナム読者のなかでも動向が気になる店舗の1つがビームス プラスだと思います。

中田:そういって頂くと、ありがたいですね。

― 今回のプロジェクトはかなりの人気が予想されますが、生産数やデリバリーの期間はどうされるんですか。

中田:せっかく35周年という節目で、素晴らしい方々に素晴らしい物を作って頂いたので、無くなったら終わり、というのはデザイナーの方々に失礼かなと。反応にもよりますが、35周年の期間は継続的にリリースできれば、と考えています。

― なるほど。「BEAMS PLUS ESSENTIALS」は「客寄せ」のための一過性のプロジェクトでは無い、ということですね。

中田:もちろんです。あくまでもビームス プラスとしてのこの先の10年間の進むべき道を示すためのプロジェクト。是非、多くの人に手にとっていただき、これからのビームス プラスの目指す男性像を知って頂き、共に作って行ければと考えています。

20110720_p1-3.jpg 中田慎介
1977年生まれ。栃木県出身。大学生の頃に地元のショップで販売員としてのキャリアをスタート。ビームスへの新卒入社を目論むも落選。ビームス プラスの立ち上げ時にアルバイトとして入社。現在は晴れて社員へ昇格し、ビームス プラスのバイイングを手がける生え抜きの「プラスッコ」。
www.beams.co.jp/labels/mens/beamsplus.html

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