来日中のFlorianに突撃インタビューを敢行!
2012.02.20

―素材から着想するということは、リサーチはかなり頻繁に行なっているのですか?
フローリアン:さまざまな素材メーカーを頻繁に訪ねたり、旅行して探してみたりが多いです。いまではチェコやイタリア・ベネツィアのムラノグラスという所くらいにしか伝統が残っていないので、そこはこまめにチェックしています。あとはサプライヤーメーカーに細かい指示をしてオリジナルの素材を開発していただいています。
―オリジナルで発注するとなると、相当数を作らなくてはいけないのでは?
フローリアン:本来はそうなりますが、小さいメーカーなので交渉しています。最初はインディペンデントなメーカーなので多少難航しましたが、自分が発注したアイテムが後に注目されて他のメーカーからオーダーが入るといった信頼と実績も生まれたので、最近は協力的です。契約はしていませんが、コンサルティング的な立ち位置で見てくれていたりもしますね。
―アクセサリー素材界の"アーリーアダプター"的な存在なのですね。
フローリアン:素材が重要なので、必ず工場には足を運んでいるのですが、例えばビーズによっては穴が大きすぎる場合があり必要ないから小さくしてとオーダーしたとします。渋々の反応ながら実践はしてくれるのですが、新しい工程だと割れてしまう場合がありまして。そうするとリスクが大きいんだから発注数を増やしてくれと吹っかけられたりなどもあります。だから、つねに話し合いの場を設けたり、現場のリーダー的な存在の機嫌を取ってみたり、小さいメーカーならではのアクションはつねに起こしていますね。

―自分のコレクション用に集めているヴィンテージのビーズや素材などもあるのですか?
フローリアン:コレクターではありませんね。モノを捨てるのは嫌いなので、取っておくことはありますが、基本的に良いビーズに出逢ったらアクセサリーに使いたいと思っています。
―シーズンごとにテーマを設けていますが、テーマが先ですか? それともプロダクトデザインが先ですか?
フローリアン:ほぼ同時ですね。それらがクロスオーバしてひとつのコレクションに仕上がっていきます。作っているプロセスではそこまで具体的な言葉は浮かんでいませんが、なんとなくイメージはまとまっていて、作り上げながら固まっていきます。

―ルックブックも素晴らしい出来なので、その辺りのお話も聞かせてください。
フローリアン:ルックブックのコーディネイトは「こういう風に着けて」的な表現ではありません。極端なスタイルを見せることによって、商品の魅力を伝えたり、より多くの方に知ってもらえたりを考えています。毎回フォトグラファーやスタイリストとの良いコラボレーションもできて、ひとつの作品に仕上がっています。

―毎回、印象がガラッと変わりますね。
フローリアン:自分は毎回同じようなモノを作って満足できるタイプではありませんので、今後もつねに変わっていくと思います。
―これからも私たちをワクワクさせてくれるようなアクセサリーとルックブックをクリエイトしてくれることを楽しみに待っています。今回はありがとうございました。